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IPO2023年1月24日

IPO社長会見 アルファパーチェス 流通DXでモノとサービスを適切に提供

アルファパーチェス(7115)が2022年12月26日、スタンダードに新規上場した。アスクル(2678・P)の子会社で、備品、文具などの間接材を販売するMRO事業を手掛ける。初値は公開価格を1.2%下回る869円。上場当日の記者会見で多田雅之代表取締役社長兼CEO=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

利益基盤は既に確立……物の購買に関する課題を解決するMRO事業と購買に関する課題を解決するファシリティマネジメント事業、私どもはFM事業と呼んでいるが、この2つのセグメントで構成されている。顧客がモノとサービスを効率的に適切かつ低コストで購入できる仕組み、サービスを提供する。顧客は製造業、建設業、電力業、サービス小売業と多岐にわたるが、大部分が上場企業や上場企業を本部とするフランチャイズチェーンとなっている。順調な売上成長と安定した利益を上げており、既に経営基盤、利益基盤が確立している会社と考えてほしい。

6,000万品目の取り扱い……MRO事業は工場や建設現場で使うような備品、消耗品、工具安全用品に加え、オフィスで使われる文房具、事務用品などを取りそろえている。ITプラットフォームの「APMRO」を通じて、約6,000万品目の商材を購入できる。FM事業は施設の修繕、清掃、保守点検などを提供しているのに加えて、顧客が新しい店を造ったり改装したりするときに必要な資機材、看板、什器などを必要なタイミングで工事現場に必要なだけ届ける購買代行もしている。

武装した購買の仕組みを丸ごと提供……大企業向けのロングテール商材に注力している。ロングテールというのは、種類が多くて単価が安く発注ロットが小さい。そのため、発注、支払いに手間がかかり、管理が難しい課題がある。われわれは商品を単品でなく、「APMCO」で武装した購買の仕組みを丸ごと提供することで、顧客の要望に応える。ITプラットフォーム型の商社として、流通のDXを提供する企業と言える。

ワンストップで購買の課題を解決……最大の強みは取引の一元化。当社の顧客の大企業グループは本社、支店、営業所、工場、店舗などがあり、それに加えて子会社や孫会社もある。今までは各拠点ごとにばらばらのサプライヤーに発注をして、支払いをしており、少量多品種で管理が難しかった。私どもに任せていただければシングルウインドー・ワンストップで解決できる。われわれ自身が既に3,000社のサプライヤーを有している。加えて、顧客指定のサプライヤー、例えば地方の工場ではどうしてもこのサプライヤーを使ってほしいという要望が出ることもあるが、そことシステムをつなげることができる。さらに当社と似た商材を提供している通販会社やEコマースの企業ともつなげられるので、ワンストップで発注を任せていただければ、いろいろな課題が解決する。

大企業向け取引を加速……今後の成長については、まずMRO事業は大企業グループ向けの取引の成長を加速していく。これまで1年に2~3企業グループを獲得していたが、上場を機に知名度、信頼度を上げて、獲得数をもっと増やしていきたい。また、解約率が非常に低く、プラットフォーム上に載せる商品を毎年増やしている。顧客の子会社、孫会社、関係会社という形で購入する会社数も増えていく。これにより場合によっては今後10数年にわたって伸びていく。FM事業は小規模多店舗展開のチェーン店をターゲットとしている。コンビニが典型だが、1店舗の発注金額が少ないが1万店舗などまとまると相当大きな金額になる。コンビニ、ファーストフード、ドラッグストア、さらに1施設当たりの部屋数が多いビジネスホテルなどをターゲットにしている。これらの業界はコロナを乗り越えて売り上げを維持、増大させるためにも定期的な改装、メンテナンスが必要で、当社のビジネスも順調に拡大している。足元では各種行動制限の緩和、インバウンド復活に伴いビジネスホテル関連の引き合いが増えている。

18%はアスクルのネットワークで販売……アスクルとの関係だが上場企業として独立性を有しており、基本的に独立して経営をしていく。事業間では中小企業向けの再販というのがある。われわれの直接のビジネスは大企業向けだが、そろえた商材については中小企業でも使う。(売上高の)18%はアスクルの特約店のネットワークを使って販売している。さらにわれわれの購入金額のうち6%ほどアスクルからオフィス用品を購入しており、それをわれわれが外部に販売することでシナジー(相乗効果)が出ている。(HS)

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