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IPO2015年10月7日

☆新規上場紹介 ゆうちょ銀行(7182) 11月4日、東証。日本最多の店舗・ATMネットワーク

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資金運用は高度化

ゆうちょ銀行(7182)は郵便局の貯金部門の分離独立により2007年10月に誕生。「広く国民各層を顧客とするリテール金融機関」「本邦最大級の機関投資家」という事業モデルを掲げ、日本郵政グループの唯一の銀行として銀行業を行っている。従業員数は1万3,264人で、このほかに臨時従業員が1日8時間換算で5,289人(2015年6月末現在)。

窓口は郵便局ネットワークをメーンチャネルに全国2万4,000以上、ATM(現金自動預払機)の設置台数は2万7,000台を超え、日本一。顧客から預かっている総貯金残高は純増基調にあり、15年3月末はその前年度末に比べ1兆1,000億円増の177兆7,000億円。その90%を個人貯金が占める。

同行は177兆7,000億円の貯金を、有価証券156兆円(内、国債106兆7,000億円)や、シンジケートローンなど貸出2兆7,000億円などで運用することで、資金収益を確保している。このほか、為替業務、国債・投資信託・変額個人年金保険の販売、住宅ローンなどの媒介業務、クレジットカード業務など手数料ビジネスも手掛ける。特に投資信託については顧客の運用ニーズの多様化やNISA(少額投資非課税制度)に対応し、商品ラインアップの拡充(15年3月末現在で95商品)、フィナンシャル・コンサルタントの育成・増員など、利便性向上に取り組んでいる。

運用資産は15年3月末現在で205兆9,000億円。その内訳は国債(52%)を筆頭に、地方債3%、社債・短期社債5%、その他の証券16%、金銭の信託2%、預け金等16%、コールローン1%、債券貸借取引支払保証金4%、貸出金1%。 

4月1日発表の中期経営計画によると、3年間で総預かり資産を4兆円(内訳は貯金3兆円、資産運用商品1兆円)純増させ、18年3月期に経常利益4,800億円程度、当期純利益3,300億円程度を目指す。資金運用は国債をベースに一層の運営収益を求めて国際分散投資を加速させ、サテライト(非中核)・ポートフォリオの残高を15年3月末の46兆円に対し、18年3月末に60兆円に拡大する。物流費は15年3月期に比べ500億円以上削減する考え。株主還元は配当性向50%以上を目安に行っていく。

概 要
事業内容銀行業
本社東京都千代田区丸の内 2-7-2(実際の本社業務は千代田区霞が関 1-3-2で行う)
代表者長門正貢
設立2006年9月
上場前資本金3兆5,000億円
発行済株式数(上場時)45億株(上場時)
筆頭株主日本郵政(上場前83.32%)
公募株式数0株
売出株式数412,442,300株(国内:329,953,800株、海外:82,488,500株)
初値1,680円(15.9%高)
公開価格1,450円(10/19)
ブックビル仮条件1,250~1,450円 (10/7)
ブックビル期間10月8日~10月16日
引受証券野村(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、大和、みずほ、SMBC日興、岡三、東海東京、いちよし、 SMBCフレンド、藍澤、岩井コスモ、東洋、丸三、水戸、マネックス、SBI、松井、エイチ・エス、エース、極東、高木、立花、ちばぎん、内藤、日本アジ ア、むさし、光世、リテア・クレア、クレディ・スイス、ドイツ、バークレイズ、メリルリンチ日本、UBS、シティグループ、あかつき、安藤、今村、ウツミ 屋、岡三にいがた、岡地、木村、共和、上光、長野、中原、新潟、西日本シティTT、西村、日産センチュリー、ニュース、八十二、ばんせい、フィリップ、ふ くおか、三木、三田、山和、豊、リーディング

業績推移
経常利益当期利益1株利益配当
2014/35,650億円3,546億円78.81円20.88円
2015/35,694億円3,694億円89.58円49.26円
2016/3(予想)4,600億円3,200億円85.34円25.00円

[本紙10月8日付1面]

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