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コラム2021年5月14日

【本日のマーケット】5月14日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

5月14日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇。NYダウは4日ぶりに反発。長期金利の上昇一服が安心され、ハイテク株に押し目買いが入った。週間の新規失業保険申請件数は47万3千件と前週の50万7千件から改善したため、ホームセンターのホームデポやロウズ、宅配サービスのUPS、ディスカウントストアーのターゲットといった景気敏感株が買われた。NYダウは前日比433ドル(1.29%)高の34,021ドルと大幅反発。ナスダックも4日ぶりに反発。半導体製造装置のラリサーチとアプライドマテリアルズが買われ、フィットネス関連機器のペロトン・インタラクティブが高い。対して、テスラは4日続落。ナスダック総合指数は前日比93ポイント(0.72%高)の13,124ポイント。S&P500指数は前日比49ポイント(1.22%)高の4,112。

本日の東京市場は、NY市場の大幅反発を受けて買い先行でのスタート。昨日まで3日間で2000円超の急落となっていただけに、ショートカバーや値ごろ感の買いで反発。時間外取引の米株先物も上昇していたことも安心感を誘い、買いに勢いがついた。後場からは一段高となり、2万8000円台を回復。昨日の下落分をほぼ埋める格好となった。本日のSQや、週明け17日の米国納税期限の換金売りも一巡と見られることから、アク抜け期待も。大引けの日経平均は636円高の2万8,084円。売買代金は2兆8,867億円。TOPIXは34ポイント高の1,883ポイント。

新興市場も共に反発。JASDAQは4日ぶりに反発。シンバイオ製薬は第1四半期が赤字決算だったが、今後の改善期待から急反発。注射液用アンプルの不二硝子は8日ぶりに反発。対して、フルヤ金属やサン電子、大阪油化は下落。マザーズ指数は9日ぶりに反発。第1四半期が好決算だったケアネットと今期営業黒字化予想のカオナビが急騰。バルミューダがスマホ参入を発表しストップ高。一方で、QDレーザが赤字継続予想で下落。

日足チャート上では、昨日割り込んだボリンジャーバンドの-3σから切り返し-2σ(2万7,965円)を回復。大引けでは2万8000円台乗せ。週足では大陰線を引いて26週移動平均線割れ。来週、アク抜けでここから切り返しを見せるか、注目です。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日本が大型連休の休暇を取っている間に、NY市場ではダウ工業株が5月3日(月)から7日(金)まで、まるまる1週間にわたって上昇し続け、連日のように最高値更新を記録しました。(ただしこの間もNASDAQは下落しました。)

すっかり安心して連休明けを迎えたわけですが、結果的に安心していられたのは週初の月曜日だけです。日本時間の月曜日の夜、NY市場の週明けから株価は大きくダウンサイドに向かって動き始めました。

火曜日からの3日間で日経平均は▲2000円以上も下落しました。4月以降はレンジ取引が続いていただけに、不意打ちをくらったような格好です。

これで日経平均は2月以降の保ち合い下限を下に突き破り、居どころを大きく変える形となりました。年初来安値を更新する銘柄が急増しており、移動平均や新値3本足などトレンド系のテクニカル指標は次々と局面の転換を示唆しています。

調整は2か月ほどかかるかもしれません。それでも現在のマーケットでは自社株買いが活発化しています。これらは株価の下値を支えるひとつの大きな要因になります。

軟調な地合いはまだ続く可能性がありますが、年明け以降の相場では今回が初押しと言ってもよいでしょう。決算内容では良好な企業もいくらでも見出だせます。ここはじっくりと下値を狙ってゆきたいものです。

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注目記事 Pick up
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「ペイロール」「ベイシス」「ステムセル研究所」…、注目企業続々登場か
日本証券新聞5月17日(月)紙面1面TOP記事掲載 

6月は“怒涛のIPOラッシュ”へ  1~4月全勝経て再開後も期待

3月期決算の発表が一巡。経験則的にこれから6月IPO(新規上場)案件の上場承認が本格化する。

2021年のIPOは5月末までで31社。18年は1~5月で25社、同様に19年は27社、20年は29社で、21年は直近3カ年の実績をやや上回るペースとなっている。

6月案件は3月、12月並みか

さて、6月はどうか。IPO候補は23社。日本で最も多い3月期決算企業の場合、6月の株主総会までに上場すれば作成した上場関連書類が有効のため、IPOが比較的多い月ではあるが、20社超は異例。このまま順調にいけば例年の2倍程度に及び、3月や12月並みのIPOラッシュになる。

気になる顔触れだが、給与計算代行でマクドナルドなどを顧客に抱える「ペイロール」(本社は東京都江東区)が有力候補に挙がる。知名度の高い企業では、万年候補ながら経営支援の「リヴァンプ」(同、東京都港区)も有力視される。ファンドの出口案件候補は5件程度。

日本トリム子会社も有力

また、昨年に上場承認されるもコロナによる市場変化を理由に上場を取りやめた経緯を持つ、いわゆる“コロナ復活”案件も複数。

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今日の市況概況
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5月14日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は4日ぶりに反発し2万8,000円回復。サプライズ決算のいすゞとIHIは急騰。鉄鋼と非鉄は安い

大引けの日経平均は636円高の2万8,084円、TOPIXは34ポイント高の1,883ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,790、値下がり銘柄数は347。出来高は12億6,620万株、売買代金は2兆8,867億円。
13日の米国株が4日ぶりに反発したことが好感され、14日の東証も4日ぶりに反発し、日経平均は2万8,000円を回復した。

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