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コラム2022年7月29日

【本日のマーケット】7月29日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月29日(金)のマーケット                                                                   

7月28日の米国株式市場は続伸。4~6月期GDPが前期比年率0.9%減と市場予想(0.5%増)を下回り、2四半期連続のマイナス成長となったため、主要指数は序盤に売られたが、利上げ圧力が緩和するという見方で上昇に転じた。フォードは4~6月期決算がアナリスト予想を上回り、増配も発表したことで買われた。一方、ファイザーは4~6月期の純利益が前年同期比78%増だったが、薬価引き下げ圧力が警戒され売られた。NYダウは前日比332ドル(1.03%)高の32,529ドル。ナスダックではテスラやマイクロソフトが買われたが、メタ・プラットフォームズは4~6月期が減収となったことで売られた。NASDAQ総合指数は前日比130ポイント(1.08%)高の12,162ポイント。S&P500指数は前日比48ポイント(1.21%)高の4,072。

日経平均は前日に続き2万8000円で頭打ちとなったため伸び悩み。香港株安と円高を受け、小反落となったが、大引けにかけては下げ幅を縮めた。ルネサスエレクトロニクスは第3四半期予想が物足りないという見方で下落。村田製作所とデンソー、第一三共は減益決算で売られた。東邦チタニウムは好決算だったがコスト増が警戒され大幅安。一方、アドバンテストは自社株買いの発表が好感された。ホシデンは上期営業利益予想を減益から増益に大幅に上方修正し急騰。シンプレクスは第1四半期が営業減益だったが、受注が好調だったことで大幅高。

日足チャート上では、200日移動平均線上に位置するも、節値の2万8000円で足踏み。週足では陽線となるも上値の重さを感じさせる形状。月足チャートでも陽線となり、21年9月以来のパラボリック陽転が目前となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。米国で注目のFOMCが開催され、予想通り6月に続いて0.75%もの利上げが実施されました。大幅な利上げ幅ですが、当初観測された1.0%の引き上げは回避されたため、市場ではむしろ冷静に受け止められました。

5月からの3か月間ですでに計2%もの急速な政策金利の引き上げが行われているため、米国経済には徐々に利上げの影響が出始めています。

4-6月期の米国の実質GDPは速報段階で前期比▲0.9%となりました(年率換算)。住宅投資の減速と個人消費の落ち込みが影響しているようで、事前予想の+0.3%から大きく低下しました。これで米国経済は2四半期連続でマイナス成長を記録したため、形式的には米国はリセッションに入ったことになります。

まさにこれがパウエル議長はじめFRBメンバーが狙っている経済効果と見られます。景気後退も辞さないということですが、今後も目立った物価の上昇がなく抑制されるようであれば、8月はFOMCがないため、次回の9月会合で0.5%の利上げ、さらに11月に0.25%、12月も0.25%の利上げという線が観測されています。すべては今後の経済統計のデータ次第ということになります。

日米ともに決算発表シーズンです。連日多くの企業から発表される第1四半期の企業業績も、でこぼこはありますが総じて業績は好調です。好業績銘柄には強気で臨みたいものです。

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【8月相場の傾向と株高習性銘柄を探る
日本証券新聞8月1日(月)紙面1面TOP記事掲載 

理想科学「13勝1敗」、スク・エニ「14勝2敗」、レックも…

配当など7月末割り当ての権利を落とし、28日から受け渡しベースの“実質8月相場”入りとなった。「8月」と言えば、①旧盆休み(と外国人のサマーバケーション)で閑散商状②中旬の米国債利払いに伴うドル売りで円高傾向――などが連想されるタイミング。②の習性は近年、薄れつつあるようだが、8月半ばと12月下旬の商いが細るのは例年の傾向として定着している。また、この月は外国人直近12年間で11回売り越しており(買い越しは2020年のみ)、「皇帝のいない八月」といったところか。それでは、近年の8月の日経平均騰落はどのような傾向を示しているのか。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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7月29日(金)☆[概況/大引け] 

大引けにかけては下げ幅を縮めた。ルネサスやデンソー、東邦チタニウムが売られ、アドバンテストとホシデン、シンプレクスは買われた

大引けの日経平均は13円安の2万7,801円、TOPIXは8ポイント安の1,940ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は513、下落銘柄数は1,259。出来高は12億9,359万株、売買代金は3兆2,524億円。
日経平均は前日に続き2万8,000円で頭打ちとなったため伸び悩み、香港株安と円高を受け、小反落となったが、大引けにかけては下げ幅を縮めた。

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