先月29日、DeNA(2432)子会社のロボットタクシーが開発中の自動運転タクシー「ロボットタクシー」にモニター10組を乗車させ、神奈川県藤沢市の公道で実証実験を開始したと報道されました。

自動化のレベルは、ドライバーが常にすべての主制御系統(加速・操舵・制動)の操作を行うレベル0から、主制御系統にドライバーが全く関与しないレベル4まであり、ロボットタクシー側は「2020年までにレベル4の無人タクシーの運用開始を目標とする」と発表しています。

無人タクシーなんてまだまだ先のことだと思っていた私。実験とはいえ、既に公道を走り始めたと知り、その開発のスピードにビックリしました。

私の出生地、長崎県五島市(五島列島)では高齢化が進む中、島内に電車が走っておらず公共機関が限られているため、病院や買い物に行こうと思っても気軽に出かけることは難しく、だからと言ってコストを考えると毎回タクシーを呼ぶわけにもいかず、祖母をはじめとした年輩の方々にとって「おでかけ」はハードルの高いものとなっています。

ロボットタクシーが実用化されれば、タクシー会社のコストの大部分である運転手の人件費が無くなるので、低コストで利用できるようになり、全国に700万人いるとされる買い物弱者を救うことができるかもしれません。

法改正やインフラ整備など、実用化へ向けて今後クリアしなくてはいけない課題はまだまだありますが、「2020年にはロボットタクシーに乗ってオリンピック会場へ向かう」、そんな未来を楽しみにしながら今後の動向に注目しています。

【編集記者Yのコメント】
DeNAの株価はちょうど1年前、任天堂(7974)との資本・業務提携を契機に急騰しましたが、共同開発アプリの配信延期などもあって、現在は発表前の水準に落ち着いています。ただ、3月中にも延期されたアプリ配信が予定されている上に、ロボットタクシーを共同経営するZMP(東京都文京区)のIPO(新規上場)がかねてウワサされるなど“再燃”材料は少なくありません。


[本紙3月7日付1面]