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コラム2020年11月20日

【本日のマーケット】11月20日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月20日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場でNYダウは反発。新規失業保険申請件数が74万2千件となり、前週の71万1千件から増加。市場予想は70万7千件だったことから、NYダウは一時210ドル安となる場面も。しかしながら、民主党上院のシューマー院内総務が、共和党上院のマコネル院内総務と追加経済対策法案を巡る協議再開に合意したと述べたことが伝わり、小幅高に浮上。結局、NYダウは44ドル高(0.15%高)の2万9,483ドル。ナスダック総合指数は103ポイント高(0.87%高)の1万1,904ポイント。

本日の東京市場は3連休を控え、3日続落でのスタート。新型コロナウイルスの感染の拡大が警戒される中、NTTドコモのTOBに応じた資金が24日に支払われることや、中間配当の支払いも始まることが需給面で期待され下げ渋りを見せた。日経平均はマイナスとなるも、TOPIXはプラス。値上がり1296銘柄、値下がり788銘柄と、値上がり数の方が多い状況。大引けの日経平均は106円安の2万5,527円。売買代金は2兆2,165億円。TOPIXは0.98ポイント高の1,727ポイント。

新興市場は小動き。JASDAQ指数は4日ぶりに反発。出前館やマクドナルド、不二硝子が売られた。対して、アルファクス・フードがストップ高。注射器関連のタカギセイコーは急伸。マザーズ指数は3日ぶりに小反落。BASEが売られ、アンジェスは海外企業と比較してワクチン開発が遅れているとして下落。T&Sは反落。一方、GMOFGは投資ファンドのティー・ロウ・プライスの保有で急騰。Rettyもゴールドマン・ックスの保有で高い。

チャート上では、一目均衡表の転換線(2万5,445円)で下げ止まった形。急騰局面から短期調整と見られる動き。1週間通じて日経平均は141円高で先週末比0.5%の上昇。対してTOPIXは24ポイント高で1.4%の上昇と先週までと比較してTOPIX優位の展開。NT倍率は14.7倍と先週の14.9倍から低下しており、TOPIX〝逆襲〟の兆しを感じさせる動き。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。市況商品の価格動向にこのところ、強含みの動きが目立っています。

ひとつはLNG(液化天然ガス)です。目下のところ1年ぶりの高値をつけています。コロナ危機の影響で今年5月には史上最安値を記録しましたが、そこからLNG価格は急回復を遂げました。温暖化ガス排出を削減するために石炭火力発電を止める動きが世界中で広がっており、その分がLNGに代替需要として向かっていることが一因です。

電炉の東京製鉄(5423)12月よりH形鋼、熱延コイルなどすべての鋼材をトン当たり2000円引き上げると発表しました。全面的な価格の引き上げは5か月ぶりのことですが、部分的な値上げは10月も、11月も行ってきました。市中在庫がほとんど払拭されていること、鋼材の需要そのものも底入れしつつあることが値上げの理由としています。

石油製品でも、塗料や接着剤に使うメタクリル酸が根上がりしています。アクリル樹脂の原料であるMMAモノマーも値上がりしており、これらの品目が値上がりするのは、ほぼ2年ぶりのことです。MMAモノマーを原料や材料として多く用いる自動車、家電、建材業界には次第に価格転嫁の動きが広がると予想されます。

ナイロンの原料であるカプロラクタムも上昇しています。3か月連続での値上がりで、価格水準としては今年3月以来の高値となりました。コロナ危機以前のレベルに戻りつつあります。ナイロンは衣料向けが多いのですが、それ以上に自動車業界でも多く用いられます。

経済には「7つの側面」があると言われます。「生産、消費、投資、在庫、雇用、価格、金利」、この7つです。生産や消費は景気の王道ですが、真っ先に動き出すという意味で重要なのは「価格」や「在庫」の動向です。いま、足元では価格の動向にはっきりと動きが出始めています。

ワクチン開発や政府による財政政策の動向も重要には違いありませんが、足元のごく自然な市況動向を見る限り、景気動向は着実に上向いているように思えてなりません。

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注目記事 Pick up
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【今週の展望 TOPIXの“逆襲”が始まる
日本証券新聞11月24日(火)紙面1面TOP記事掲載 

「騰落レシオ」も低水準是正へ 景気敏感株を追撃買い

TOPIX(日足)

やや調整ムードが広がってはいるものの、株価は依然、高値圏で推移している。問題は、こうした足元の相場状況と今後をどうとらえるかだ。

今、マーケットでは強弱感が鋭く対立している。11月18日以降のこう着商状を、コロナ感染者数の拡大による経済的悪影響を無視して突っ走ってきた株価が「危うい淵」に差し掛かり始めた、とみているのが多くの警戒論者。対する強気派は、景気・企業収益の回復期待を背景にした「ポジティブな流れ」は変わっていないとし、このところの株価の調整は再ジャンプに向かう“踏み台”になる、と読む。

当欄の見方は後者だ。前回(11月16日付)、株価の「『ふるい落とし』は定石 バリュー株、押し目狙い」と強調したが、今週(24~27日)は短期調整一巡から相場はうねりを取り戻すだろう。ただし、株価指数の再ジャンプ局面における物色風景は11月初旬までとは変わるはず。東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)が、それを示唆している。

国内の新型コロナウイルス新規感染者数が19日、2,386人と一日としては最多を記録。猛烈な勢いで増え続ける米国での累計感染者数は18日時点で1,150万人を超えた。恐怖の感染拡大がいっこうに収まる気配がないのに、米国株の主要指数はそろって高水準をキープ。日本株も同様だ。①危機対策としての超金融緩和政策がバックアップしている②急ピッチな景気・企業収益の立ち直り――という二つの材料が株価を支えている。特に、ここへきて②の景気・企業収益の回復が一段と鮮明になってきた。

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今日の市況概況
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11月20日(金)☆[概況/大引け] 

3連休前で日経平均は3日続落だが、TOPIXは小幅高。ファーストリテイリングとダイキンは売られたが、ソフトバンクGと電子部品は高い

大引けの日経平均は25,527.37円の106.97円安、TOPIXは1,727.39ポイントの0.98ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,296、値下がり銘柄数は788。出来高は10億8,896万株、売買代金は2兆2,165億円。
3連休を控え、日経平均は3日続落となったが、東証1部全体では上昇銘柄数の方が多く、TOPIXは大引けにかけて下落を免れた。

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