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コラム2022年1月21日

【本日のマーケット】1月21日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月21日(金)のマーケット                                                                   

1月20日の米国株式市場でNYダウは反発していたが、来週1月25日~26日に開催されるFOMCが警戒され、取引終盤に下落に転じ、5日続落となった。フォードとGM、ホームセンターのホームデポとロウズが安く、モルガン・スタンレーは買われた。NYダウは前日比313ドル(0.89%)安の34,715ドル。ナスダックも終盤に下落し3日続落。半導体関連のAMDとエヌビディアが下落し、フィットネス関連のペロトン・インタラクティブは需要低迷でエクササイズバイクやルームランナーの生産を一時停止すると報じられ、急落。NASDAQ総合指数は前日比186ポイント(1.30%)安の14,154ポイント。S&P500指数は前日比50ポイント(1.10%)安の4,482。

本日の東京市場は、米国株が来週のFOMCを警戒し続落となったことや国内の感染拡大が不安視され、全面安でのスタート。米国で半導体関連株が売られたため、レーザーテックや東京エレクトロンが大幅下落となり、日経平均は一時643円安の2万7,129円まで下落となった。その後は徐々に下げ幅を縮め、時間外の米株先物の動向を見ながら買い戻しが入り、東証1部騰落数は上昇銘柄数が53%と多くなった。大引けの日経平均は250円安の2万7,522円。売買代金は2兆9,873億円。TOPIXは11ポイント安の1,927ポイント。

新興市場も反落。JASDAQではフェローテックやフルヤ金属、シライ電子が売られ、MITが大幅反落。一方で、18日に業績予想と配当予想を引き上げたアピリッツは大幅続伸。イメージワンが大幅高。マザーズ指数は一時800ポイント割れとなった。メルカリやウェルスナビが売られ、サイエンスアーツも反落。半導体関連が売られた影響で、半導体工場の運用・保守を行っているティアンドエスが安値を更新。対して、直近新規公開株のサインドが切り返した。

日足チャート上では、昨日・本日と下げ渋りを見せて連続陽線。長い下ヒゲを伴っていることから下値抵抗のサインと見られます。ボリンジャーバンドの-3σにタッチしており、目先は自律反発の局面。週足ではでは3週連続の陰線となり、昨年来の保ち合いの下限近辺。13週と26週移動平均線のデッドクロスも目前となっており、正念場を迎えつつあると思われます。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週は大きなネガティブ要因が明らかになりました。オミクロン変異種の感染拡大によって、トヨタ自動車の2月以降の生産計画に誤算が生じています。

トヨタの生産計画は、半導体の調達不足によって昨年末に一部で滞りが見られました。それを挽回すべく年明けからは生産台数を引き上げる方針が伝えられていましたが、それがオミクロン変異種の急速な拡大によって、工場の生産台数を計画よりも抑制せざるを得ないようです。同じ理由から、メドが立ったと見られていた半導体の調達も思うようにいかない模様です。

トヨタの国内14か所の工場のうち、11工場で生産調整を余儀なくされるということですから、これは相当の痛手です。3年目に入ったコロナ危機の中でも、ここまで厳しい状況はなかったように記憶しています。

これによって2021年度の生産台数は、目標としていた900万台の大台達成がむずかくなり、それだけ日本経済全体には下押し圧力となってきます。トヨタのみならず、ホンダ、ダイハツ、スズキの自動車各社も同じような状況に直面しており、自動車産業のほかにも同様の動きが広がりかねない状況です。

景気に対する下押し圧力がさらに広がりかねないところに、原油をはじめコモディティ市況の上昇も一向に収まりません。今週はWTI先物価格で2014年以来の高値となる86ドル台まで上昇しました。来週のFOMCミーティングに影響を与えかねない状況で、マーケットは早くも身構えています。

インフレ的なセクターや銘柄に資金逃避的な動きが強まることは避けられないとしても、その先に待ち受けるデジタル&グリーン革命に成長可能性を見出すことは可能です。調整期間は2か月程度と身構えた上で、その先の上昇タイミングをとらえることができると考えています。

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注目記事 Pick up
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【グローバル指数に見る東京市場の現状】
日本証券新聞1月24日(月)紙面1面TOP記事掲載 

日本株のMSCI除外ラッシュを食い止めろ!

「米国がくしゃみをすれば日本が風邪をひく」――などと盛んに言われたのはもう半世紀も前の話だが、近年の日米市場にはこれに近い状況が生じている。20日の米国市場が朝方の急反発にもむなしく引けにかけて急落(ニューヨークダウ0.89%安、NASDAQ1.30%安)すると、21日の日経平均は一時2.31%安まで売られる場面があった。

もちろん、米国時間外取引でのネットフリックス暴落(2割強!)や、21日の“米国版SQ(特別清算指数)”への不安などが背景にあるにしても、そもそもニューヨークダウは今月5日に付けた最高値からまだ5.6%安の水準だ。これに対し日経平均は昨年9月14日高値比で一時11.5%安まで売られている。

また、米国でもNASDAQは昨年11月19日最高値から11.8%安だが、それを言うなら東証マザーズ指数は昨年11月戻り高値から21日安値で32.0%安だ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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1月21日(金)☆[概況/大引け] 

反落。半導体関連や自動車、海運、石油が売られ、旅行関連は高い。巴川製紙は上方修正と復配で急騰

大引けの日経平均は250円安の2万7,522円、TOPIXは11ポイント安の1,927ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,170、値下がり銘柄数は920。出来高は12億3,500万株、売買代金は2兆9,873億円。
日経平均は朝方、643円安の2万7,129円まで下落した。
その後、下げ幅を縮め、売り方の買い戻しも入り、大引けの東証1部騰落数は上昇銘柄数の方が多かった。

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