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IPO2016年2月16日

☆新規上場紹介 LITALICO(6187) 精神・発達障害者向け「生きづらさ」解消支援企業

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LITALICO(リタリコ、6187)が3月14日、マザーズに新規上場する。

「障害のない社会をつくる」とのビジョンを掲げ、障害者の就労促進を目的に2005年に創業した。現在は①精神障害を中心に働くことに問題がある人の就労を支援する「WINGLE事業」、②発達障害を抱える子ども向けに最適な教育を提供する「Leaf事業」、③幼児から高校生までを対象にプログラミングなど最先端モノづくりを体感させて“出る杭を伸ばす”「Qremo事業」、④障害を持つ子どもの親など家族が情報共有するためのポータルサイト、うつ病の予防・回復・再発防止をサポートするSNS(交流サイト)などを運営する「インターネット事業」などを手掛ける。

主力は①WINGLE事業で売上高の6割を占める。昨年末時点の拠点数は全国51、登録者は約1,800人。登録者にはまずWINGLE事業所に通いながら生活リズムを整える「準備」期間を与えて、次に、企業実習などで就職イメージを具体化する「実習」、希望する働き方を目指して面接練習など就職活動を本格的に行う「就活」とのプログラムを用意した。加えて、就職後も定着を目指してスタッフが職場と連携をとる「継続」までと、4段階にわたる手厚いサポート体制を構築。これまで732人の就労を支援し、85%超との定着率を実現している。ちなみに障害者の雇用は「従業員の2%以上」などと法律で決められているものの、昨年6月末時点での民間企業の達成率は47%にすぎない。

第2の柱は売上高の4割を占める「Leaf事業」。全国56拠点で発達障害を持つ子供向けプログラムを提供する。例えば、自閉症やアスペルガー症候群はコミュニケーション能力の発達に遅れが見られる代わりに、興味のある特定分野については天才的な能力を発揮するともいわれる。Leaf事業所では一人一人の症状を正しく見極めた上で、特別教材などを使って才能を極限に伸ばすといった取り組みを行っている。

WINGLE事業とLeaf事業の大部分は、国民健康保険団体連合会など行政から報酬を得る公費事業でもある。内閣府の調査によれば、日本における障害者数(精神障害を含む)は787.9万人と、国民の約6%に該当するという。

概 要
事業内容就労支援事業、自動発達支援事業、学習教室および幼児教室の運営など
本社東京都目黒区上目黒 2-1-1
代表者長谷川敦弥
設立2005年12月
上場前資本金7,612万円
発行済株式数(上場時)800万株(上場時)
筆頭株主長谷川敦弥(上場前36.13%)
公募株式数320,000株
売出株式数1,218,000株(オーバアロットメント 237,000株)
初値1,880円(88%高)
公開価格1,000円(3/14)
ブックビル仮条件930〜1,000円(2/23)
ブックビル期間2月25日〜3月2日
引受証券野村(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、みずほ、SBI、むさし、マネックス、SMBCフレンド

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2014/34,211百万円170百万円11.66円-円
2015/35,528百万円306百万円24.91円-円
2016/3(予想)7,080百万円496百万円35.60円-円

[本紙2月17日付2面]

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