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コラム2021年1月22日

【本日のマーケット】1月22日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月22日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは小幅安。利益確定の売りが出たが、バイデン大統領が新型コロナ対策で10本の大統領令に署名したため、下値も堅い動き。NYダウは前日比12ドル安(0.04%安)の3万1,176ドル。ナスダックは3日続伸。インテルは決算発表前に先回り買いが入り、画像処理半導体のエヌビディアも買われた。インテルは1~3月期の売上高予想を約175億ドルと提示し、アナリスト予想平均の162億ドルを上回ったため、時間外取引で急伸。ナスダック総合指数は前日比73ポイント高(0.55%高)の1万3,530ポイント。

本日の東京市場は、下落スタート。英タイムズ紙が、日本政府は新型コロナウイルスの感染で東京五輪を中止せざるを得ないと内々に結論づけ、2032年の東京五輪開催を目指すと報じたため、日経平均は一時、229円安の2万8,527円まで下落。最近の世論調査では東京五輪の中止と再延期を首肯する意見が8割を占めるため、ある程度織り込まれその後は下げを縮めた。大引けの日経平均は125円安の2万8,631円。売買代金は2兆3,734億円。TOPIXは4ポイント安の1,856ポイント。

新興市場は堅調展開。JASDAQ指数は5日続伸。サン電子がイスラエルの子会社がNASDAQへの上場準備と伝わりストップ高。イメージワンが急伸。対して、メディカル一光やMHグループは下落。マザーズ指数は3日続伸。BASE、JTOWER、HENNGEや弁護士ドットコムが買われた。モダリスはSMBC日興証券の新規「A」を好感。一方で、エネチェンジやトランスジェニック、ココペリは下落。

チャート上では、5日移動平均線上(2万8,557円)での推移。ボリンジャーバンドの+2σ(2万9,175円)と+1σ(2万8,366円)の間での推移が続きそう。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。年明けから3週間が経過して、企業の動きが活発になってきました。コロナ危機による緊急事態宣言下の経済情勢を反映して、企業からの再建策も相次いでいます。

紳士服の青山商事(8219)は創業以来初めての希望退職を募り(400人)、その上で全国700店のうちの400店で売り場面積を半分の大きさに縮小すると報じられました。余った店舗スペースにコンビニなどを誘致して家賃収入を得ることを模索してゆきます。

世界一の広告代理店である電通は、本社を置く東京・汐留の旗艦ビルを3000億円で売却する方針です。すでに社員の8割がリモートワークに切り替えており、大規模な本社ビルを保有している意味合いが急速に薄れているように見られます。

経営学の教科書には、企業経営の3要素に「ヒト・モノ・カネ」を挙げています。しかし「カネ余り、モノ余り」の世の中で、重要なのは「ヒト」の部分でしかなく、マンパワーが一段と重要性を帯びてきました。

優秀な人材をいかに社内に抱え込むか、自社に抱え込まなくても、いかに外部と連携するか。それが企業の成長を担保する最も重要な資産であるとようやく気がついたことになるようです。

株式投資においても優れた人材を有する企業、その発掘に長けている企業を見つけることが重要です。さもないと会社の外からすぐに圧力がかかることになります。

来週から3月決算企業の決算発表が本格的に始まると、これまでにはなかったような新しい方針、新しい統治形態、新しい提携などが続々と明らかになってくるはずです。ここからの世の中の変化と市場の動向から目が離せません。

※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!

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東京製綱、「敵対的」TOBにストップ高
日本証券新聞1月25日(月)紙面1面TOP記事掲載 

33年ぶりの試練!? 日製鉄とのバトルの行方は

東京製綱(5981・日足)

軟調地合い下で話題を集めたのが東京製綱(5981)急騰劇。ザラバ値付かずのままストップ高(300円高の1,372円)比例配分となった。筆頭株主・日本製鉄(5401)が21日引け後発表したTOB(株式公開買い付け)を受けたものだ。買付価格1,500円。出資比率9.9%を19.9%に引き上げる狙いだが、通常のグループ再編などとは様相が大きく異なるようだ。

東京綱が21日午後7時30分になって発行したリリースには、「何ら連絡もなく一方的かつ突然に行われたものです」――などと怒りの色がにじむ。そもそも日本製鉄の「公開買付けの開始に関するお知らせ」も、ガバナンス体制の機能不全を厳しく糾弾する異例のもの。当初から“対決ムード全開”の様相を呈している。東京綱は「近日中に見解を発表する」とコメントしているが、現状では、反対表明で「敵対的TOB」確定となるのは必至の情勢か。

大企業による敵対的TOBといえば…。王子製紙(現王子HD)が北越製紙(現北越コーポレーション)に実施したのが2006年。当時は批判の声も強く、結果的にも失敗しているが、あれから15年。近年は伊藤忠がデサントに、前田建設が前田道路に、コロワイドが大戸屋に実施し、いずれも成功した。ニトリによる島忠TOBも当初は“横恋慕”型だった。

市場も経済界も「敵対的」への抵抗感が薄れてきているとは言えるだろう。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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1月22日(金)☆[概況/大引け] 

東京五輪中止観測報道で朝方229円安となったが、その後下げ幅縮小。ハイテク株と鉄鋼株は安いが、東電が交付金で上昇し、資生堂は日用品事業売却報道で高い

大引けの日経平均は28,631.45円の125.41円安、TOPIXは1,856.64ポイントの4.00ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は694、値下がり銘柄数は1,416。出来高は12億1,752万株、売買代金は2兆3,734億円。
英紙タイムズが、日本政府は新型コロナウイルスの感染で東京五輪を中止せざるを得ないと内々に結論づけ、2032年の東京五輪開催を目指すと報じたため、日経平均は朝方、28,527円(229円安)まで売られた。
だが、最近の世論調査では東京五輪の中止と再延期を首肯する意見が8割を占めるため、衝撃は吸収され、政府が報道を否定したことも手伝い下げ幅を縮めた。

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