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IPO2023年3月7日

新規上場紹介 エコム 3月31日 名証メイン 加熱技術で環境配慮 CO2低減の工業炉製造

エコム(6225)が3月31日、名証メインに新規上場する。

工業炉の設計から稼働後の保守サービスまで全工程を一貫して行う熱技術総合エンジニアリング企業。「加熱技術で環境問題に取り組む企業」を目標に掲げ、自動車やエレクトロニクス分野でCO2排出量低減に配慮した省エネルギーの工業炉を設計、製造する。

1985年に工業用ガスバーナーのメンテナンス業として創業。2004年に商号をEcology(環境)とCombustion(燃焼)からとったエコムに変更した。

売上高の約6割を占める産業システム事業では、熱処理を行う工業炉をオーダーメードで設計、製造する。受注先の約8割はエンジン、ガラスなど生産の多くに加熱する工程がある自動車業界。同社ではEV(電気自動車)のモーター、水素タンクなど、EVに向けた自動車部品の製造に必要な工業炉受注の体制も構築している。

工業炉は大量のエネルギーを消費し、多くのCO2を排出する。環境省が昨年4月に発表したデータでは、日本全体のCO2排出量の13.6%は工業炉からのもの。同社は昇温部にガス、均熱部に電気を使うハイブリッド熱処理炉などでCO2排出量を低減している。

一方で、売上高の約4割を占める保守サービス事業については工業炉の点検、監視、改造工事を担い、昨年12月末現在で全国539社(1,252設備)の工業炉の定期点検を請け負っている。顧客企業はカーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させており、同社は他社が造った工業炉にも省エネ改造工事を行い、成長ビジネスの一つとしている。

業績は23年7月期は売上高が前期比56.9%増の23億5,500万円、営業利益は同2.3倍の2億2,300万円を見込んでいる。(YY)

概要

●事業内容=工業炉の開発・設計・製造および保守点検
●本社=静岡県浜松市浜北区平口5277-1
●代表者=高梨智志代表取締役
●設立=1985年8月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=103万3,500株(上場時)
●筆頭株主=高梨智志(上場前30.63%)
●公募株式数=2万株
●売出株式数=12万株(このほかオーバーアロットメントで2万1,000株)
●仮条件=3月13日に決定
●ブックビル期間=3月15日から22日まで
●引受証券=東海東京(主幹事)、SBI、SMBC日興、松井、マネックス、楽天、極東、岡三、水戸、安藤、丸三

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.7 1,758 136 163.48 10
2022.7 1,501 106 114.80 10
2023.7(予) 2,355 223 300.34 33
単位100万円、1株利益・配当は円、21・22年は株式分割を考慮した修正数値

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