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コラム2021年12月24日

【本日のマーケット】12月24日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月24日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は3日続伸。英国保健安全保障庁が、オミクロン株感染者が入院に至る確率はデルタ株と比べて50~70%低く、救急治療が必要になる確率も31~45%下回ると発表したため、投資家心理が改善。感染が拡大してもロックダウンが実施されるという懸念が後退したため、ボーイングやディズニーが買われ、GMや鉱山会社のフリーポート・マクモラン、キャタピラーといった景気敏感セクターも上昇した。NYダウは前日比196ドル(0.55%)高の35,950ドル。ナスダックではテスラやマイクロンテクノロジーが買われた。NASDAQ総合指数は前日比131ポイント(0.85%)高の15,653ポイント。S&P500指数は前日比29ポイント(0.62%)高の4,725と最高値を更新。

本日の東京市場は、米国市場の続伸を受けて小幅高でのスタート。欧米のクリスマス休暇で東証は閑散となり、日経平均は小動き。半導体関連銘柄が物色され、レーザーテックや東京エレクトロンは最高値更新となった。日中値幅は100円にも満たない状況で、昨年の12月25日以来のレンジの狭さ。まさに、相場格言の「閑散に売り無し」となった。大引けの日経平均は15円安の2万8,782円。売買代金は1兆6,165億円。TOPIXは2ポイント安の1,986ポイント。

新興市場は上昇するも伸び悩み。JASDAQでは田中化研が買われ、フードパンダの日本撤退で出前館が上昇。一方で、カルナバイオとラクオリア創薬は反落。マザーズではFRONTEOが買われ、スパイダープラスはみずほ証券による新規「買い」で、MTGはSMBC日興による目標株価引き上げで注目された。セルソースが続伸。対して、サイエンスアーツは3日続落。直近新規公開株は軟調な銘柄が多いがハイブリッドテクはストップ高。

日足チャート上では、200日移動平均線で押し戻された格好。今週は月曜日の急落局面から下値を切り上げてきた。週足では陽線となり、26週線移動平均線を回復。一目均衡表の雲抜けも示現となり、来週の掉尾の一振に望みをつなぐ形状に。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。暮れも押し迫ってきたこの時期、大阪市に続いて東京都でもオミクロン変異種による初の市中感染の事例が見つかったようです。世界の主要都市の中で日本だけが感染者の増加が少なく、異様なほどの平静さを保っていました。しかしそれもどうやら許されなくなりつつあるようです。

小売サイドもその辺は十分に理解しており、各店各様に新しい取り組みをスタートさせています。そのひとつが「テイクアウト」需要をとらえることです。これまでテイクアウトなど行っていなかった店舗が一斉に取り組みを強化し、緩やかな流れですが秋口以降はその効果が現れつつあるようです。

外食各社の既存店売上高が前年比プラス圏に盛り返しつつあります。12月8日に発表された11月の景気ウォッチャー調査によれば、「街角景気」の現状判断DIは56.3(+0.8)と3か月連続で上昇しました。

12月調査の日銀短観でも「小売」の業況判断は、9月の「▲4」から12月は「+3」とプラスに浮上しました。

これらを反映して12月の月例経済報告では、基調判断として「コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きがみられる」という文言で、前月の「持ち直しの動きに弱さがみられる」から上方修正されています。個人消費に関して特にその傾向が表れていると記述されています。

経済運営は年明け以降もむずかしい判断が求められることになりそうですが、足元の堅調さは次第に固まりつつあります。年末年始は「株を枕に年を越す」ことも狙ってみてよいのではないかと考えています。

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【“理不尽な日本株売り”一巡へ 世界最大の機関投資家(GPIFの5倍以上)の運用方針は!?】
日本証券新聞12月27日(月)紙面1面TOP記事掲載 

ブラックロック・ジャパン 福島毅取締役CIO語る

米国資産運用会社のブラックロックと言えば、9月末の運用資産残高9兆4,600億ドル。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人、198兆9,489億円)の5倍を超える「世界最大の機関投資家」だ。ブラックロック・ジャパンは23日、メディアラウンドテーブルを開催。福島毅取締役CIO(最高投資責任者、写真)の発言で、特に興味深かった部分を以下のようにまとめた。

「コロナ前の世界には戻れず、インフレとの共存が求められる。空前の規模の財政・金融政策から落ち着きどころを探る難しい時期。中央銀行が対応を誤る可能性もあるだけに、ポートフォリオのリスク量はやや抑え気味にしたい」

「FRB(米連邦準備制度理事会)の姿勢はインフレに寛容だ。かつてなら、既に何度か予防的利上げを実施していても不思議のない場面だが、初回は来年6月になりそう。その後のペースも市場想定より緩やかで、マイナスの実質金利は来年も続くのではないか。市場ではQT(量的引き締め)開始時期が注目されているが、アピール効果はともかく、現実の経済や資産価格への影響は乏しいため、先行きをにらめばむしろ早く実施した方がいい」

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今日の市況概況
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12月24日(金)☆[概況/大引け] 

欧米がクリスマス休暇の影響で閑散小動きだったが、半導体関連は高い。海運は一服

大引けの日経平均は15円安の2万8,782円、TOPIXは2ポイント安の1,986ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は884、値下がり銘柄数は1,173。出来高は7億4,672万株、売買代金は1兆6,165億円。
欧米がクリスマス休暇の影響で東証は薄商いとなり日経平均は小動きだったが、半導体製造装置のレーザーテックと東京エレクトロン、SCRRENと半導体封止材の住友ベークライト(4203)は上場来高値を更新した。

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