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コラム2020年11月6日

【本日のマーケット】11月6日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月6日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場は4日続伸。選挙結果が週内に判明するという見方が強まったことや、バイデン大統領が誕生しても上院は共和党が過半数を維持する見通しのため、増税や規制強化は阻まれると期待されたことや、FRBがFOMC声明で、景気支援にあらゆる手段を尽くすとし、最大雇用と物価目標が達成されるまで利上げは検討しないと確約したことも好感された。NYダウは542ドル高(1.95%高)の2万8,390ドル。ナスダックでは半導体メーカーのクアルコムがアナリスト予想を上回る10~12月期の見通しを示したことで急騰。スマートフォンをワイヤレスネットワークにつなぐチップの製造最大手で、5G対応の新機種への乗り換えで恩恵を受ける見通し。ナスダック総合指数は300ポイント高(2.59%高)の1万1,890ポイント。

本日の東京市場は続伸でのスタート。寄り付き後は、米国の金利先安観からドルが売られ、1ドル=103円台の円高となっているため、日経平均の上げ幅は抑えられていたが、米大統領選という大イベント通過で待機資金が株式市場に流入。日経平均は1991年11月以来29年ぶりの高値水準まで上昇。大引けは219円高の2万4325円。先週は5日全敗、今週は4日全勝と振れ幅の大きな展開。米大統領選がターニングポイントとなりました。

新興市場はまちまちの動き。JASDAQ指数は3日続伸。環境関連のウエストHDが続伸。出前館は3日続伸。セリアは6日ぶりに反発。綜研化学は好決算でストップ高。対して、国際計測器は業績下方修正で大幅安。マザーズ指数は小幅反落。BASE、すららネット、AIinsideやメドレーは利食い売りで下落。一方、直近IPOのカラダノートやRettyが大幅続伸。

チャート上では、鬼門とされていた2万4000円の節目をブレイクして、2018年10月2日に付けたバブル崩壊後の終値ベースでの最高値2万4,270円を更新。1991年11月以来、29年ぶりの高値水準を奪回となりました。週足チャートでも大陽線を引き、新局面入りの展開です。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。米国の大統領選挙が実施された今週、日経平均は24,000円を突破しました。2018年10月以来の高水準です。ソニー、キーエンス、TDK、ダイフクを中心にグローバル銘柄が高値を更新しています。

大統領選挙は民主党のバイデン候補が優勢ですが、まだ結果は明確には出ておりません。トランプ大統領は僅差であれば郵便投票は無効を主張すると見られており、すべての選挙人が確定するだけでは済まないようです。

それでも日経平均が「2018年10月」以来の高値を記録したことは重要な意味が込められています。当時、ペンス副大統領はハドソン研究所で演説を行って、中国に向けて強硬なスタンスを打ち出しました。ここから米中間の「新冷戦」の火ぶたが切られたとされています。

当時はそれと同じタイミングで、FRBのパウエル議長が中立金利の概念を持ち出して一段の金融引き締めを狙っていました。日本の「アベノミクス」景気がピークを打ったのも「2018年10月」です。

その水準に日本の株価が到達したことは、今は大統領選挙に隠れてしまっていますが、その背後では景気動向が徐々に上向きになりつつあることを示していると考えられます。

10月31日(土)に発表された中国の10月の製造業PMIは51.4(前月比▲0.1)でした。2か月ぶりに悪化しましたが、「50」の分岐点を8か月連続で上回りました。

米国では10月のISM・製造業景況感指数が59.3(+3.9)と大きく上昇し、2年ぶりの高水準に達しています。金融・財政面の経済対策が功を奏して、コロナ危機からの回復が世界の各方面で進んでいます。

経済の状況は着実に上向きの力を備え始めているように見えます。2021年の展望を先取りする形で、高値圏にある成長株の企業業績と、底値圏にある割安株の実力の精査がここから始まると考えています。

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【今週の展望 日経平均、終値では29年ぶりの高水準
日本証券新聞11月9日(月)紙面1面TOP記事掲載 

堰は切られた 勢いにつく 「循環物色」泳ぎ切る

日経平均は6日、ザラバで283円高の2万4,389円まで上昇した。大引けでは219円高の2万4,325円。2018年10月2日に付けたバブル崩壊後の終値ベースでの最高値2万4,270円を更新し、1991年11月以来の高水準に達した。このところのグロース株人気に加え、6日はバリュー株が買い気を盛り返し、TOPIXも9月28日に記録した1,661.93ポイントに急接近。相場は勢いにつく局面を迎えている。

米大統領選は東京市場の6日後場の時点で、バイデン氏優勢ながら、まだ勝敗の決着がついていない。しかし、日本株は前日の米国株高に支援され、日経平均は4日続伸となった。大統領選の最終結果いかんに関わらず、①企業業績の回復傾向は続く②金融・財政両面での政策支援も続行される――という「確実性の高いプラス材料」の側面を果敢に織り込む動きが堰(せき)を切ったように広がっている。

5日に2万4,000円台を9カ月ぶりに回復した日経平均は6日、大フシとみられていた18年10月2日の終値2万4,270円を突破。絵に描いたような上放れ相場に変わった(チャート参照)。

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日経平均日足

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今日の市況概況
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11月6日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は24,325円(219円高)。米大統領選挙通過により待機資金が流入し、1991年11月以来29年ぶりの高値

大引けの日経平均は24,325.23円の219.95円高、TOPIXは1,658.49ポイントの8.55ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,367、値下がり銘柄数は714。出来高は12億3,212万株、売買代金は2兆5,831億円。
米国大統領選挙の通過により、待機していた資金が株式市場に流入し、日経平均は2018年10月に付けた戻り高値の24,270円を上回り、1991年11月以来29年ぶりの高値となった。

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