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IPO2016年5月20日

☆新規上場紹介 やまみ(2820) 広島地盤の「豆腐」メーカー

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やまみ(2820)が6月17日、JASDAQに新規上場する。

豆腐や厚揚げ、油揚げなどの製造・販売を手掛ける同社。1975年に創業した野菜のパック詰め業者が前身で、その後に豆腐製造工場を買い取り豆腐領域に進出し、現在にいたる。

広島県三原市に本社工場を、滋賀県甲賀市に関西工場を置くことから、主に中国・関西地方での販売量が多い。主要得意先にはイオンリテール(イオン、8267)、イズミ(8237)フジ(8278)など大手小売店が並ぶ。

強みは高い価格競争力と大量生産体制、そして柔軟な商品作り体制にある。これまで業界ではトップクラスの設備投資を行った結果、競合の少ない業務用市場で存在感を増しており、その一方で個人向けの対応にも余念がない。

豆腐は地域によって伝統的な形や大きさがあるといい、同社はこれに応じて約140種類の製品を手掛ける。例えば「個食」。近年は核家族や単身世帯が増加傾向にある上、食の多様化も進んでおり、これらに対応するべく使い切りタイプを投入したところ、重宝されているという。豆腐は一般的に300-400グラムが標準サイズとされているが、同社ではこれを150グラムに減らした上、2つ3つに小分けした商品を製造・販売している。

上場で調達した資金は、本社工場に設置する「おから」「白和え」など新製品向けの製造設備のほか、関西工場の設備増強などに充当する。ちなみに近年は健康食ブームを受けて、高たんぱく・低脂肪食品「おから」への注目が高まっており、同社では豆腐に続く業務用への参入を予定している。

なお、同社製品は春夏には冷ややっこ向けの豆腐が、秋冬にはおでんやなべ物向けの厚揚げや油揚げの需要が高まる傾向があるという。売上は年間を通じて平準化されているものの、利益面では7-9月が低く、10-12月が高いとの傾向がみられる。原材料の大豆は輸入品も多く、為替の影響をダイレクトに受けるとの特徴も。

概 要
事業内容豆腐、厚揚げ、油揚げなどの製造、販売
本社広島県三原市沼田西町小原字袖掛73-5
代表者山名清
設立1975年1月
上場前資本金6,165万円
発行済株式数(上場時)628万株(上場時)
筆頭株主YMコーポレーション(上場前 43.2%)
公募株式数720,000株
売出株式数350,000株(オーバアロットメント 165,000株)
初値1,751円(3.6%高)
公開価格1,690円(6/7)
ブックビル仮条件1,650~1,690円(5/27)
ブックビル期間5月31日〜6月6日
引受証券みずほ(主幹事)、野村、SMBC日興、ひろぎんウツミ屋

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2014/67,748百万円348百万円179.50円18.95円
2015/69,084百万円419百万円164.76円25.50円
2016/6(予想)9,558百万円1,126百万円149.38円未定


[本紙5月23日付2面]

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