TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】12月4日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2020年12月4日

【本日のマーケット】12月4日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月4日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは3日続伸。週間の新規失業保険申請件数が71万2千件と、前週の78万7千件から減少し、市場予想の77万5千件も下回ったことが好感された。ボーイングは欧州の格安航空会社(LCC)最大手ライアンエアーから小型機「737MAX」75機を受注したと発表したことで買われた。NYダウは前日比85ドル高(0.29%高)の2万9,969ドル。ナスダックは反発。電気自動車のテスラはゴールドマン・サックスが投資判断を「中立」→「買い」に、目標株価を455ドル→780ドルに引き上げたことで買われた。また、新型コロナウイルスワクチンのモデルナが再び大幅高。ナスダック総合指数は前日比27ポイント高(0.23%高)の1万2,377ポイント。

本日の東京市場で日経平均は、週末要因と米国での雇用統計の発表を控えていることから小反落でのスタート。TOPIXはプラス圏に浮上。為替が103円台の円高方向へ振れたものの下げ幅は限定的で、自動車関連株が堅調に推移し高炉大手株にも波及。政府が2030年代半ばをめどに国内でのガソリン車の新車販売をなくす目標を掲げる方向で調整に入ったことを受け、周辺関連株が賑わった。大引けの日経平均は58円安の2万6,751円。売買代金は2兆3,367億円。TOPIXは0.69ポイント高の1,775ポイント。

新興市場はまちまちの展開。JASDAQ指数は小幅反発。テラは受取保険金を営業外収益に計上することで急反発。モーター用自動巻線機の小田原エンジとリチウムイオン電池関連の田中化研が活況。対して、直近IPOのMITとジオコードは続落。マザーズ指数は続落。ラクスやメディカルネット、マクアケが下落。一方、電気自動車用モーター温度検知用の大泉製作所が大幅高。株式分割の権利取りでドラフトは上昇。

チャート上では、5日移動平均線(2万6716円)上での推移。日経平均は5週連続の上昇となっており、さすがに上値の重さは感じられるものの、来週のメジャーSQを視野に2万7000円をターゲットとしての動きが想定される。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。12月相場が始まりました。

今週は政策上の大きな変化や判断が立て続けに表面化しました。2020年はまもなく幕を閉じて新しい年のはじめを迎えますが、これらの変化は日本を未来を大きく規定してゆくことになるのは間違いないと見られます。

ひとつは、脱炭素、脱ガソリンの流れが加速している点です。経済産業省は、2030年代のうちに国内で販売される新車をすべて、ハイブリッド車か電気自動車、燃料電池車に切り替える方針です。

EUや英国、フランス、米国のカリフォルニア州など、すでに海外では2030年から2050年に向けてガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出しています。中国でも2035年には新車販売のすべてをエコカーとする方向です。

ふたつめに、NTTドコモが本体プランとして「20ギガのデータ容量で月額2980円」の格安プランを発表しました。これも菅首相が進める通信料金の引き下げ要請に応じた形です。

格安のセカンドブランドではなく、本体プランでこれほどの値下げを実施することが大きな変化です。ライバルのKDDIやソフトバンクが追随することになるのは明らかです。

さらにもうひとつ、2022年度をめどに75歳以上の医療費を1割から2割負担にすることに踏み込みます。所得区分の線引きでまだ議論が交わされますが、16兆円を超える医療費の負担に踏み込む点で、これも大きな変化であることは間違いありません。

日常生活を取り巻く非連続的な変化が始まっています。痛みも避けられませんが、それとともに新しい市場が誕生する期待もあります。株式市場でもそれらの変化に期待が寄せられます。厳しい年の瀬を迎えて、新しい年にふさわしい希望の光を見つけたいと切に願います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【自動車関連、師走相場を疾走
日本証券新聞12月7日(月)紙面1面TOP記事掲載 

デンソー8%高、ホンダも強調 外資系証券がマーク 高炉大手株にも波及

デンソー(6902・週足)

自動車株と、その関連銘柄を真正面から攻略する動きが広がっている。4日の東京株式市場は円高や米ファイザー社のコロナワクチン供給量の縮小報道が気掛かり材料となり、日経平均は終日、調整ムード。しかし、そうした空気に抗して、ホンダ(7267)が11月の戻り高値に接近し、トヨタ(7203)日産(7201)は堅調。デンソー(6902)は11月高値を一気に払い、2018年10月以来の5,700円台に駆け上がった(チャート参照)。こうした動きは自動車の需要回復が鋼材需要につながる鉄鋼大手にも波及。師走相場は自動車関連が牽引する可能性が高くなってきた。

「景気・企業収益をリードするのは自動車関連」というコンセンサスがマーケットに広がっている。

4日、それを如実に映し出すように、自動車株が軒並み高。ホンダは、モルガン・スタンレーMUFG証券が3日付で目標値を3,500円から3,700円に引き上げ(投資判断は『Overweight』継続)、それに刺激されて11月高値3,162円に急接近。直近(11月27日申し込み時点)の信用倍率は1.24倍と好取組をキープし、売り方は締め上げられる方向にある。トヨタ、日産、SUBARU(7270)スズキ(7269)マツダ(7261)などもしっかり。

・・・続きは紙面・Digital版で!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

12月4日(金)☆[概況/大引け] 

下げ渋り、TOPIXはもみ合い水準に戻した。東京エレクは反落したが、SUMCOは16日続伸。政府が30年代半ばにガソリン新車禁止意向で電動車関連急騰

大引けの日経平均は26,751.24円の58.13円安、TOPIXは1,775.94ポイントの0.69ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は969、値下がり銘柄数は1,116。出来高は11億4,790万株、売買代金は2兆3,367億円。
日経平均は反落したが下げ渋りを見せ、TOPIXはもみ合い水準に戻した。

詳しくはコチラ

関連記事