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IPO2016年9月15日

☆新規上場紹介 マーキュリアインベストメント 香港上場「スプリング・リート」手掛ける運用会社

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マーキュリアインベストメント(7190)が10月17日、東証2部にIPO(新規上場)する。

ファンドを組成して国内外の投資家から資金を調達、これを運用する「ファンド運用事業」と、自己資金の運用を行う「自己投資事業」との2事業を手掛ける。2015年12月期の営業収益に占める割合は前者が77%、後者が23%だった。

05年10月に日本政策投資銀行(DB)とあすかアセットマネジメントが設立した合弁会社、あすかDBJパートナーズが起源。その後はADキャピタルを経て、今年1月、現在の社名に変更している。筆頭株主は引き続きDBJで上場前の保有比率は32.51%。一昨年にはDBJがタイ大手華僑財閥と組んだファンドの運営を受託するなど、事業上の結びつきも深い。

同社運用の特徴は「クロスボーダー」とのこと。国や地域のみならず、ビジネスなどについても既存の枠組みにとらわれることなく挑戦することを運用上のコンセプトとする。

例えば「スプリング・リート」。2013年12月香港に上場したファンドで、日本初の海外上場REIT(不動産投信)として知られる。中国の個人消費の拡大に伴って北京の貸オフィスビルへの需要が高まることを見越し、市内中心部にあるオフィスビルにいち早く投資を行った。現在もアジア内地域で異なる経済発展状況を見極めながら不動産投資を行っている。

海外REITのみならず日本の個別株にも投資。創業年に組成した第1号ファンドの投資先であった、ライフネット生命保険(7157・東マ)は12年4月にIPOしている。こうして多様なファンドを複数運用中ではあるが、スプリング・リートが営業収益全体の47%を占めるなど、その影響力は甚大だ。

そのため会社側は上場で調達した資金を、事業用不動産を投資対象とするファンドと、リースを目的とした航空機を投資対象とするファンドへの投資に充当することで、収益の多角化を図るとしている。

概 要
事業内容ファンド運用事業、自己投資事業
本社東京都千代田区内幸町1-3-3
代表者豊島俊弘
設立2005年10月5日
上場前資本金4億2,905万円
発行済株式数(上場時)4,437,000株(上場時)
筆頭株主日本政策投資銀行(上場前32.51%)
公募株式数531,000株
売出株式数381,100株(オーバーアロットメント135,100株)
初値1,390円(4.1%安)
公開価格1,450円(10/6)
ブックビル仮条件1,400~1,450円(9/28)
ブックビル期間9月29日〜10月5日
引受証券SMBC日興(主幹事)、SBI、マネックス、岡三、SMBCフレンド、エース、丸三、岩井コスモ

業績推移
営業収益経常利益1株利益配当
2014/121,616百万円966百万円 236.88円ー円
2015/122,048百万円900百万円177.46円ー円
2016/12(予想)2,270百万円1,048百万円178.44円45円

[本紙9月16日付2面]

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