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コラム2023年12月29日

【本日のマーケット】12月29日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月29日(金)のマーケット                                                                   

12月28日の米国株式市場でNYダウは3日続伸。ナスダックは小反落。NYダウは一時122ドル高となったが、利益確保の売りが出て取引終了にかけて上げ幅を縮めた。ナイキが反発。紅海の運航を再開する動きが出ているため原油先物が続落となり、エクソン・モービルなどの石油株は売られた。連邦航空局が、ボーイング737MAXの方向舵の制御システムでボルトが緩んでいる可能性がないか、その検査を注視していると声明を出したため、ボーイングは小幅安となった。NYダウは前日比53ドル(0.14%)高の37,710ドル。ナスダックではテスラとマラソン・デジタルが反落し、AMDとアームは買われた。NASDAQ総合指数は前日比4ポイント(0.03%)安の15,095。S&P500指数は前日比1ポイント(0.04%)高の4,783。

正月休み中の海外市場の波乱リスクが警戒され、買い手控えの中、日経平均は続落。原油安を受けて石油株が安く、JIAはライツ・オファリングの発表で株式数の増加が警戒され下落し、クスリのアオキは株式報酬による希薄化リスクで売られた。一方、半導体のソシオネクストは反発し、任天堂は新NISAによる買いが期待された。楽天Gは楽天モバイルの契約数が600万回線到達で買われた。ipsはフィリピン海底ケーブル完成を材料視。

スタンダード市場では、岡山製紙が業績予想を大幅上方修正し一時ストップ高。サンデンは米国子会社が電気自動車向け電動コンプレッサーの生産開始で急騰した。ネクスGはAI関連で協業発表を好感。銚子丸は上期予想を上方修正したが、下期予想を据え置いたことが失望され急落した。

グロース市場では、早大発新興企業が「ダイヤモンド半導体」の通電能力を向上させたため、ダイヤモンド単結晶を扱うEDPに連想買いが入った。売れるネット広告は越境ECサービス子会社設立で3日連続ストップ高。リニューアブルや雨風太陽は反落し、ジェイックは続落となった。

日足チャート上では、寄り引きほぼ同値と言える陽線。底堅い展開を確認した。週足では13週線と26週線のGCの示現を確認した。年明けの上昇を感じさせる推移となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。激動の2023年もまもなく幕を閉じ、新しい年を目前にして静かな年の瀬を迎えています。

日経平均は12月28日(木)終値の時点で、年間上昇率は+28.5%となっています。手元にある1976年以降のデータでは、これは年間の上昇率の第7位に当たります。

私個人として最も記憶に残る今年の出来事は、3月の米・シリコンバレーバンクの経営破綻です。総資産2000億ドル(28兆円)、全米第16位の地方銀行(リージョナルバンク)であるシリコンバレーバンクから一夜にして5兆円の預金が引き出され、たちまち業務停止、経営破綻に陥ったという事件です。

破綻に至ったプロセスがあまりに急で(FRBによる急激な利上げ、それによる債券の損失、売却損の発生、それを埋め合わせるための増資、預金引き出しを推奨するSNSの拡散、ネット経由の取り付け騒ぎ、業務停止・経営破綻)、今後も同じような事態がいつでも、どこからでも発生しかねないという不安を強く感じました。

「GAFAM」が作り出したアフターコロナの世界、SNS全盛の世界は、たいへんな世の中になったものだと痛感します。好況も不況も一瞬のうちにやってくるものと覚悟しなくてはならないようです。

こうして2023年が暮れてゆきます。来たる新しい年はどのような展開が待っているのでしょうか。未来に思いを馳せながら、新しい年の日本の展開におおいに期待したいと思います。

今年もたいへんお世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。

皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。

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注目記事 Pick up
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【日経平均4万円 最高値更新へ
日本証券新聞1月1日(月)紙面1面TOP記事掲載 

株高と円高の共存 新NISAも後押し

2024年、日経平均株価は史上最高値を更新して4万円突破――。マネックス証券は21日、24年の相場展望メディアセッションを開催。強気派で知られる広木隆専門役員・チーフ・ストラテジスト(写真)は好調な相場になると見通した。

まず最大の関心である日銀の金融政策については、賃金の状況を見る必要があるため1月も動きはなく、早くても4月以降。それも「マイナス金利解除にとどまり、0%以上の利上げはない」とみた。消費者物価指数などインフレがピークアウトするとみているためだ。そのため、引き続き景気と企業業績が向上する業績相場が続くと予測している。

アベノミクスのスタート以降、株価と予想EPS(1株利益)はほぼ連動して上昇している。マクロ環境については「弱いながらもインフレが定着し、値上げも浸透するので企業は利益が出る」と指摘。さらに、東証の「資本効率を考えた経営の要請」、企業の事業再編、M&A、設備投資の加速が来年は想定される。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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12月29日(金)☆[概況/大引け] 

続落。JIAやクスリのアオキが安い。任天堂や楽天が買われ、レノバは排他的経済水域への期待

大引けの日経平均は75円安の3万3,464円、TOPIXは4ポイント高の2,366ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,050、下落銘柄数は545。出来高は12億8,510万株、売買代金は3兆818億円。
正月休み中の海外市場の波乱リスクが警戒され、買い手控えの中、日経平均は続落となった。

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