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IPO2015年8月12日

☆新規上場紹介 ラクト・ジャパン(3139) 8月28日、東証2部。乳原料・チーズなど畜産物専門商社

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ラクト・ジャパン(3139)が8月28日、東証2部に新規上場する。

社名のラクトとはラテン語で「乳」のこと。乳原料・チーズの輸入事業を手掛ける国内最大規模の食品専門商社で、乳製品原料取扱量の国内シェア3割を占める。

大手企業に属さない独立系とのスタンスと、食品に特化したことが大きな強み。同社は総合商社にはない専門性をもって顧客企業から高い信頼を獲得している。

生乳から派生したあらゆる原料を手掛ける同社の取扱品目数は550種類にも及ぶが、これら商品の知識を備えることはもちろん、乳製品の輸出入には複雑な税関検査や貿易手続きが必要。加えて、近年は食の安全に対する意識の高まりを受けて、顧客メーカーからは原料調達や物流段階でも高度な安全管理が求められている。同社では原料の一部を加工するなどオーダーメード型商品の比率が50%に達しており、これらすべての業務をトラブルなく、安定的かつ迅速に行うことのできる食品専門商社の活躍余地が高まっている。

需給のミスマッチとの側面からも同社への引き合いは多い。言うまでもなく、牛乳はチーズやバター、ヨーグルトなど料理や菓子に利用されるが、最近では健康食品や医薬品としても有効性が認められている。こうして利用が広がる牛乳をはじめ、日本における乳製品消費量は拡大を続けており、その量は年間1,200万トンと、1960年から約6倍増している。一方で国内の畜産従事者は減少の一途をたどっており、現在は乳製品消費量の約35%を輸入に頼っている。

同様の状況が食の欧米化が進むアジアでも見られ、同社の視線はそちらにも向けられている。既にシンガポールでチーズの製造販売を開始して、周辺国へ販売。タイにも100%出資の製造子会社を設立したり、インドネシアに現地メーカーと合弁でチーズ加工会社を設立するなど、アジアでの基盤作りを進めている。

また、同社は乳製品で培ったノウハウを生かして、2005年より豚肉や生ハムなどの食肉加工品の輸入事業にも参入済み。この領域でも北京ダックの取り扱いを開始するなど、アジアの食文化・商習慣を見据えた新市場の創出に余念がない。(Y)

概 要
事業内容乳原料・チーズ、食肉加工品などの輸入を主とする卸売および海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業
本社東京都中央区日本橋本町 4-8-15
代表者八住繁
設立1998年5月
上場前資本金4億6,553万円
発行済株式数(上場時)469万7,400株(上場時)
筆頭株主八住繁(上場前8.35%)
公募株式数780,000株
売出株式数594,000株(オーバアロットメント 206,100株)
初値1,400円(変わらず)
公開価格1,400円(8/19)
ブックビル仮条件1,300~1,400円 (8/10)
ブックビル期間8月12日~8月18日
引受証券野村(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、みずほ、SMBC日興、エース、丸三、SMBCフレンド、SBI

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2013/1175,942百万円1,669百万円261.49円30円
2014/1196,549百万円1,653百万円255.57円30円
2015/11(予想)93,257百万円1,174百万円164.25円30円

[本紙8月13日付2面]

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