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IPO2018年9月4日

☆新規上場紹介 極東産機 9月27日 JASDAQ 省力化機器を開発・販売

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極東産機(6233)が9月27日、JASDAQ市場に新規上場(IPO)する。

コンピュータ式畳製造システムなどの自動化・省力化機器や各種産業機器の開発・販売を行っている。

インテリア事業部門と畳事業部門を合わせたプロフェッショナルセグメントが売上高の約75%(2017年9月期)を占める。インテリア事業部門は、内装工事業者向けの自動壁紙糊付機(1971年に同社が初めて開発)などのインテリア内装施工機器や施工工具、内装工事用テープなどの資材を販売。畳事業部門はコンピュータ式畳製造システム(81年に開発)などの畳製造システムや関連する工具・副資材などの販売を行う。

両事業とも成熟した市場を対象としており、エンドユーザー数の増加による市場の拡大は期待しづらい。半面、ブランド力を生かして安定した消耗品需要や機器買い替え需要を取り込んでいる。インテリア事業は、建機レンタル市場やデジタルプリンティング壁紙市場など内装工事の近接市場に機器、工具など既存製品を販売している。畳事業では、同社の畳製造システムの導入による畳製造の生産と経営の超近代化(家業から企業へ、職人から経営者への変革)の提案を行い、他社機ユーザーの取り込みに努めている。

コンシューマセグメント(売上高構成比約13%)は、BtoCビジネスの位置付け。特殊機能畳(葬祭用畳、柔道畳など)といったインテリア商品の販売、各地のJAなどを窓口とした一般家庭向け畳替え工事の仲介事業を行うほか、ソーラー発電システムおよび設置工事に伴う住宅リフォーム事業を販売している。また、メガソーラー発電所を持ち、売電事業も行っている。

インダストリーセグメント(売上高構成比約12%)は、オーダーメイド産業機器の提供を行い、二次電池製造ラインや液晶・半導体製造ラインの一部機械などを開発・製造している。また、自社開発のみそ汁・だし・スープ用多用途型のディスペンサーなどの厨房用食品機器を、大手牛丼チェーンや回転寿司チェーンなどに納入している。

畳製造装置など機械化が困難な職人の世界への挑戦を通じて「裁断」「検尺」などのコア技術を有しているのが強み。既存機器の機能向上に加えてハイテク機器や食品機器の開発などに技術を生かし、対応可能なマーケットを拡大していく。

2018年9月期の業績予想は、売上高90億4,000万円(前期比1.7%増)、経常利益3億8,000万円(同2.3%減)。セグメント別の売上高予想はプロフェッショナルセグメントが65億9,000万円(同0.6%減)。コンシューマーセグメントはソーラー発電システムの売り上げ減少で9億5,000万円(同16.5%減)。インダストリーセグメントは二次電池製造装置が好調を維持。食品機器は厨房設備の省力化ニーズを背景に、大手外食チェーンから主力製品のマルチディスペンサーの受注が好調で、売上高15億円(同33.4%増)の予想。

上場に際して調達した資金は、たつの市上岡工場(兵庫県)の刷新を計画しており、ハイテク工場建設資金などに充当する予定。

概 要
事業内容自動壁紙糊付機・コンピュータ式畳製造装置などの自動化・省力化機器、顧客仕様による各種産業機器、特殊機能畳などの開発・販売、内装施工工具などのカタログ販売
本社兵庫県たつの市龍野町日飼190番地
代表者頃安雅樹
設立1948年10月
上場前資本金4億1,575万円
発行済株式数(上場時)5,235,000株
筆頭株主大西正一郎(上場前29.87%)、松岡真宏(同)
公募株式数1,000,000株
売出株式数40,000株(オーバーアロットメント156,000株)
初値696円(71.8%高)
公開価格405円(9月18日)
ブックビル仮条件395円~405円(9月7日)
ブックビル期間9月10~14日
引受証券SMBC日興(主幹事)、岩井コスモ、エース、極東、SBI
 
業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2016/98,687百万円280百万円41.24円5円
2017/98,891百万円389百万円57.76円5円
2018/9(予想)9,040百万円380百万円57.76円10円

[本紙9月5日付2面]

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