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コラム2023年12月22日

【本日のマーケット】12月22日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月22日(金)のマーケット                                                                   

12月21日の米国株式市場は反発。第3四半期のGDPの確報値は年率換算で前期比4.9%増と、改定値の5.2%増から下方改定された。第3四半期のPCEコアデフレータ(物価指数)も前期比年率2.0%上昇と前回予想の2.3%上昇から下方修正され、市場予想の2.3%上昇も下回った。こうしたGDPの下方修正とインフレ鈍化を受けて、利下げ期待が意識された。ファイザーやセールフォース、カーニバルが高い。NYダウは前日比322ドル(0.87%)高の37,404ドル。ナスダックでは半導体のマイクロン・テクノロジーの12月~2月期(第2四半期)の売上高見通しがアナリスト予想を上回ったことで買われ、AMDやインテルの株価にも好影響を与えた。NASDAQ総合指数は前日比185ポイント(1.26%)高の14,963。S&P500指数は前日比48ポイント(1.03%)高の4,746。

米国株反発を受けて、日経平均も追随したが、買い一巡後に伸び悩んだ。信用取引の期日売りや週末の手控えが要因。海運は好調を継続し、大手2行は野村証券による目標株価の引き上げを好感。ドラッグストアは、ウォーレン・バフェット氏よりも前に商社株に集中投資して利益を上げた資産運用会社オービスが注目。ペプチドリームは放射性医薬品の開発提携で買われた。中国がオンラインゲームの新規制案公表でネクソンとコーエーテクモは急落。

スタンダード市場では、アクモスが配当性向を引き上げストップ高。アサカ理研はリチウムイオン電池のリサイクルの共同開発契約を発表しストップ高となった。AIメカテックは大口受注を発表しストップ高。半面、クオンタムソリューションズは連続ストップ安。ホリイフードが大幅安。

グロース市場では、Welbyが日本生命と資本業務提携を発表しストップ高。コラボスは最新AIマーケティングシステムを発表しストップ高。HOUSEIは中国子会社が金融業界向け情報システム事業を譲受することで買われた。一方、ACSLとマクアケは安値更新となった。

日足チャート上では、日銀会合という大イベントを通過して大きくギャップアップ。年初来高値水準まで到達するもここを抜けきれず、25日移動平均線に頭を抑えられて週末を迎えた。週足では長い上ヒゲを伴う陽線。年初来高値チャレンジとなったが、売り圧力の強さを再確認させられる格好となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。年の瀬のこの時期、旭化成(3407)が16年ぶりに半導体材料の工場を増設するというニュースが伝えられました。

増産の対象となるのは旭化成が世界トップシェアを握る感光性樹脂「パイメル」です。半導体チップの保護膜には感光性と非感光性のふたつのタイプがあり、現在の半導体の製造プロセスでは微細加工性に優れている感光性タイプが主流になっています。

旭化成の「パイメル」は微細な成形が可能で、耐熱性にも優れていることから、感光性タイプの保護膜用樹脂では世界トップシェアを獲得しています。半導体市場の拡大とともに同社の地位も年々上昇しています。

地政学リスクはますます高まっています。来たる2024年は今以上に緊張感の高まる局面が増えるに違いありません。

日本が得意とする半導体部材市場の拡大に合わせて、各部材のサプライヤーの力も一段と強まってゆくはずです。増産投資のニュースには目を凝らしておかなくてはなりません。

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注目記事 Pick up
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【2024年は史上最高、4万円突破へ
日本証券新聞12月25日(月)紙面1面TOP記事掲載 

米株も好調、大統領選は影響せず マネックスの相場展望

2024年、日経平均株価は史上最高値を更新して4万円突破――。マネックス証券は21日、24年の相場展望メディアセッションを開催。強気派で知られる広木隆専門役員・チーフ・ストラテジスト(写真)は好調な相場になると見通した。

まず最大の関心である日銀の金融政策については、賃金の状況を見る必要があるため1月も動きはなく、早くても4月以降。それも「マイナス金利解除にとどまり、0%以上の利上げはない」とみた。消費者物価指数などインフレがピークアウトするとみているためだ。そのため、引き続き景気と企業業績が向上する業績相場が続くと予測している。

アベノミクスのスタート以降、株価と予想EPS(1株利益)はほぼ連動して上昇している。マクロ環境については「弱いながらもインフレが定着し、値上げも浸透するので企業は利益が出る」と指摘。さらに、東証の「資本効率を考えた経営の要請」、企業の事業再編、M&A、設備投資の加速が来年は想定される。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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12月22日(金)☆[概況/大引け] 

買い一巡後に伸び悩み。海運と銀行が買われ、ドラッグストアも上昇。オンラインゲームは急落

大引けの日経平均は28円高の3万3,169円、TOPIXは10ポイント高の2,336ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,268、下落銘柄数は353。出来高は12億9,578万株、売買代金は3兆4,074億円。
米国株反発を受けて、日経平均も追随して始まったが、買い一巡後に伸び悩んだ。信用取引の期日売りや週末の手控えが要因。

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