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IPO2023年12月14日

IPO社長会見 アウトルックコンサルティング 「Sactona」で経営管理をトータルにカバー

意思決定のスピードをアップ

中期で営業利益率60%目指す

経営管理システム「Sactona」(サクトナ)の開発・販売、経営管理コンサルティングの提供などを行うアウトルックコンサルティング(5596)が12月12日、グロース市場に上場した。

初値は公開価格1,800円を8%下回る1,656円だった。同社の概要、今後の成長戦略などについて平尾泰文社長(写真)は、以下のように語った。

経営管理の幅広い用途に対応……当社の事業は企業の予算管理・予算編成・経費管理などの管理会計・経営管理を高度化・効率化する「Sactona」の開発・販売、導入支援、保守などでインフラストラクチャーまで一貫して提供する。同時に行うコンサルティングと両輪だ。Sactonaはイタリア語のような響きがあるが、仕事を簡単簡潔に「サクッとこなす」というところに由来する。

用途は経営管理全般をカバーしている。PL(損益計算書)、BS(バランスシート)などの収益・財務管理だけでなく、部門別、製品別、店舗別の収支管理、販管費・一般管理費などの経費管理、人件費、売数管理などの人的資源管理、生産計画、販売計画などの生産需給管理などをトータルにカバーできる。

意思決定のスピードアップが最大のメリット……経営管理で問題となるのは個別の企業ごとに集計数値、管理の手法、指標の設定などが異なり、システムが統一されていないことだ。大多数の会社で(マイクロソフト社の)エクセルなどの表計算ソフトを使いファイルのやり取りを行っている。課題としては社内で情報が分散しがちなことや、煩雑な集計作業とこれに伴うミスの頻発など。業務の属人化、実態把握の遅れなども生じる。Sactonaを導入すれば、集計の簡略化、大量のデータをサーバで処理することができる。社内の会計・人事システムとも自動で連携、複数の切り口で集計して分析に生かすことができる。Sactonaはデータ入出力のアプリケーションがエクセルなので、使い慣れた作業環境で導入できる。お客さまは各種モジュールを通して、データベースと連結、柔軟にシステムを構築することができる。正しい情報に基づく意思決定のスピードアップを図れることが最大のメリットだ。

コンサルティング、製品ライセンスがビジネスの両輪……売上構成はSactonaの製品ライセンスによる利用対価、インフラ利用料などのベースビジネスとコンサルティングが両輪となっている。コンサルはSactonaを使ったアプリケーションの開発・導入サポートに加え、機能・範囲拡大に関する提案・サポートなどの拡張支援コンサルティングに力を入れていることも特徴だ。顧客の声を反映させ、持続的に機能の拡張を図る好循環が確立されている。

営業利益率60%を目指す……中期の成長戦略は新規顧客の拡大、グローバル展開、製品とシステムコンサルティングの機能強化が柱だ。積極的な営業展開で顧客企業数の積み上げに注力、Sactonaのライセンス供与、インフラサービスなどベースビジネスの拡大をコンサルティングビジネスの拡大につなげる。

グローバル展開のターゲットは米国を中心とした英語圏の日系企業だ。その後は中国などにも展開したい。製品強化に向けてはAIサポートの導入をするほか、営業力と提供力拡大のため、コンサルタントの増員を図る。経営管理では関連する情報を素早く、大づかみにすることが大切で、そういう面ではAIと相性がよく、強くサポートできる。生成AIを応用する研究も進めている。コンサルの増員については、人材の質と当社の文化を維持しつつ強化するためには年間15~30%程度の増加が適当と考えている。

成長に向けた一連の施策を推進、現在、30%の売上高営業利益率を将来的に60%程度まで高めることができると考えている。

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