TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】11月13日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2020年11月13日

【本日のマーケット】11月13日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月13日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場は下落。NYダウは続落。米国の1日当たり新規感染者は11日、8日連続で10万人を上回った。バイデン次期大統領の新型ウイルス対策チームが、4~6週間の都市封鎖(ロックダウン)によって感染流行を抑えられるとの見通しを明らかにしたことも景気への影響が警戒された。NYダウは317ドル安(1.08%安)の2万9,080ドル。ナスダック総合指数は76ポイント安(0.65%安)の1万1,709ポイント。

本日の東京市場は反落でのスタート。注目されたSQ値は2万5,480円となった。日経平均は9日ぶりに反落し、週末の手仕舞いも重なり下げ幅を拡大。世界中で新型コロナウイルス感染者数が更に拡大するリスクが警戒され、利食い売りからじり安の展開。一時は305円安となる場面も見られたが下げ渋りを見せ、大引けの日経平均は135円安の2万5,385円。売買代金は2兆7,215億円。TOPIXは23ポイント安の1,703ポイント。

新興市場はまちまちの動き。JASDAQ指数は3日ぶりに小幅反落。出前館やマスク関連の中京医薬品が買われた。雑貨店のHAPiNSは上期好決算でストップ高。対して、ハーモニックドライブやクルーズは売られ、不二硝子が反落。マザーズ指数は3日続伸。アンジェスは新型コロナ治療薬が米国で治験開始許可となり急騰。ケアネットは業績大幅上方修正でストップ高。PSSは第1四半期の黒字回復を好感。一方、カラダノートやイグニスは下落。

チャート上では、5日移動平均線(2万5,200円)タッチで下げ止まり。ボリンジャーバンドの+2σ(2万5,307円)を上回っての引け。日経平均は10月30日の2万2,975円安値から、連騰を続けて11月12日には2万5,220円と、わずか8営業日で2,527円上昇(上昇率は11.2%)しただけにスピード調整が必要な局面。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。株式市場が大きく動き出しました。日経平均が25,000円の大台を突破して29年ぶりの高値に到達しました。

米国の大統領選挙で民主党のバイデン候補が勝利を収めたこと。およびコロナウイルスのワクチンがファイザーとビオンテックによって、早い段階で完成するとの見通しが広がったことがきっかけです。

コロナウイルスの新規感染者数の再拡大は気がかりですが、日経平均が29年ぶりの高値に達したということは、2018年1月の高値(24,129円)を更新したことを意味します。

「2018年1月」は実体経済や株式市場のマーケット環境など、今から思えば多くの点でひとつの分岐点を形成しました。

米中貿易戦争が火ぶたを切ったのは2018年3月です。トランプ減税と当時のイエレンFRB議長による適度な金融調節でもたらされた株高。今から思えば当時の世界経済は実に楽観的でした。

日本を含めた各国の景気対策が奏功して、世界の景気が仮にここから浮上してゆくのであれば、これまで停滞していた景気敏感株の中から株価水準を変えてゆく銘柄が出現するのではないでしょうか。今後はこれらの銘柄の動きをより注視してゆきたいと考えています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

相場を斬る(66)
日本証券新聞11月16日(月)紙面1面記事掲載 

 株価、強い「順パターン」 短期調整も年末、2万6,000円台へ

あおり運転ではないが、高速道路で渋滞に遭遇した時、気が短く少しでも速く前に行きたい人は、超低速状態の渋滞走行であるにもかかわらず、追い越し車線を走りたがる傾向がある。過去、私もその1人であったのだが、某大学での高速道路走行実験を見て、人間の心理が良く理解できた。

ある高速道路での統計では、渋滞時に各レーンにおける車両台数の比率を算出したところ、左車線が25%、中央車線が35%、右車線が40%と分布されたもようである。渋滞度合いにより違いはあるものの、結果としては、追い越し車線より走行車線の方が早いのである。

渋滞すればするほど早く前に行こうと焦る気持ちが、追い越し車線に必要以上の車両を集めてしまうのである。

当欄では前回まで2回続けて、日経平均週足の株価と13週・26週・52週移動平均線(以下MA)の位置関係と過去の相場展開を解説し、ドルベース日経平均の異常なまでの強さを指摘したが、その後の動きは御覧の通りである。

米国大統領選挙の結果も重要だが、あらためて、現在の相場において、テクニカル分析を中心としたデータ分析の重要度が増していることを忘れてはいけない。

「放れに付け」の典型例

11月第2週の株式市場は、渋滞終了後に我先にと一気に加速してスピードを上げている状態に似ている。渋滞時には想定できないスピードであったが、まさに株式投資の鉄則である「放れに付け」の動きであった。

日経平均は11月第1週・2週(12日まで)の2週合計で2,543円の上昇となり、29年ぶりに2万5,000円台に乗せてきた。9日・10日などは、ザラバで一時ボリンジャーバンドの日足のプラス4σに一時達するなど、まれに見るエネルギッシュな相場であった。

オシレータ系指標であるストキャスティクスは%D・S%Dがともに90%台の高水準にあり、25日MAに対する上方カイ離も7.13%まで上昇してきたことから、目先については、短期調整局面入りとなりそうだ。

しかし、中期トレンドで見た相場の骨格は強そうだ。週足で株価とMAの位置関係を見ると、「株価>13週MA>26週MA>52週MA」の順パターンが継続する中、13週MAの右上がりの傾きが強さを増している。急ピッチの上昇の反動による短期調整懸念は残るものの、年末に向け2万6,000円台を目指す動きが期待できそうだ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

11月13日(金)☆[概況/大引け] 

9日ぶりに反落したが、終盤下げ渋り。不動産や居酒屋、設備投資関連は安いが、データセンター需要増で恩恵を受ける東京エレクとエアウォーターは高い

大引けの日経平均は25,385.87円の135.01円安、TOPIXは1,703.22ポイントの23.01ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は341、値下がり銘柄数は1,789。出来高は13億3,373万株、売買代金は2兆7,215億円。
日経平均は9日ぶりに反落した。前日までの8連騰で2,543円上昇したため、利益確定の売りが出たが、本日は一時305円安となったもののその後下げ渋りを見せた。

詳しくはコチラ

関連記事