TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】1月14日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2022年1月14日

【本日のマーケット】1月14日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月14日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは3日ぶりに反落。FRBのブレイナード理事は、上院銀行委員会で開かれた副議長昇格に関する公聴会で証言を行い、「インフレ率は高すぎる」「FRBの金融政策は、誰もが恩恵を受ける景気回復を維持しながらインフレ率を2%に戻すことに重点を置いている。これが我々の最も重要な責務だ」と述べた。また、フィラデルフィア連銀総裁とシカゴ連銀総裁は年内3回の利上げを予想しているが、インフレが改善しない場合は4回になる可能性もあるとの見解を示した。これらにより、早期の引き締め策が警戒され、高PER銘柄のハイテク株が売られ、ナスダックの下落率が大きくなった。NYダウは前日比176ドル(0.49%)安の36,113ドル。ナスダックは4日ぶりに反落。NASDAQ総合指数は前日比381ポイント(2.51%)安の14,806ポイント。S&P500指数は前日比67ポイント(1.42%)安の4,659。

本日の東京市場は、米国での早期の金融引き締め策が警戒され、大きくギャップダウンでのスタート。FRB副議長に指名されているブレイナード理事がインフレ抑制に積極的な発言を行ったことで、早期利上げや保有資産縮小が警戒された。本日はウィークリーオプションのSQ算出日でもあり、寄付きから先物に断続的に売りが出て、日経平均は2万8,000円を割り込んで推移する時間帯もあった。前引け時点でのTOPIXの下落率が2%超となっていたことから、後場からは日銀のETF買いの思惑も働き下げ幅を縮める展開となった。また、米国では1月25日~26日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)を前に、FRB関係者は金融政策について踏み込んだ発言をしてはならないという「ブラックアウト期間」となるため、金融政策がらみの混乱は収束するとの見方も出ていた。この日の日銀のETF買いは701億円となり、昨年10月1日以来、約3ヵ月ぶりに実施された。大引けの日経平均は364円安の2万8,124円。売買代金は3兆4,410億円。TOPIXは27ポイント安の1,977ポイント。

新興市場も続落。JASDAQはウエストHDが第1四半期大幅減益で急落し、イメージワンは強気の中期経営計画を発表したが実現性が警戒され大幅安。一方で、メタバースファッション関連のシーズメンは5日続伸。3Dマトリックスが買われた。マザーズは3%超の大幅下落となった。メルカリやFRONTEOが売られ、ウェルスナビは最安値更新。対して、バンクオブイノベはゲームの海外向け事前登録受付開始で急反発。

日足チャート上では、各移動平均線を下抜けとなり下値模索の展開に。週足では先週に続いての陰線。2万8,000円台を維持したことで、ここで踏み止まれるか正念場となる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。オミクロン変異種の感染拡大が続いています。世界的な感染は一向に収まらず、世界の新規感染者は1日で+300万人を数えるまでに拡大しました。その波がいよいよ中国にまで波及してきました。

今週は東京株式市場においてもグロース株からバリュー株への資金シフトが一段と進みました。金利上昇によって収益改善の期待される銀行株がますます上昇し、反対にバリュエーションの高まったテクノロジー株が次々と売られています。

コロナ感染拡大が国境封鎖による人手不足をもたらし、人手不足が供給制約によるインフレをもたらして、金利の上昇がバリュー株への資金をシフトさせています。この歯車が反転する兆しはまだ見えておりません。

それでも冷静に見れば、日本における「第6波」の襲来はある程度予想されていたことです。感染拡大のペースはかつてないほど急拡大に広がっていますが、これまでの反省に立って医療体制の確立が急ピッチで進められています。重症化リスクも低いものにとどまっており、3回目のワクチン接種のスケジュールもほぼ固まりました。

予想しうるリスク、およびある程度は終息期の見えている危機に対してマネー市場は抵抗力を示すものです。仮に来週以降、日経平均で27,000円台前半まで下押しするようであれば、反発機運も高まってくることでしょう。

今週は2月、5月、8月決算企業の決算発表が相次ぎましたが、新型コロナと共存するべく企業は「新しい日常」への対処法を模索しているところです。ここからの下値があるとすれば、それは新たなチャンスと考えております。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【苦境を凌ぐは「バリュー株」】
日本証券新聞1月17日(月)紙面1面TOP記事掲載 

日経平均一時599円安、どうなるGAFA総崩れ

再び激震に見舞われた14日の東京市場。12日の立会中に昨年末水準に届いた日経平均だったが、この日は一時599.92円安となり、昨年12月6日以来の水準まで売られる場面もあった。

本来「1月14日」は、年間で最も買われやすい日(戦後39勝13敗=勝率75%)として知られてきたが、外国人投資家が市場の“制空権”を握る現状では、米国ハイテク株の急落を前に総見送り商状に陥るのもやむを得ないところか。

唯一の救い(?)と言えば、日銀ETF買い入れの“発動条件”とされる「前場TOPIX下落率2%超え」に達し、昨年10月1日以来(新ルール適用後の昨年4月以降5回目)の買い入れ実施への期待感が生じていたことだが、いずれにせよ、当面は米国市場の動向に大きく左右される展開となりそうだ。

13日の米国株はニューヨークダウの0.5%安に対し、NASDAQ2.5%安。実は、“GAFAM”と呼ばれる巨大ハイテク5銘柄やテスラはいずれもNSDAQに上場されており、テスラ6.7%安、マイクロソフト4.2%安など総崩れの様相。昨年末からの下落率で見ても、ニューヨークダウが0.6%安にとどまるのに対し、NASDAQは5.3%安(昨年11月19日安値から7.7%安)だ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1月14日(金)☆[概況/大引け] 

次期FRB副議長の発言を警戒。レーザーテックや不動産が安く、ファストリとセブン&アイは決算で買われ、日本製鉄は11連騰、海運も堅調

大引けの日経平均は364円安の2万8,124円、TOPIXは27ポイント安の1,977ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は503、値下がり銘柄数は1,599。出来高は14億815万株、売買代金は3兆4,410億円。
FRB副議長に指名されているブレイナード理事が「インフレ制御を最重要責務」と述べたため、早期利上げや保有資産縮小が警戒され、13日の米国株は反落し、14日の日経平均は一時2万8,000円の大台を下回った。

詳しくはコチラ

関連記事