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IPO2021年6月10日

新規上場紹介 オムニ・プラス・システム・リミテッド 6月29日 マザーズ 高い技術、シンガポールの高性能プラスチック企業

オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)が6月29日、マザーズに新規上場する。シンガポールのプラスチックメーカーで、外国株受託受益証券(JDR)の上場となる。

2002年に設立。17年に伊藤忠商事(8001)のグループ企業である伊藤忠プラスチックなどと資本業務提携。現在は伊藤忠グループ内の化学品部門に属する。強度や耐熱性を向上させ、自動車や機械の部品に使われる「エンジニアリング・プラスチック」を軸に、流通事業と、開発、製造事業を手掛けている。

流通事業の主力は汎用品の販売で、売上収益の6~7割を占める。開発・製造事業は部品用途に応じた高機能エンジニアリング・プラスチックの開発をしている。5G、EV(電気自動車)、建設分野などエンジニアリング・プラスチック市場は今後も拡大が想定される。原材料となる樹脂はシンガポールや周辺国のメーカーから安定した調達体制を確立。販売先は東南アジア諸国や中国に設置された子会社や代理店を通じて行っていく。

事業の特徴は材料の研究開発から製品の量産プロセスまで継続的にフォローしていくこと。顧客からの特定ニーズに、短い期間で対応できるのが強み。また、シンガポール本社にあるエンジニアリング・センターを中心に、研究開発能力は高い。シンガポールの科学技術研究庁をはじめ各種機関と新材料の共同開発や体系的な材料データベース構築を行っている。日本では、山形大学と、AIを使用したポリマー着色剤ライブラリーについて共同研究開発をしている。

成長戦略として、技術と市場の多様化に対応するため、先端技術をもったスタートアップ企業への投資も実施。M&Aと戦略的パートナーシップを行い、顧客ネットワーク拡充や供給先の多様化、収益性の向上などを実現している。

22年3月期の業績は売上収益3億5,520万ドル(393億2,000万円、前期比42.3%増)、当期利益1,740万ドル(19億2,000万円、同48.8%増)を見込んでいる。(HS)

概要

●事業内容=汎用およびエンジニアリングプラスチックの流通、製造業
●本社=シンガポール
●代表者=ネオ・プアイ・ケオン代表取締役社長
●設立=2002年3月
●上場前資本金=1,851万425ドル
●発行済み株式数=2,092万5844株(上場時)
●筆頭株主=Neo Puay Keong(上場前40.23%)
●公募株式数=88万口
●オーバーアロットメント分=13万2,000口
●仮条件=6月9日に決定
●ブックビル期間=6月10日から16日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SBI、岡三

業績推移(連結)

売上収益 売上総利益 1株利益 配当
2020.3 192.8 22.9 0.50 1.00
2021.3 249.6 28.1 0.58 0
2022.3(予) 355.2 37.9 0.83 未定
※単位100万㌦、1株利益は㌦

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