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IPO2016年2月22日

☆新規上場紹介 昭栄薬品(3537) 天然由来「界面活性剤」専門商社

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昭栄薬品(3537)が3月16日、JASDAQに新規上場する。

1937年に会長の鐵野磨輝男氏が立ち上げた化学品卸会社が起源。46年よりせっけんの原材料の販売を始めて、51年からは花王(4452)向け販売を開始。以降は界面活性剤に関する専門知識を武器に事業を拡大してきた。

現在は「化学品事業」に加えて、界面活性剤を横展開した「日用品事業」「土木建設資材事業」との3事業を手掛ける。主力は売上高の9割を占める「化学品事業」で、オレオケミカルの仕入れ・販売を行う。

オレオケミカルとは、限りある石油化学品とは異なり、再生産可能で環境負荷が低いパームおよびヤシからなる油脂化学品の総称。これを輸入し、界面活性剤などの中間製品メーカーに販売する。加えて、メーカーが生産した界面活性剤などの化学品についても、家庭用のせっけん、洗剤、シャンプー、化粧品などの最終製品の加工メーカーに、あるいは、工業用の繊維、紙・パルプ、医薬、塗料などの最終製品メーカーに販売する。

こうしてオレオケミカルを川上から川下まで扱う同社は単なる販売にとどまらず、顧客企業の新商品の開発も支援する。例えば「日用品事業」で扱う洗剤は、大手企業が高い洗浄機能に重点を置くのに対し、同社は「安心・安全」をテーマにしたニッチな商品の企画を得意とする。また、「土木建設資材事業」においてはコンクリート補修補強や地盤・土壌改良などで界面活性剤が活用されているのだが、これら薬剤は、環境負荷の軽減を目的に大手ゼネコンなどと共同して開発、特許取得を行っている。

花王は現在も全体売上高の6%を占める大得意先。ただ、高吸水性ポリマーの販売が2014年3月期で終了したため、前15年3月期は14%減収・営業減益に沈んだとの経緯もある。

概 要
事業内容天然油脂由来の油脂化学品(オレオケミカル)を主な取扱商品とする化学品事業、家庭用洗剤などの日用品を企画販売する日用品事業、土木建設関連の薬剤を主な取扱商品とする土木建設資材事業
本社大阪府大阪市中央区安土町 1-5-1
代表者藤原佐一郎
設立1960年3月
上場前資本金9,620万円
発行済株式数(上場時)114万8,035株(上場時)
筆頭株主鐵野磨輝男(上場前 26.66%)
公募株式数200,000株
売出株式数100,000株(オーバアロットメント 45,000株)
初値2,001円(48.2%高)
公開価格1,350円(3/16)
ブックビル仮条件1,330〜1,350円(2/26)
ブックビル期間3月1日〜3月7日
引受証券大和(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、SMBC日興、SBI

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2014/320,805百万円341百万円137.25円18円
2015/317,897百万円325百万円231.08円18円
2016/3(予想)18,621百万円327百万円821.88円40円

[本紙2月23日付2面]

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