TOP  NSJアップデート  インタビュー  アルインコ 小林宣夫代表取締役社長×株式評論家 木村佳子氏<特別対談・後編>
インタビュー2021年11月11日

アルインコ 小林宣夫代表取締役社長×株式評論家 木村佳子氏<特別対談・後編>

ニッチマーケットで「トップ」を実践

これからの80年も「勝つ」経営、その基本理念を聞く

アルインコ(5933)は足場など建設機材の製造・販売の大手。しかし、その名前を聞いて「テレビショッピング」や「トランシーバー(無線機)」を思い浮かべる人も少なくないといい、これこそが、同社が最重要視する「ニッチトップ」戦略だという。小林宣夫代表取締役社長への株式評論家木村佳子氏によるインタビューの後編。

――「いろいろな顔」を持つ、つまり、事業を多角化し、かつ、しっかり認知されている点がアルインコの強みだと感じる。

建設機材関連事業、レンタル関連事業、住宅機器関連事業、電子機器関連事業と、当社が手掛ける4つの事業セグメントそれぞれで、経営方針である「ニッチマーケットでトップ企業」になることを最重要視している。

――「トップ」は、投資家にとっても頼もしい。非常に心強いビジネスモデルだ。

当社の創業は1938年、創業以来いろいろな事業に取り組み、トップであることの重要性を痛感した結果だ。重要視していることは、具体的には3つある。まずは「情報」。トップ企業にはいち早く情報が集り、これを活用して新製品を投入すれば、高いシェアが確保できる。2つ目は「価格決定権」。足元では原材料価格が高騰しており、当社でも価格改定を断行せねばならず、そのためには「ある程度のシェア」を持っていないと、なかなか取引先の了承を得られないという事実がある。

3つ目が「シュリンク時の影響度合い」。仮に市場が縮小したとしてもトップ企業は最後まで残れる、つまり外的要因の影響を受けづらいというメリットがある。そして現在、当社の中にある事業は「トップシェアを持っている事業だけが残った」といった状況だ。

――原材料価格高騰など厳しい状況の中で経営の舵取りをされている、ご苦労は察するものの、しかし、投資家としてはリターンを常に気にしていたい。

個人投資家の皆さまには優待制度をご用意している。3年以上保有していただくと優待内容の厚みが増すような仕組みとなっており、長期にお付き合いをお願いできればと考えている。配当についても、配当性向を従来の30%から40%に引き上げ、かつ、これを安定的に実現し、できるならば毎年増配できるように、利益を着実に積み上げていこうというのが、当社の経営方針だ。

なにより当社の主力製品である建設用の足場は20年から30年と長期にわたって使用されるもの。顧客に対しても長期のお付き合いが前提であり、ゆえに、財務の安定は非常に重要だと考え、自己資本比率50%という目標を掲げている。投資家の中にはROE(自己資本利益率)を重視する向きもあるが、当社としては、自己資本比率を下げてまでROEを高める、ではなく、利益を積み上げることによってROEを高めていく。

――確かに機関投資家はROEを重視されると聞く。しかし個人投資家は自己資本比率が高い、つまり、借金比率が少ない会社を好む傾向があるようにも思う。そうした意味でも、芯の通った“バランス経営”を心掛けていることには好感が持てる。

ありがとうございます。当社は9月7日付でプライム市場選択の申請も完了。プライム市場にふさわしい企業になるべく、まい進していく。

――株価も買いやすい値段帯ですし、チャートで急騰・急落がないところも長期で付き合いやすいと感じる。本日はありがとうございました。

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