TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】4月28日(木)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2022年4月28日

【本日のマーケット】4月28日(木)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月28日(木)のマーケット                                                                   

4月27日の米国株式市場でNYダウは反発したが終盤上げ幅を縮めた。ビザとマイクロソフトの決算が好感されたことに加えて、中国では上海市の新型コロナウイルス感染者数がここ3週間で最少となり、当局がロックダウン(都市封鎖)措置の緩和を示唆したことが好感された。ただ、FRBによる利上げ加速への警戒感から伸び悩んだ。ボーイングは1~3月期の赤字決算と新型機「777X」の開発が難航しており、初号機の納入時期を2023年から2025年に延期したことで売られた。 NYダウは前日比61ドル(0.19%)高の33,301ドル。ナスダックは伸び悩み、もみ合いで取引を終えた。アルファベットは第1四半期の売上高がアナリスト予想を下回ったことで売られた。メタプラットフォームズも安い。NASDAQ総合指数は前日比1ポイント(0.01%)安の12,488ポイント。S&P500指数は前日比8ポイント(0.21%)高の4,183。

日経平均は大幅反発。日銀が金利上昇抑制で国債買い入れ「指し値オペ」を毎日実施方針で、円安が加速し1ドル=130円接近。プライム市場では、トヨタやTDK、日本製鉄など輸出関連が買われ、日経平均は上げ幅を拡大。デンソーは挽回生産による今期利益見通しで買われた。東鉄工はJR東の設備投資計画を受けて野村証券が格上げ。商船三井の減益計画でほかの海運株も売られた。OLCは中期計画がアナリスト予想以下で急落。イビデンは今期減益予想で大幅安。ZOZOは今期予想を嫌気。

スタンダード市場では、ウエストHDはJERAと資本業務提携で買われた。ブロードメディアは好決算で急騰。オリコンは業績上方修正で高い。一方、直近新規公開株のフルハシEPOは3日続落。NTTDIMは今期大幅減益予想で大幅安。平賀が大幅続落となり、FDKが安い。

グロース市場は調整継続。メルカリが続落となり、セルソースやバンクオブイノベは反落。アジャイルメディアは有価証券報告書を期限まで提出できず東証が監理銘柄(確認中)に指定しストップ安。マクアケは反発。サイバートラストは好決算でストップ高。

日足チャート上では、短い下ヒゲを伴う大陽線となり、5日(2万6,726円)を回復。次は75日移動平均線(2万7,033円)が控えている。週足では、長い下ヒゲを伴う陽線。底入れを感じさせる形状となった。13週移動平均線(2万6,966円)もあとわずかに迫った。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。GWがいよいよ始まります。今年の大型連休に関しては、市場の警戒心と注目度はかつてなく高まっています。

最大の注目ポイントはいうまでもなく、米国の金融政策、FOMCが開催される点です。金融引き締めはどれほどまで強化されるのか、それに対する株式市場と債券市場の反応はどの程度のものになるのか。為替市場ではドル高、円安が一段と進み、1ドル=130円を超えました。マーケット至上主義が一段と強まっている状況にあって、今年の連休は特に神経質にならざるを得ません。

ウクライナ情勢、食料価格、エネルギー価格の高騰、米国の金融引き締め、新型コロナウイルス、サプライチェーンの混乱など、世界経済の先行きは引き続ききわめて不透明です。しかしそれは、とりもなおさず新たな需要が発生する素地が多いということでもあります。

デジタルトランスフォーメーションに関連するデジタル機器の普及や生産拠点の分散化、地球環境に対する製品群(先端半導体、EV、脱プラスチック、再生可能エネルギー)へのニーズの高まり、そして「健康長寿」に向けた新たな需要の創出がそれです。

どんな企業においても、成長の源泉はやはりキャッシュフローです。潤沢なキャッシュフローを生み出す力のある企業にはますます投資家の期待と投資マネーが集まってくるでしょう。ここからの決算発表でもその点を意識して内容を吟味してゆきたいものです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【連休明け波乱 ありやなしや 楽天証券 窪田真之チーフ・ストラテジストに聞く
日本証券新聞5月2日(月)紙面1面TOP記事掲載 

ポジション調整の実際や 日米金融会合の違いとは

大型連休を目前にした4月28日の日経平均は一気の円安進行も背に461.27円高。ただし、直近4日間で1,166.43円安していたことを踏まえれば、手放しに楽観できる状況でもない。昨秋来、3~4連休明け日の騰落を追うと、昨年9月21日「660.34円安」、1月4日「510.08円高」、11日「256.08円安」、2月14日「616.49円安」、3月22日「396.68円高」。上にも下にも大きく動いてきた。まして今回は3連休・3連休・2連休の大型飛び石連休で、しかも5月3~4日には焦点の米FOMC(連邦公開市場委員会)も控える。

・・・続きは紙面・Digital版で!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

4月28日(木)☆[概況/大引け] 

日銀が毎日「指し値オペ」方針で1ドル=130円に。輸出関連が買われた。海運、ZOZO、OLCは下落

大引けの日経平均は461円高の2万6,847円、TOPIXは38ポイント高の1,899ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,504、下落銘柄数は295。出来高は13億8,363万株、売買代金は3兆4,114億円。
日銀が長期金利の上昇を抑えるために、特定の利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を原則、連日続ける方針を決めた。
米国の金融引き締めと異なり、日本は大規模金融緩和を継続するため、ドル買い・円売りに拍車が掛かり、円相場は1ドル=130円台となった。2002年4月以来、20年ぶりの円安水準。
トヨタや日本製鉄、TDKなど輸出関連が買われ、日経平均は上げ幅を拡大した。

詳しくはコチラ

関連記事