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コラム2021年12月3日

【本日のマーケット】12月3日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月3日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で NYダウは大幅反発。暫定予算の期限は3日だが、バイデン大統領が政府機関の閉鎖を予想していないと発言したため、暫定予算の期間延長が期待された。NY証券取引所では、ビッグデータ分析のスノーフレイクは新規顧客増加による好決算と強気見通しを示したことで急騰。ボーイングは、中国がほぼ3年にわたって講じてきたボーイング737MAXの運航停止措置を近く解除する見通しが好感された。 NYダウは前日比617ドル(1.82%)高の34,639ドル。ナスダックも反発。ペイパルやクラウドストライクが高い。NASDAQ総合指数は前日比127ポイント(0.83%)高の15,381ポイント。S&P500指数は前日比64ポイント(1.42%)高の4,577。

本日の東京市場は、NY市場の大幅高に反して前場は日経平均が続落。ただ、東証1部全体では上昇銘柄数の方が多く、TOPIXは堅調。米国雇用統計の発表を控え様子見姿勢も見られたが、医薬品のメルクが、日本でコロナ飲み薬の申請を行ったとの報道が買戻しを誘い、後場は上げ幅を拡大。高値引けとなり、東証33業種中32業種、92%の銘柄が上昇と全面高の展開。大引けの日経平均は276円高の2万8,029円。売買代金は2兆9,347億円。TOPIXは31ポイント高の1,957ポイント。

新興市場は共に8日ぶりの反発。JASDAQではシンバイオ製薬とハーモニックドライブ、白鳩が買われた。対して、リチウムイオン電池関連の田中化研と資源リサイクル関連のアミタは利食い売りに押された。マザーズではAIinsideがSBI証券による投資判断引き上げでストップ高。そーせいとメドレックスが買われ、直近新規公開株のGRCSとサイエンスアーツが大幅高。一方で、FRONTEOとアスタリスクは安い。

日足チャート上では、本日の陽線で5日移動平均線(2万7,964円)の上に浮上。ボリンジャーバンドのー2σを上抜けて、次はー1σの2万8,500円処が意識される。週足では、26週・52週線移動平均線を下抜けて一目均衡表の雲の中へ。TOPIXの日足のチャートは、底入れを感じさせる形状。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。12月相場が始まりました。年末相場は上昇しやすい、というこの季節独特の経験則がまるで通用しない展開が今週は続きました。激しい下落と上昇が1日の間にも繰り返されるという目まぐるしい展開ばかりだったように思います。

そうは言っても、この間も世界中で経済活動は前に向かって進んでいます。秒速で進むデジタル社会と脱炭素の流れは車輪の両軸となってとりわけイノベーションをけん引しています。コロナ禍でますますその速度は速まっているように感じます。

半導体が設計と製造にはっきりと分業体制が確立されたように、いずれあらゆる産業界で同じことが起こるはずです。すでに一部の産業界で始まっていますが、組み立ては世界中の工場でできるようになり、業界再編や淘汰がここからさらに活発になるでしょう。

すでに企業の間では、来たる2030年のあるべき姿を念頭に入れて「IoT時代の設備投資」に徐々に踏み切っていると考えられます。2030年を先取りする動きはすでに始まっていると見られます。明日の見えない世の中ですが、少しでも明日の兆しを見つけてゆきたいと思います。

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注目記事 Pick up
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【記録づくめ IPOラッシュを読む】
日本証券新聞12月6日(月)紙面1面TOP記事掲載 

まだまだ続く!来年2月13社、3月30社超がリストアップ

2021年のIPO社数は前年比35社増の137社となる見込み。07年以来の3ケタ乗せを果たし、06年(188社)以来の高水準となる見込み。堅調な株式市況を背景に上場準備を進める企業の増加や、コロナで上場を見送った企業の再出動などが社数増加の理由に挙がる。一部では、東証が上場審査業務で3月から始めたAI活用に伴う処理速度向上効果も指摘されていたが、現状は補助的な利用にとどまっているもよう。

市場別ではマザーズは市場開設以来最高の94社をマーク。また、同市場ではビジョナル(4194)Appier Group(4180)セーフィー(4375)プラスアルファ・コンサルティング(4071)と、初値ベースで時価総額1,000億円超えの大型IPOが複数出現した。プロマーケットは13社と5年連続で過去最多記録を塗り替える。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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12月3日(金)☆[概況/大引け] 

メルクが飲み薬の新型コロナ治療薬申請を好感。海運が続伸し、米国立アレルギー感染症研究所長の発言で旅行関連が高い

大引けの日経平均は276円高の2万8,029円、TOPIXは31ポイント高の1,957ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は2,015、値下がり銘柄数は138。出来高は12億3,333万株、売買代金は2兆9,347億円。
東証は反発。メルクが飲み薬の新型コロナウイルス治療薬を厚生労働省に申請したことが好感された。
前場は日経平均が続落となったが、東証1部全体では上昇銘柄数の方が多く、TOPIXは堅調だった。そして、後場は上げ幅を拡大した。

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