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IPO2018年5月10日

☆新規上場紹介 ラクスル 5月31日 マザーズ シェアリングエコノミー型の印刷通販サービスなど展開

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ラクスル(4384)が5月31日、マザーズに新規上場する。

「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」をビジョンに掲げ、印刷・物流というIT化が進んでいない伝統的な産業にインターネットを持ち込み、新しい仕組みを作り出している。

具体的には、多重下請け構造にある中小印刷会社や中小運送会社をインターネットで結び付け、仮想的に巨大な供給能力を持つ体制を構築し、サイトを通じて発注者と直接繋がるシェアリングプラットフォームを創出。

一つが提携印刷会社にある印刷機の非稼動時間を活用し、高品質かつ低価格の印刷を実現したシェアリングエコノミー型の印刷通販サービスの「ラクスル」。もう一つは、提携運送会社の空き時間を活用したシェアリングエコノミー型のネット運送・配送サービスの「ハコベル」だ。

「ラクスル」では、発注者がサイトで印刷部数や納期を選び、印刷データをアップロード→同社は印刷データを印刷に適したデータに加工し、提携印刷会社へ印刷を委託する→印刷会社は印刷し、発注者へ品物を直接届ける――という流れ。年間購入者数は18万5,000人超、1人当たり注文回数は年平均3.55回、1件当たり注文単価では1万1,423円(2017年7月期実績)。

一方、「ハコベル」は荷物を送りたい人がサイトを通じ依頼すると、その情報が運送会社のドライバーのスマートフォンに届く→条件に合うドライバーが受注し、依頼時間にトラックで向かい、荷物を積んで、配送先に届ける――という流れ。

「ハコベル」は2015年12月開始で事業歴が短く、2017年7月期では売上高の97%を印刷事業が占める。上場に伴う公募増資で調達した資金は、新規ユーザー獲得の広告宣伝費、新規サービスの開発に伴う人件費、システム外注費などに充てる予定。

なお、同社は世界で最も革新的なテクノロジー・ベンチャー企業100社を選出するアワード「2015 Red Herring Top Global 100」を受賞。同社の松本恭攝社長は「Forbes JAPAN」の「日本の起業家ランキング2018」で1位を受賞した。

概 要
事業内容印刷支援および集客支援のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」を中心とした印刷事業、物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を中心とした運送事業など、産業ごとのシェアリングプラットフォームの創出
本社東京都品川区上大崎2―24―9
代表者松本恭攝
設立2009年9月
上場前資本金1億8,859万8,000円
発行済株式数(上場時)609,000株
筆頭株主松本恭攝(上場前21.55%)
公募株式数2,500,000株
売出株式数8,449,900株(オーバーアロットメント1,642,100株)
初値1,645円(9.6%高)
公開価格1,500円(5月23日)
ブックビル仮条件1,300円~1,500円(5月15日)
ブックビル期間5月16~22日
引受証券大和、三菱UFJモルガン・スタンレー、みずほ(共同主幹事)、SBI、SMBC日興、マネックス
 
業績推移
営業収益税引前利益1株利益配当
2016/75,082百万円▼1438百万円―円―円
2017/77,675百万円▼1163百万円―円―円
2018/7(予想)10,515百万円9百万円0.31円―円

[本紙5月11日付2面]

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