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コラム2024年4月5日

【本日のマーケット】4月5日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月5日(金)のマーケット                                                                   

4月4日の米国株式市場でNYダウは4日続落、S&P500とナスダックは反落。主要3指数とも中盤までは上昇していたが、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が「インフレ率が横ばいで推移し続けるなら、利下げを行う必要があるのか疑問視される」と発言したため終盤に下落した。イスラエル軍の誤爆によりパレスチナ自治区ガザで米民間団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の職員7人が死亡したことを受けて、バイデン大統領が「人道支援にあたる人々への攻撃は容認できない」と述べ、イスラエルが問題に対処しなければ、米国のイスラエル支援を見直す可能性を示唆したことも株価下落要因と言われている。NYダウは前日比530ドル(1.36%)安の38,596ドル。ナスダックではAMDとエヌビディアが売られたが、テスラはインドに輸出するため、右ハンドル車の生産をドイツ工場で開始したと報じられ続伸となった。NASDAQ総合指数は前日比228ポイント(1.40%)安の16,049。S&P500指数は前日比64ポイント(1.23%)安の5,147。

中東情勢緊張による原油高と米地区連銀総裁のタカ派発言や米半導体株の下落を受け、リスク・オフから日経平均は一時1000円近い下げ。東京エレクをはじめとした半導体関連が売られ、HOYAは不正アクセスを受け、複数製品の生産停止となったため下落した。原油高による燃料コスト上昇で電力株下落。オンワードは今期増益予想と配当性向の引き上げで大幅高。クラボウや三菱製紙などの低PBR銘柄と三菱地所や西武など不動産関連が買われた。

スタンダード市場では、ピクセルと丸千代山岡家が続落、伊勢化学が反落。ダイセキ環境は今期減益計画で売られた。グッドライフCは再び売られた。バイク王は赤字決算で安い。直近新規公開株のアズパートナーズが大幅安。ジェイ・イー・ティは続伸となり、核融合関連の助川電工が高い。

グロース市場では、海帆とインテグラルの調整が続いた。一方、トラースOPはAI電力削減ソリューションの販売を丸紅情報システムズが担当することになり売上拡大が期待された。AP(人工知覚)関連のKudanは信用取引の臨時措置が解除され反発。ビートレンドが大幅高。

日足チャート上では、25日移動平均線を下放れて5日移動平均線とのデッドクロスとなった。パラボリックも陰転しており、4万円どころでの売り圧力の強さがうかがえる。週足では、大陰線を引いてパラボリックの陰転も示現。週足でパラボリックが陰転となるのは昨年の11月10日の週以来のこと。調整局面となるか注目される。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。新年度相場が始まりました。

今週は日本の政局、株式需給の乱れ、地政学リスクの高まりなど、投資家の神経をとがらせる事態がいくつも起こりました。中でも大きかったものが4月3日朝に台湾を襲った大きな地震です。

震源地の台湾東部では震度6強を観測し、台湾で過去25年間に起こった地震の中では最大規模に達したとされています。

世界最大のファウンドリー、TSMCの製造現場では、地震発生日のうちに被害状況を明らかにして、地震から10時間以内に工場の7割以上が復旧したと発表しました。

現在の日本経済にとって、台湾で生産される最先端半導体の影響がいかに大きいかという事実をあらためて突きつけられました。エヌビディアとTSMC。最先端半導体メーカーの一挙手一投足行方に、全世界の視線がますます集中しています。

来週は日米首脳会談が行われます。その中では、日米間の投資促進をはじめ、半導体、蓄電池、永久磁石の戦略上の重要物資に関する新たな枠組みを創り出すことになります。

この中で補助金と税制の双方において、日米共通のルール作りに言及すると見られており、実現すれば日本企業にとってもかなりのメリットが出てくると期待されます。

詳細は来週後半の公式発表を待たなくてはなりませんが、テクノロジーの先端技術に関して大きな期待を抱かせる内容となりそうです。日本でも一日も早いエネルギー安定化、電源整備が待たれます。

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注目記事 Pick up
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【不動産株、上値余地を探る展開へ
日本証券新聞4月8日(月)紙面1面TOP記事掲載 

本決算は株主還元策に注目

公示地価の上昇やオフィス市況の回復、デフレ脱却への期待などを背景に、大手不動産株への注目度が高まっている。SMBC日興証券は5日付レポートで、不動産・住宅セクターの新年度の投資戦略を示した。

同証券では今後、不動産株は資産価値を織り込み上昇余地を模索する展開を予想。「資産価値が株価に織り込まれるタイミング」として、大手6デベロッパーの目標株価を引き上げた。個別では、三井不動産(8801・P)の新中計、三菱地所(8802・P)の長計レビュー、野村不動産HD(3231・P)の株主還元などに注目としている。

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今日の市況概況
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4月5日(金)☆[概況/大引け] 

半導体関連主導の下げで一時1000円近く下落。低PBRと不動産関連の一角は上昇

大引けの日経平均は781円安の3万8,992円、TOPIXは29ポイント安の2,702ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は566、下落銘柄数は1,027。出来高は18億2,633万株、売買代金は4兆5,108億円。
イスラエルのネタニヤフ首相が4日、イランやその影響下にある「代理組織」に関し、「イスラエルが危害を受ければ反撃する」と述べたため、緊張感が高まり原油高となった。
原油高によるインフレ再加速のリスクが警戒されているところに、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、インフレ鈍化の進展が滞る場合、年内の利下げは必要なくなる可能性があると指摘したため、4日の米国株は下落した。
加えて、台湾の地震で半導体受託生産世界最大手のTSMCが「完全な自動生産に戻る前には調整のため、より多くの時間を要すると予想される」と述べたため、4日の米国ではTSMCの納入先のAMDとエヌビディアが売られた。

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