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コラム2021年3月5日

【本日のマーケット】3月5日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月5日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場は大幅に3日続落。パウエルFRB議長が講演で、最近の米国債利回りの急上昇について、「注目に値し、留意している」としつつも「無秩序な」動きと述べ、FRBによる介入が必要とは考えていないと語った。そのため、具体策がないと受け止められ、米国債利回りが上昇したことが不安視された。NYダウは一時722ドル安まで急落する場面もあった。NYダウは前日比345ドル安(1.11%安)の3万924ドル。ナスダックの下落率は2%超と下落基調が続いた。ナスダック総合指数は前日比274ポイント安(2.11%安)の1万2,723ポイント。

本日の東京市場は、米国株の大幅続落を受けて続落でのスタート。先物から値を崩し、指数寄与度の高い値がさ株主導で一時621円安の2万8308円まで売られた。後場からは買戻しの動きが加速し、TOPIXはプラス圏に浮上。値上がり銘柄数は1352銘柄と全体の6割以上が値上がり。日経平均は安値からは555円の戻しを演じ、大引けは65円安まで戻すかたちとなったが、ファーストリテイリングの下落で日経平均を120円押し下げ。大引けの日経平均は65円安の2万8,864円。売買代金は3兆1752億円。TOPIXは11ポイント高の1,896ポイント。

新興市場はまちまちの展開。JASDAQは小反発。新報国製鉄が反発し、シーズメンはストップ高。対して、シンバイオ製薬が大幅安。フェローテックが売られた。マザーズ指数は3日続落。メルカリ、アンジェスが売られ、ロゼッタやKudanは反落。HANATOURは大幅安。一方、sMedioは子会社が高解像度画像の処理速度を向上させる特許取得を好感しストップ高。直近IPO銘柄のcolyは4日ぶりに反発しアクシージアも買われた。

日足チャート上では火曜日に一時3万円目前となる場面もあったが、下落基調。本日のローソク足は、酒田五法でも言われる「たくり線」となっており大きく突っ込んだところからの急反発。底入れを伺わせる足であり、25日移動平均線(2万9301円)を早晩に回復することが期待される。

週足では 13週移動平均線を目前に切り返し、一目均衡表の転換線上で下げ止まり。上は3万円、下は2万8300円と上下に長いひげを引くローソク足の形状。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場はこれまでの流れが徐々に変わりつつあるようです。

今週は日経平均が一度も3万円の大台を回復しないまま、週末にかけて反対に大きく下押ししています。買われていたものが売られ、売られていたものが買われています。

株価そのものが先週あたりから軟調な動きに入りつつありましたが、2月22日を境に銅やニッケルなどの非鉄市況がどうやらピークをつけたような感があります。ビットコインや半導体関連株も同じ時期に高値を形成しています。

何かが少しずつ変化しつつあります。特に神経質になっているのが米国をはじめとする長期金利の動きで、それ以外では物価動向が気になります。原油などのエネルギー価格、石油化学製品、穀物市況などが一斉に上昇を続けています。

一寸先が読めない状況で、アフターコロナ、経済再開に関連する銘柄が好んで物色されており、バリュー株および景気敏感株に投資資金が向かいやすくなっています。

経済活動の再開が先行きに見えてきたことから、景気動向に敏感な銘柄を物色する流れは継続することになりそうです。

※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!

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【今週の展望 米国売上比率上位銘柄に照準 「危険な時間帯」迫るも 突っ込みは買い】
日本証券新聞3月8日(月)紙面1面TOP記事掲載 

竹内製作所、丸紅などマーク

内外の市場関係者が期待と不安をもって見守った4日の米メディア主催イベントでのFRB(米連邦準備制度理事会)・パウエル議長インタビュー。結局、失望感をもたらす結果となり、4日の米国市場は大幅安。特にNASDAQ指数は2月高値からの下落率が9.7%と2ケタに迫った。これを受けた5日の日経平均も、例によって指数寄与度の高い値がさ株主導で一時621.54円安。昨夏来の上昇相場を下支えてきた13週移動平均線に接近する場面もあった。後場は急速に下げ渋ったとはいえ、正念場めいたムードを指摘する向きもある。

パウエル議長に長期金利上昇への牽制を期待していた市場筋は肩透かしを食った。それどころか、逆に「『無秩序な』動きとも、FRBによる介入が必要とも考えていない」の“ゼロ回答”発言も飛び出し、「一部に観測の浮上しているツイストオペ(長期国債買い/短期国債売りの公開市場操作)」(SMBC日興証券)も大きく後退。10年債利回りは再び1・58%台まで急上昇してきた。米金利高の余波からは一時1ドル=108円台となる昨年7月以来の円安・ドル高も見られたが、これに対しても「悪い円安」との声が生じていた。

もっとも、2月26日、3月4日と前場TOPIX下落率が1%を超えた日は日銀ETF(上場投信)買い入れが実施されており、5日前場も1.09%安。「FRB」が高めた不安心理を「日銀」が鎮めた形で、結局、65.79円安まで盛り返して大引けた。これまで何度も繰り返されてきた「ヒヤッとした場面は買い」の経験則は今回も通用するのか。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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3月5日(金)☆[概況/大引け] 

週末で買い戻しが入り、TOPIXは小幅高に。キーエンスやNTTデータ、NEC、東芝、三菱ケミカルや日本製鉄が高い

大引けの日経平均は28,864.32円の65.79円安、TOPIXは1,896.18ポイントの11.44ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,352、値下がり銘柄数は753。出来高は14億3,043万株、売買代金は3兆1,752億円。
米国では長期金利を抑えるためにFRBが短期債を売って長期債を買う「ツイスト・オペレーション」の再開が期待されていたが、FRB議長が講演で金利抑制措置について言及しなかったことが失望された。

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