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コラム2020年10月9日

【本日のマーケット】10月9日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月9日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場は、トランプ大統領が追加景気対策について極めて生産的な協議が行われていると述べたことが好感され続伸。NYダウは122ドル高(0.43%高)の2万8,425ドル。ナスダック総合指数は56ポイント高(0.50%高)の1万1,420ポイント。

本日の東京市場はSQを通過してもみ合いの展開。SQ値は2万3724円。トランプ大統領の発言にも警戒感があり、週末要因と重なり様子見に終始となった。大引けは27円安の2万3619円。売買代金は2兆1225億円。

新興市場は堅調展開。JASDAQ指数は5日続伸。ナビタスが中国に画像検査装置の新会社設立でストップ高。システムディは行政のデジタル化推進で恩恵に期待した岩井コスモ証券が投資判断を引き上げで上昇。対して、まぐまぐやウチダエスコは下落。マザーズ指数も5日続伸。Sansanがイベントテックに進出で上伸。HENNGEは東海東京調査センターが新規に「Attractive」と発表しストップ高。一方、BASEは反落。アクシスも下落。

チャート上では陰線。SQ値の2万3724円を上回る強さはないものの底堅い展開。来週以降に期待です。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。先週の金曜日、10月2日の株価の動きはかなり印象的でした。

この日は日本では午後2時ごろに、トランプ大統領がコロナウイルス検査で陽性反応が出たと伝わりました。大統領選挙まであと1か月、その中心人物がコロナ感染とあって、株式市場では先物を中心に急速に値を崩しました。

その後に開かれた週末のNY株式市場でも、NYダウ工業株は▲134ドルの下落で終わりました。雇用統計による反応はわずかなものにとどまり、焦点はやはり大統領の容体でした。

しかし週明けの東京市場は、マイナスで終わるかと思いきや日経平均は+283円の反発となりました。意外なほどしっかりした値動きを示しました。日本株と米国株の連動性が薄れつつあるように感じられます。

これはある意味では、NYダウ(あるいはS&P500)と日経平均の違いでもあります。NYダウ工業株30種平均は、グロース株(成長株)を中心とした株価指数です。それに対して日経平均(TOPIX)はバリュー株を中心に構成されています。

ここで「バリュー株」とはPBR(株価純資産倍率)の低い銘柄を指します。

グロース株で構成されるNYダウ(S&P500)の動きと、バリュー株が多く含まれる日経平均(TOPIX)との間に連動性が薄れてきたように感じられるのは、バリュー株に資金が流れ始めているということではないでしょうか。

実際のところは今週もグロース株が高いパフォーマンスを挙げています。そしてここに来て徐々に、バリュー株の芽が出始めているようにも感じられます。それがNY市場と東京市場との連動性の薄れにつながっているように思います。

バリュー株(景気敏感株)はこれまで何度も浮上しかけては、頭を押さえられてきました。グロース株はまだ上値余地を残しており、簡単には主役の座を降りるとは考えられません。それでもやはりバリュー株的な流れが生まれつつあるようです。

10月相場は始まったばかりです。グロース株とバリュー株の両面作戦で、この先の展開におおいに期待しています。

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【今週の展望 高値警戒が逆バネ 2万4,000円指向
日本証券新聞10月12日(月)紙面1面TOP記事掲載 

銘柄選別 収益変化率を重視

日経平均は9日、朝方、一時2万3,725円まで上昇。ザラバベースでの戻り高値を2日連続で更新したものの、そこからが伸びきれず、8日に続いて行き詰まりの値運びを示した。マーケットでは米大統領選を巡る不透明感から高値警戒ムードが台頭。そうした政治リスクが上値取りに二の足の踏ませる要因となっている。

しかし、米国株は大統領選でのバイデン前副大統領候補の優勢、議会での上下両院の民主党勝利をにらみ、民主党のシンボルカラーにちなんだ「トリプルブルー」が現実感を強めているにもかかわらず、9月下旬以降、戻り基調に転換。日本株も収益回復が期待できる小売株などを果敢に狙う動きが続いている。今週(12~16日)、日経平均は高値警戒を逆バネにするように、2万4,000円にトライする流れに傾きそうだ。

上下170円幅という狭いレンジ内で終始した9日の日経平均の値運びには、さながら「伸(の)るか、反(そ)るか」の緊迫したムードさえうかがわれる。上放れ期待と、株価の戻り限界観測とがぶつかりあっているからだ。

15日には第2回目となるトランプ、バイデン両候補者のTV討論会が予定されている。その前日の14日にはオンラインによるG20財務相・中央銀行総裁会議が行われる。いずれもマーケットのセンチメントを左右する注目イベントだ。TV討論会の内容がどうなるか予断は許されないが、後者のG20会議はコロナ禍からの経済的な立ち直りを目指す政策意思の結集が謳(うた)い上げられることになりそうで、再び「政策買い」の動きが強まる可能性がある。

・・・続きは紙面・Digital版で!

NYダウ(2019年12月~)

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今日の市況概況
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10月9日(金)☆[概況/大引け] 

週末の手控えで小反落。ソフトバンクGやレーザーテックは利食い売り。SHIFTと良品計画は決算が好感され急騰

大引けの日経平均は23,619.69円の27.38円安、TOPIXは1,647.38ポイントの8.09ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は690、値下がり銘柄数は1,405。出来高は10億1,362万株、売買代金は2兆1,225億円。
土日の間もトランプ大統領の発言に翻弄されるリスクがあるため、週末の東京市場はやや手控えムードとなった。

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