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コラム2022年7月15日

【本日のマーケット】7月15日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月15日(金)のマーケット                                                                   

7月14日の米国株式市場は売り先行。7月26日~27日のFOMCで1%の利上げを実施するという観測が出ているため、NYダウは朝方628ドル安(30,143ドル)まで売られたが、売り一巡後は下げ幅を縮めた。積極的な利上げを続けると世界景気を冷やすという見方から原油先物が反落したため、押し目買いが入った。NY証券取引所ではJPモルガン・チェースやエクソン・モービルが売られ、ウォルマートやIBMが買われた。NYダウは前日比142ドル(0.46%)安の30,630ドル。ナスダックも続落で始まったが、終盤はもみ合い水準に戻しプラス圏で引けた。アップルやコストコが買われ、メタプラットフォームズが売られた。ノババックスが急落。米食品医薬品局は13日に新型コロナウイルスワクチンについて、緊急使用を許可したが、欧州医薬品庁からは知覚異常と知覚低下が発生したと発表された。NASDAQ総合指数は前日比3ポイント(0.03%)高の11,251ポイント。S&P500指数は前日比11ポイント(0.30%)安の3,790。

日経平均は3日続伸。プライム市場では、ファーストリテイリングが業績上方修正で買われた寄与度が大きかった。任天堂は映像制作会社の子会社化が好感され、塩野義製薬は開発中の新型コロナウイルスの治療薬がBA.5にも効果で上昇。Sansanは今期増益見通しで急騰した。米国でJモルガンとモルガンスタンレーの決算がアナリスト予想を下回り、ほかの金融株も売られた影響で、メガバンクや生損保、オリックスが調整した。原油安でプラントの日揮が下落。

スタンダード市場では、スタンダード市場はもみ合い。シンワワイズとハーモニックへの買いが続き、ガーラは反発。岸田首相が冬に原発を最大で9基稼働すると表明し、原発関連の助川電気と岡野バルブが急騰。再生可能エネルギー関連のウエストHDは下落。ジーダットは大幅反落。

グロース市場では、グロース市場は反落。Enjinや坪田ラボ、サンバイオに利食い売り。一方、PSSとCANBASが高い。TKPは第1四半期が営業黒字に浮上し急騰した。ソーシャルワイヤーはグループ会社にインバウンド関連翻訳業務の依頼が急増でストップ高となった。

日足チャートでは、週初にタッチした2万7000円が今週の高値となったが、底堅く推移。5日移動平均線、25日移動平均線をクリアし、75日移動平均線を射程圏内に捉えるところで週末を迎えた。ローソク足は陽線が3本続く「赤三兵」が示現しており、来週に期待を抱かせる。週足では、長い下ヒゲを伴う陰線。26週移動平均線に頭を抑えられたが、わずかながら13週移動平均線を上回った。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。インフレ懸念、金利引き締め、景気鈍化の懸念に加えて、今週は悪材料がもうふたつ重なりました。コロナウイルスの感染拡大と電力不足の問題です。

コロナウイルスはオミクロン変異種が再び感染拡大期を迎えています。日本だけでなく世界で突如として感染が広がり、あらゆる国が当惑しています。日本は週の半ばに全国の感染者数がいきなり9万人を超えました。ほぼ半年ぶりのことで、島根、石川、高知、宮崎、沖縄など多くの地域で過去最多を更新しています。

不幸中の幸いですが、今のところ重症化する例は少ない様子です。主要国でも国民に対して行動規制を強いる国は今のところ少ないようで、その間に急いでワクチン接種を進めることが求められます。

もうひとつが電力不足の問題です。6月末の記録的な猛暑で起きた電力危機は、いまのところ一段落しています。しかし電力使用量がピークを迎える夏の暑さはこれからが本番で、いつなんどき事態が切迫するのか、誰にも予想はできません。

電力不足の問題がつきまとう限り、日本経済の本格的な回復や発展は望めません。参院選で大勝を収めた岸田政権が直面する最初の正念場です。ここを乗り切れば混迷極まるマーケットに少しは明るさが戻ってくるはずです。景気対策も兼ねて、電力網の再整備構想など長期的かつ抜本的な大型の対策を打ち出してもよいはずですが、いかがでしょうか。

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【ファーストリテ 市場席巻
日本証券新聞7月19日(火)紙面1面TOP記事掲載 

日経平均を200円強押し上げ 指数構成比10%乗せ

15日の東京市場で際立つ存在感を発揮したのがファーストリテイリング(9983・P)だ。14日に今8月期第3四半期(9~5月)決算を発表。通期収益見通し増額修正を伴う好内容に8・7%高まで買われ、1銘柄で日経平均を214円強押し上げた(TOPIXの押し上げ効果は0・5ポイント足らず)。この株なかりせば、15日の日経平均はマイナスだったことになる。

ファーストリテイリングは第3四半期累計期間(9カ月間)で3.9%増収、19.0%営業増益となり、通期の営業利益も従来の2,700億円(前年比8.4%増)から2,900億円(同16.4%増)に引き上げた。なお、これでも第4四半期(6~8月)だけで比較すれば10.4%減益ということになり、再増額も期待されるところか。

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今日の市況概況
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7月15日(金)☆[概況/大引け] 

ファーストリテイリングの上昇寄与度が大きい。任天堂と塩野義も上昇。一方、金融株は下落

大引けの日経平均は145円高の2万6,788円、TOPIXは0.6ポイント安の1,892ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は689、値下がり銘柄数は1,074。出来高は10億7,831万株、売買代金は2兆5,444億円。
日経平均は3日続伸となった。

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