TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】1月15日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2021年1月15日

【本日のマーケット】1月15日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月15日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は小幅続落。バイデン次期政権による追加経済対策への期待でNYダウは上昇していたが、ニューヨーク・タイムズが1兆9千億ドル規模の経済対策を発表する見通しと伝え、CNNが事前に報じていた2兆ドルに比べ後退。NYダウは前日比68ドル安(0.22%安)の3万991ドル。ナスダックも取引終了にかけて小反落。燃料電池のプラグパワーが利食い売りで反落し、フェイブックも安い。ナスダック総合指数は前日比16ポイント安(0.12%安)の1万3,112ポイント。

本日の東京市場は、小幅続伸でのスタート。バイデン新大統領が追加経済対策を議会に提案と伝わったが、マーケットは織り込み済みとの反応。昨日までの5日間で1,642円の急騰を演じていたことや、週末の手仕舞い売りもあり6日ぶりの反落となった。大引けの日経平均は179円安の2万8,519円。売買代金は2兆8,376億円。TOPIXは16ポイント安の1,856ポイント。

新興市場はまちまちの展開。JASDAQ指数小幅続落。太陽光発電のウエストHDや、半導体関連のフェローテック、出前館、助川電気が下落。対して、Mipoxは名大との共同研究がNEDOの支援事業に採択されストップ高。マザーズ指数は小幅反発。直近IPO銘柄のバルミューダ、エネチェンジが大幅高。Sansanは東証1部昇格が決まりストップ高。また、カイオムバイオはがん治療用抗体のライセンス供与を発表しストップ高。一方で、バリュエンスは減益決算が失望を誘いストップ安。

チャート上では、6日ぶりの陰線。前日までの5日間で1,642円の急騰となっていただけに、さすがにスピード調整となり、ボリンジャーバンドの+2σ(2万8,536円)をわずかに下回っての大引け。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。新年早々、緊急事態宣言が発せられました。

東京都をはじめ1都3県の知事が3が日のうちに記者会見を行い、国に対して発令を要請するという不穏な状況です。

それでも株価は安泰です。昨年4月に発せられた前回の緊急事態宣言との違いが浮き彫りになっています。

昨年春の時点では、事態がこれからどうなるのかまるで見当がつきませんでした。政府からの財政支援、助成金は末端まで行きわたらず、民間企業もコロナ下での新常態が整っていませんでした。小売、サービス業では売上げはゼロ、営業利益が赤字転落となる企業がほとんどでした。

今はそれとは状況がまるで違います。佳境を迎えている小売企業の決算にその一端を見ることができます。しまむら(8227)はQ1の営業利益▲12.8億円の赤字から、Q2の段階で159億円の黒字に転換しました。昨年末に発表したQ3はさらに311億円まで利益を伸ばしています。

企業は「新常態」に身の丈を合わせようと努力しています。非常事態宣言をただの受け身で待ち受けているわけではありません。

来週は米国の大統領就任式とともに、米国企業の10-12月期の決算発表が始まります。そしてその翌週(1月第4週)には、いよいよ日本でも決算発表の時期を迎えます。これらの動向に特に意を払ってゆきたいと考えています。

※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【相場を斬る(70) 指数と個別銘柄―― 「位置の違い」再確認を
日本証券新聞1月18日(月)紙面1面記事掲載 

短期調整に留意する局面

「もちあい放れにつけ」という相場格言がある。相場が一定レンジでもみ合った後、市場参加者の買いと売りのパワーバランスが崩れ、新しい相場トレンドが発生するタイミングをとらえ、動いた方向へ順張り的に追随する投資が肝要であることを説いた格言だ。

昨年以降の相場では、この格言の意味合いが強烈に増している。特徴的なのは、相場が動く時と動かない時の現象面の極端な違いだ。現状の“AI管理相場”における価格変動の速さや、日銀ETF(上場投信)買いによる相場の下方硬直性など、いくつかの要因が影響している。この格言を踏まえ、機敏な投資行動を起こせるかが、昨年同様に今年も勝敗のカギを握ることになろう。

米長期金利と日銀のETF買い

米国10年債金利は、1月6日に1%台に乗せ11日には1.4%台まで上昇。今まで動きの鈍かった金利敏感株が物色され、金利上昇にも関わらず株価は堅調に推移している。期待インフレ率の上昇により、実質金利の上昇が抑えられている点が背景にある。

13日、クラリダFRB(米連邦準備制度理事会)副議長は「インフレ目標達成までの利上げはない」と指摘。このため、10年債金利は一時1.07%まで低下しているが、今後、名目金利の上昇に期待インフレ率の上昇が追い付かず、実質金利の水準上昇が継続するならば、米国市場経由で国内市場も影響を受けることは頭の片隅に入れておきたい。

また、下落時に相場を下支えしてきた日銀ETF買いも、今年3月で購入目標額を12兆円に倍増してから1年になるが、1日当たりの買い金額においても、昨年12月30日の713億円から1月4日には513億円に引き下げられており、今後の日銀の対応には注意が必要だ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1月15日(金)☆[概況/大引け] 

6日ぶりに反落。ファーストリや自動車が売られ、レノバも安い。TSMCの設備投資計画で半導体製造装置は反発したが、電子部品の下落を受けて、百貨店が上昇

大引けの日経平均は28,519.18円の179.08円安、TOPIXは1,856.61ポイントの16.67ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は486、値下がり銘柄数は1,652。出来高は12億4,926万株、売買代金は2兆8,376億円。
日経平均は前日までの5日間で1,642円上昇したため、週末の手仕舞い売りが出て反落した。

詳しくはコチラ

関連記事