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コラム2020年10月16日

【本日のマーケット】10月16日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月16日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場は、欧州で新型コロナウイルス感染者数の急増を受けて規制が再び強化されていることを受けてNYダウは売り先行で始まり、朝方は一時332ドル安。しかし、トランプ大統領が追加経済対策の共和党案を1兆8000億ドル(約190兆円)から引き上げる意向を示したため、NYダウは下げ幅を縮め小幅安で取引を終えた。NYダウは19ドル安(0.07%高)の2万8,494ドル。ナスダックも下げ幅を縮めたが3日続落。テスラが反落し、バーテックス・ファーマシューティカルズは抗トリプシン欠損症治療薬「VX-814」の開発中止を発表したため急落。ズームビデオは反発した。ナスダック総合指数は54ポイント安(0.47%安)の1万1,713ポイント。

本日の東京市場はもみ合いのスタート。プラス圏で推移する時間帯も見られたが、日本でも特例承認されている米ギリアド・サイエンシズの新型コロナ治療薬「レムデシビル」が、世界保健機関(WTO)主導の臨床試験で効果が見られなかったと報じられたため、後場の日経平均は下落となった。大引けは96円安の2万3410円。売買代金は1兆8586億円。東証1部市場全体としては、今週は5日間全て売買代金2兆円割れとなっており、市場エネルギーの縮小が伺える状況。

新興市場も続落。JASDAQ指数は続落。まぐまぐ、アクセスG、ウエストHDが下落。対して、出前館はテレビCMの費用負担で今期も赤字拡大予想だが、意欲的な中期経営計画を発表しストップ高。ワークマンは「ワークマン女子」の開店を受け買われた。マザーズ指数も続落。GMOFGが信用取引規制を受け急落。識学は上期赤字決算で売られた。一方、中古ブランド品買取のバリュエンスは年率30%増益を目指す中期経営計画が好感されストップ高。

チャート上では2万3500円レベルでの上値は重く、本日の下落は25日移動平均線(2万3401円)で下げ止まった形。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式投資で中心となる投資の価値判断は、やはり企業の業績動向です。その点で決算発表はきわめて重要になります。今週の発表銘柄の中からは、PR TIMES(3922)の2021年2月・第2四半期の決算が圧巻でした。ここから投資のヒントが得られそうです。

10月13日にPR TIMESが発表した第2四半期の決算では、売上高が17.4億円、営業利益は6.3億円でした。

今年から単独決算に戻しているため前年との比較はできませんが、通期の営業利益の前提(7.5億円)の8割以上を中間期の時点で稼ぎ出しています。売上高および利益は過去最高を大幅に上回る見通しです。

決算発表翌日の株価は買い物殺到で急騰し、ストップ高比例配分となりました。翌日も堅調な値動きでした。

PR TIMESのこれほどの業績好調は今に始まったことではなく、7月の第1四半期決算の発表時点ですでにその一端が明らかにされていました。7月の時点でも株価は決算発表の翌日にストップ高まで買われ、その後も安定した値動きを続けました。

PR TIMESのパターンをたどる企業はそれほど多くないかもしれませんが、現在のようなコロナ危機下でも安定して高収益を稼ぎ出す企業は、3か月前の時点でも、3か月が経過した現在でも安定した実績を示すはずです。探すべきはそのような企業です。

米国では来週から7-9月期の決算発表が本格化します。日本でもその翌週、10月第4週から、3月決算企業の中間期の決算発表が本格的に始まります。

先行きの見通しが非常に不透明で、頼るべきものがなかなか見つからない状況では、業績の好調な企業に投資マネーが集まりやすくなります。3か月前の決算のよかった企業を調べておく価値は十分にありそうです。

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注目記事 Pick up
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【相場を斬る(64) 強い「ドルベース日経平均」
日本証券新聞10月19日(月)紙面1面記事掲載 

決算シーズン 業績で選別のとき

「伝言ゲーム」とは、グループが一列になり一定の言葉を先頭から最後まで順次耳うちし、先頭と最後尾の言葉に、どの程度差異があるかを楽しむ遊びである。英語では「壊れた電話」などと呼ばれているが、株式市場周辺で行われている「伝言ゲーム」の成績は、すこぶる良好である。

説明するまでもないが、今から4年前の2016年11月9日取引時間中、トランプ現大統領優勢報道を受け、日経平均は前日比919円安と暴落した。今年8月28日も安倍総理(当時)の辞任報道により、またまた日経平均は取引時間中に614円安の下落を演じたが、その後の推移はご承知の通りである。

これら騒動の背景は、事前に「トランプ当選=暴落」「安倍辞任=〇〇円安」などと、先頭で発した狼少年の身勝手な言葉が、おつむ(頭)を通さず音声として耳から口へと連続して忠実に伝言され、脳に深く刷り込まれた結果なのである。

米国大統領選挙の結果は二つに一つだが、多数の投資家により形成される相場は、サイコロの目だけの一つの要素で結果が決まる丁半博打とは、一線を画すものである。前回米大統領選の結果を受けた翌11月10日以降の相場は前日と一転、その後11月末までの日経平均は11勝3敗、上昇幅も2,000円を超えたことは、まだ記憶に新しい。

狼少年たちの狼狽・豹変ぶりが懐かしい次第であるが、先行き不透明な時こそ、材料と値動きの関係を公式のように硬直的に考えるのではなく、相場が発する声に素直に耳を傾けることが肝要なのである。

週足移動平均線が順のパターンに

日経平均VIは、10月9日に終値ベースで2月21日以来の20%割れとなり、13日には18.79%まで低下してきた。VI低下に伴い日経平均は上下動に乏しい動きが継続しているものの、週足の13週を踏まえた日柄である63日移動平均線(以下MA)を見ると、下カゲが同MAにサポートされる形になっており、緩やかな上昇トレンド下でのレンジ相場が継続している。

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今日の市況概況
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10月16日(金)☆[概況/大引け] 

米ギリアドの「レムデシビル」が効果なしと報じられ、下落。菅関連銘柄も利食い。一方、ファーストリイリングと富士フイルムは高い

大引けの日経平均は23,410.63円の96.60円安、TOPIXは1,617.69ポイントの14.10ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は469、値下がり銘柄数は1,632。出来高は9億1,758万株、売買代金は1兆8,586億円。
日本でも特例承認されている米ギリアド・サイエンシズの新型コロナ治療薬「レムデシビル」が、世界保健機関(WTO)主導の臨床試験で効果が見られなかったと報じられたため、後場の日経平均は値下がりとなった。

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