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コラム2022年4月22日

【本日のマーケット】4月22日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月22日(金)のマーケット                                                                   

4月21日の米国株式市場でNYダウは序盤に331ドル高となったが、パウエルFRB議長が5月3日~4日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げが検討されると述べたため、下落に転じた。NY証券取引所ではショッピファイやスナップなどのハイテク株が売られた。シェブロンはRBCキャピタルマーケッツが投資判断を「セクターパフォーム」に下げたことで下落。アルミ大手のアルコアは第1四半期の売上高がアナリスト予想を下回り急落となった。対して、デルタ航空は上昇。 NYダウは前日比368ドル(1.05%)安の34,792ドル。ナスダックは続落。エヌビディアやネットフリックス、アマゾン、メタ・プラットフォームズなどが安い。一方で、テスラは第1四半期(1~3月期)決算がアナリスト予想を上回ったことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比278ポイント(2.07%)安の13,174ポイント。S&P500指数は前日比65ポイント(1.48%)安の4,393。

パウエルFRB議長が5月のFOMCで0.5%の利上げ検討と発言し、日経平均は一時2万7000円割れとなった。プライム市場ではグロース銘柄を中心に広範囲に下落し、レーザーテックやソフトバンクG、海運、リクルート、住友鉱山が安い。神戸物産は月次の粗利益率悪化で下落。日本電産は伸び悩んだ。一方、日立物流は投資ファンドによる買い取り価格への期待でストップ高。東芝は株式非公開化を含めた再編の提案募集で高い。西松屋は月次既存店売上高が高水準継続で上昇。保険株が堅調。

スタンダード市場では、ウエストHDが大幅反落となり、メディアリンクスは信用取引の臨時措置で大幅安。一方、直近新規公開株のフルハシEPOは大幅高。応用技術は年初来高値を更新。オンラインクレーンゲーム運営会社の子会社化でサイバーステップは3日連続ストップ高。

グロース市場は7日続落。メルカリが年初来安値。Birdmanは大幅反落。ワンプラは信用取引の臨時措置で下落。グッドパッチは調整を継続。セルシードは軟骨再生シートの特許登録でストップ高。ギックスは6日ぶりに反発。メディア工房が高い。

日足チャート上では、長い下ヒゲを伴う陰線となり、5日(2万7,132円)・25日移動平均線(2万7,389円)を再び割り込んだ。週足では、引き続き13週移動平均線(2万6,955円)上に位置。長い上ヒゲを引き、26週移動平均線(2万7,836円)には届かず。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。3月決算の主要企業の先陣を切って日本電産(6594)の決算が発表されました。前期は売上高で1兆9181億円(前期比+18%)、営業利益は1714億円(+7%)の伸びとなりました。売上げの伸びほどには利益が伸びていませんが、これは力を入れているEV向けモーターシステムへの投資を拡大しているためと見られます。

期初段階の見通しとして、今期は売上高2兆1000億円(+9%)、営業利益2100億円(+22%)を提示しました。決算発表に合わせて500億円の自社株買いを発表したこともあり発表後の株価は堅調に推移しましたが、本来ならもう少し力強い値動きとなってもよさそうな決算です。2月決算の安川電機に続いて、マーケットは日本電産に対しても少々懐疑的な見方をしているように感じられます。

会社側の今期の業績見通しがどれほどの利益水準で出てくるのか、実際に明らかにならないと投資家として動きが取れないのは事実です。とりわけ現在の円安をデメリットとするか、メリットとするか、企業によって受け止め方がまったく異なります。

当然のことながらデメリットばかりでなくメリットも多くあり、メカニカルシール材のイーグル工業(6486)は2022年3月期の決算見通しの引き上げを発表しました。そこでは営業利益は従来の58億円から78億円に大幅に引き上げられました。半導体不足の自動車生産が予想に反して大きく伸びたこと、それとやはり円安のプラス効果が大きいようです。

来週からの決算発表の本格化で、これらと同じようなケースが製造業を中心に広く出てくる可能性も少なからず存在します。むずかしい状況が続きますが、株式市場はここからは底堅く推移してゆくのではないでしょうか。

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注目記事 Pick up
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【“永守節”全開 日本電産も大商い
日本証券新聞4月25日(月)紙面1面TOP記事掲載 

「耐えがたい株価」「機械を3社買収」「達成ではなく過達」

海外株安を受け、グロース株主体に全面安商状となった22日の東京市場。日経平均は20、21日の続伸分を帳消しにして648.68円安まで売られる場面もあったが、そうしたなかでの光明とも言えるのが、主要銘柄の決算発表第一陣となった日本電産(6594・P)ディスコ(6146・P)の活況だろう。それぞれ一時3.1%高、5.1%高まで買われた。なかでも高い関心が向かったのは日本電産だ。決算と同時に、創業者である“名物経営者”永守重信会長(写真)のCEO(最高経営責任者)復帰や、来春の「ニデック」への社名変更、自社株買いなども発表されている。

直後に発行された証券各社のレポートは、「今3月期は態勢強化で収益改善へ」(野村)、「狙い通り短期業績がV字回復できるのかに期待して見守りたい」(大和)、「今期計画は為替前提の低さを踏まえると悪くない印象」(クレディ・スイス)などポジティブ寄りの見方が主体ながら、「永守氏のCEO復帰は株価にネガティブだろう」(SMBC日興)、「中長期で業績拡大と予想するが市場コンセンサスの切り下がりは避け難い」(モルガン・スタンレー)との意見もあった。ここでは、オンライン決算説明会における永守CEO発言を紹介したい。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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4月22日(金)☆[概況/大引け] 

5月FOMCへの警戒で日経平均は一時2万7,000円割れ。日本電産伸び悩み。日立物流はストップ高

大引けの日経平均は447円安の2万7,105円、TOPIXは22ポイント安の1,905ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は263、下落銘柄数は1,536。出来高は9億7,940万株、売買代金は2兆3,877億円。
FRB議長が5月3日~4日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げが検討されると発言したため、米国株が下落し、日経平均は一時648円安の2万6,904円となった。
5月のFOMCでは利上げ幅拡大に加えて、FRBが保有資産を圧縮する「量的引き締め」にも着手するのではないかと警戒されている。

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