TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】9月11日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2020年9月11日

【本日のマーケット】9月11日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

9月11日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場でNYダウは反落。上院は共和党が提出した5,000億ドル(約53兆円)規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案について、採決に向けた動議を否決した。11月の大統領選前の成立は困難という見方も意識され、NYダウは405ドル(1.45%)安。ナスダック総合指数は前日比221ポイント安(1.99%安)。エヌビディアやフィットネス関連機器のペロトン・インタラクティブが売られ、ゴールドマン・サックスが出資したことで8日に急騰した電気トラックメーカーのニコラは続落。

本日の東京市場は NY市場の反落を受け軟調スタート。SQを通過後はジリ高の展開となりました。中間配当の権利取りや菅官房長官が10年間は消費税の増税は不要との発言がフォローとなりました。また、10月から「GoToトラベル」に東京も追加との見通しも好感されました。大引けは171円高の2万3406円とほぼ高値引け。売買代金はSQのため増加傾向となり2兆5640億円。

新興市場も堅調展開。JASDAQ指数は続伸。メディアリンクスが続伸。アズ企画設計はケラーウィリアムズとの業務提携でストップ高。対してミナトHDとニックスは反落。マザーズ指数は3日ぶりに小反発。セルソースとログリーは株式分割の発表が好感されストップ高。BuySellやAimingは大幅高。一方、ベガコーポレーションは大幅安。メドレーは海外公募株の受渡日を迎え下落となりました。

チャート上では寄付きが安値の陽線坊主。SQ値をクリアして、9月3日以来の2万3400円台回復となり来週への期待が持てる週末となりました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。景気敏感株へのシフトが鮮明化しています。

先週はバフェット氏の総合商社株への大量買いが話題を集めましたが、今週はそれがさらに拡大しました。鉄鋼株から機械株、海運株、そして再び商社株へと、徐々に市場の関心が集まっています。循環物色が始まっているのははっきりしています。

9月9日に日本工作機械工業会より発表された8月の工作機械受注は、速報段階で678億円(前年比▲23.3%)となりました。伸び率はマイナスを続けていますが、7月の▲25.2%、6月の▲28.4%と比べてマイナス幅は着実に減少しています。

中国では景気刺激策が功を奏し、インフラ投資の拡大に伴って建設機械や自動車向けの工作機械が伸びています。8月の中国の新車販売台数は前年比+11.6%の伸びとなりました。5か月連続で増加しており、電気自動車を中心に中国政府のテコ入れ効果が出ています

これを受けて日本では、7月の機械受注統計が2か月ぶりに増加しました。9月10日に内閣府から発表された「船舶・電力を除く民需」の受注額は、前月比+6.3%の7513億円となりました。市場予想の+2%を上回っています。まだ本調子とは言えませんが、景気の現状は少しずつ底打ちの様相を示しつつあります。

高値圏にあるテクノロジー銘柄の調整はもうしばらく続くと見られます。その一方で歴史的な安値圏にある景気敏感株は徐々に動きやすくなっています。日経平均は現値水準で横ばいのまま、これらのセクター間、銘柄間でポートフォリオの組み換えが進みやすい地合いが続きそうです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【今週の展望 「菅・新政権」試す展開】
日本証券新聞9月14日(月)紙面1面TOP記事掲載 

気になる消費増税発言 “花より団子” 個別物色続く

14日に投開票となる自民総裁選で、菅義偉・官房長官が新総裁に選出される見通し。16日に行われる臨時国会の首相指名選挙では菅氏が第98代内閣総理大臣に選ばれる予定だ。いち早くそうした動きを読み取って、株式市場では9月初めから「菅関連株」や「菅ノミクス」が取りざたされている。

今週(14~18日)は、発足する「菅・新政権」を試す相場展開になるだろう。マーケットでは、アベノミクスを継承する、と明言している菅氏歓迎ムードもあるが、いささか気になるのは10日、テレビ東京の番組で明らかにした「将来の消費増税」容認姿勢だ。

菅氏は「これだけの少子高齢化社会、どんなに私どもが頑張っても人口減は避けることはできないから、将来的なことを考えたら、やはり行政改革を行ったうえで、国民の皆さんにお願いして消費税は引き上げざるを得ない」と語った。

「行政改革を行ったうえで」という前提条件付きながら、昨年10月に8%から10%に引き上げたばかりの税率を将来、再びアップさせる意向を首相就任前に早々と打ち出したことは、政界はもろん、株式市場にも波紋を広げる可能性がある。過去、景気を圧迫する消費増税には慎重なスタンスで臨み、経済成長を最優先してきたアベノミクスとは違う、と受け取られかねないからだ。そうした「菅ノミクスへの違和感」が消費関連株を中心に、上値抑制ムードを広げかねない点は要注意だ。

下値は限定的

日経平均(日足)と一目均衡表

その一方で、4~6月で最悪期を脱した上場企業の収益状況から見る限り、下値も限定的だろう。TOPIXの値運びは頑強である。

・・・続きは紙面・Digital版で!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

9月11日(金)☆[概況/大引け] 

中間配当狙いや菅官房長官の消費増税10年不要発言、10月から「Go To トラベル」に東京都追加が好感され、じり高歩調

大引けの日経平均は23,406.49円の171.02円高、TOPIXは1,636.64ポイントの11.78ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,601、値下がり銘柄数は480。出来高は12億9,776万株、売買代金は2兆5,640億円。
米国株反落を受けて、小幅安で始まったものの中間配当狙いの買いや菅官房長官が消費増税は10年不要と述べたことや「Go To トラベル」の補助金対象に10月から東京都も追加されることが好感され、じり高歩調をたどった。

詳しくはコチラ

関連記事