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コラム2021年1月20日

【本日のマーケット】1月20日(水)

1月20(水)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で、NYダウは4日ぶりに反発。注目されたイエレン次期財務長官の上院指名承認公聴会で、目先は増税に焦点を当てていないと述べ、インフラ投資など長期戦略と一体で検討することや50年債など超長期債の発行を前向きに検討していくと発言した。NYダウは116ドル高(0.38%高)の30,930ドル。ナスダックは3日ぶりに反発。ナスダック総合指数は前日比198ポイント高(1.53%高)の13,197ポイント。

本日の東京市場は高寄りでのスタート。その後、もみ合いから下落に転じた。前日に大幅反発を見せたことから利益確定が先行し、またバイデン新大統領の就任式を控え様子見ムードが広がった。大引けの日経平均は110円安の2万8,523円。売買代金は2兆3,810億円。TOPIXは6ポイント安の1,849ポイント。

新興市場は小確りの展開。ジャスダック平均は3日続伸。ケアサービスが連日の急騰。AFC-HDとデータアプリは業績上方修正で買われた。一方でハーモニックやアサカ理研は下落。マザーズ指数は小幅反発。直近IPO銘柄のバルミューダが大幅続伸。アドベンチャーはルフトハンザグループとNDC接続が好感された。対して、太陽電池製造装置のNPCが社長保有株の一部売却で大幅反落。

チャート上では、高寄りで陰線を引き、ちょうど5日移動平均線(2万8,523円)上での大引け。

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鈴木一之 マーケットレポート
日本証券新聞1月21日(木)紙面1面記事掲載

素材セクターにチャンス到来 至るところで基礎的資材上昇へ

鈴木一之です。トランプ大統領の4年間が幕を閉じました。世界中が注視する状況下で米国の大統領就任式が行われます。トランプ大統領の治世で分断と格差の広がった米国を、歴史はどのように評価し記憶してゆくのでしょうか。そして後任のバイデン大統領および民主党はどのように運営してゆくのでしょうか。世界中が固唾(かたず)を飲んで見守っています。

政治の大きな変化とは別に、世界経済は新しい動きを示しつつあるようです。環境問題が企業経営と国民経済の両面に大きなウエートを占めるようになっています。年明け以降に日本海側を急襲した記録的な寒波は暖房需要を高め、燃料のLNG(液化石油ガス)供給量の制約もあって電力需給がひっ迫しています。それが玉突き現象で卸電力価格の高騰を招き、家庭用の電力価格が2倍以上に上昇する恐れが出てきました。

“持たざる経営”曲がり角に

新電力各社の株価が下落していますが、寒さが緩んでLNG需給が緩和すれば済むというものではありません。半導体の調達不足の問題は世界中の自動車メーカーの生産ラインを滞らせるほどに広がっていますが、在庫をギリギリまで持たないという日本の産業界が追求してきた生産性の向上策は大きな曲がり角を迎えているように感じます。

実際に産業界の至るところで基礎的資材のボトルネックが起こっています。電炉メーカーが材料として用いる鉄スクラップはコロナ禍の昨年1年間でも33%上昇しましたが、その騰勢が年明け以降も続いており、早くも6%上昇しました。韓国、中国向けの輸出価格が牽引しているようですが、経済活動の停滞からスクラップの発生量が落ちているために上昇基調は簡単には解消しない見通しです。

原料価格の高騰を鉄鋼メーカー各社は一斉に製品価格に転嫁していて、日本製鉄はH形鋼の販売価格を1月分からトン1万円、2カ月連続で引き上げます。同じように自動車、家電用の薄板、および建設用の鋼鋼管(シームレスパイプ)の値段を2月分からトン1万5,000円引き上げます。シームレスパイプの値上げは1年半ぶりのことで、いずれも原料である鉄鉱石の相場上昇を転嫁するためです。ステンレス鋼の添加物であるモリブデンは1カ月で15%も値上がりしています。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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1月20日(水)☆[概況/大引け]

反落。任天堂やファーストリテ、キーエンス、メガバンクが売られ、陸海空運も安い。太陽誘電は堅調でアンリツは14連騰。介護関連のツクイも高い

大引けの日経平均は28,523.26円の110.20円安、TOPIXは1,849.58ポイントの6.26ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は1,100、値下がり銘柄数は993。出来高は11億5,000万株、売買代金は2兆3,810億円。
大統領就任式を控え、様子見姿勢の中、利益確定の売りで反落した。

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