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IPO2016年10月24日

☆新規上場紹介 フィル・カンパニー コインパーキング有効活用策の企画・提案

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フィル・カンパニー(3267)が11月18日、マザーズに新規上場する。

「空中店舗フィル・パーク」の運営会社。フィル・パークとは、都心部に点在するコインパーキングなど駐車場の上部にある未使用空間を有効活用するために、同社が開発した土地活用策の一種だ。一般的にはテナント賃料よりも高額といわれる駐車場収益を残しつつ、新たに建物を作って店舗や賃貸住居として活用することで、土地オーナーの利益の最大化を図る。

フィル・パークは今年8月末時点で全国90カ所に設置済み。同社では土地オーナーの意向をふまえつつ建築基準法など諸法令を順守した建築物の企画・設計に始まり、施工、そして初回のテナント確保までをもワンストップで対応する。ちなみに社名の「フィル」は古典ギリシャ語の「愛」が語源。ここから派生して、土地オーナー、テナントなど関係者すべてが共存共栄できる仕組みであり続けることを目指す。

一般社団法人日本パーキングビジネス協会によれば、いわゆるコインパーキングは2015年末時点で全国に6万カ所あり、近年は増加傾向が続く。先述したように、同社は90カ所のフィル・パークを展開するが、全体の0.2%にも満たず、会社側は「展開余地は十二分に存在」としている。

最近では建物部分の用途が多様化しており、例えば、神楽坂ではインバウンド(訪日観光客)急増に応えてホテルとしたり、横浜では保育園を誘致したケースもあった。

しかしながら、同社の社員はグループ全体で見てもわずか13人にとどまり、現在は一部の金融機関や不動産管理会社に案件情報の提供を依存している状態。今後はパートナー企業の開拓を進める予定だが、そのためにも、上場調達資金を用いて人材確保のための福利厚生制度の充実やウェブサイトの刷新などを行うなどして、知名度向上に注力する。

概 要
事業内容1階を駐車場、2階以上を店舗とする「空中店舗フィル・パーク」の企画、設計、建築
本社東京都千代田区平河町2-10-4
代表者能美裕一
設立2005年6月3日
上場前資本金9,930万円
発行済株式数(上場時)2,339,000株(上場時)
筆頭株主高橋伸彰(上場前41.84%)
公募株式数200,000株
売出株式数100,000株(オーバーアロットメント45,000株)
初値4,000円(3.1倍、21日)
公開価格1,310円(11/9)
ブックビル仮条件1,190~1,310円(10/28)
ブックビル期間11月1日〜8日
引受証券SBI(主幹事)、みずほ、岩井コスモ、エース、岡三、藍澤、SMBCフレンド、東洋、日本アジア
 
業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2014/11477百万円6百万円 16.31円ー円
2015/111,493百万円154百万円65.52円ー円
2016/11(予想)1,650百万円220百万円79.19円ー円
 
[本紙10月25日付2面]

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