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IPO2022年3月8日

新規上場紹介 ノバック 3月31日 東証2部 土木・建築工事の技術者集団

ノバック(5079)が3月31日、東証2部に新規上場する。

景気変動の影響が少ない公共工事を軸とした「土木工事事業」、景気に左右されるものの投資額の多い民間工事を軸とした「建築工事事業」が2本柱。姫路に本社、東京に本店と2大拠点で西日本・東日本の営業体制を支えている。

従業員数に占める監理技術者資格者証の保有者数の割合は52.8%(2021年4月末)と全国平均の23%程度(20年12月末)と比べて高い水準にあり業界トップクラス。同社が請け負う工事は基本的に1級国家資格を持つ監督員(監理技術者)を現場に常駐させる必要のある工事であるため、監理技術者の多寡は関与できる工事の数に影響し収益に直結する。

土木工事では、国土交通省各地方整備局・各地方自治体・各高速道路会社の官公庁発注工事を中心に展開。首都圏・関西圏・中部地方で洪水対策事業のシールド工事や、高速道路の新設、4車線化整備事業のための橋梁下部工事、遮音壁工事、耐震補強工事を数多く手掛けるほか、本社のある兵庫県では治水や利水、河川の環境保全を目的としたダム工事を施工している。

一方、建築工事事業は民間企業発注の共同住宅工事がメイン。このほか学校、福祉施設、庁舎、事務所、高速道路のサービスエリア工事などを手掛けている。共同住宅工事は首都圏・関西圏・中部圏を中心に、本社、東京本店、大阪支店において年間15件前後の工事を受注。非住宅分野の建築物にも積極的に取り組むとともに、リニューアル・コンバージョンなど既設建物の改修などの分野も視野に事業展開している。

前述した監理技術者の多さに加えて、元請比率が高いことも同社の特徴。土木工事、建設工事ともに直近5期の元請比率は100%(同社規定による5,000万円以上の工事を対象)と高水準を維持しており、大規模案件の獲得と高い利益水準を実現している。足元では監理技術者の適正配置によるエリアおよび分野の拡大に取り組んでいるほか、今後は建物や橋梁などの「長命化」の増加が見込まれることから、コンクリート構造物の長命化分野の強化を推進する。

今22年4月期は土木工事事業で6.2%増収、3%減益、建築工事事業で8.9%増収、11%増益を見込んでいる。なお、今年2月以降の新規受注工事については、両事業とも着工が今期末に近い時期もしくは来期になる見通しであることから、今期の業績予想に織り込んでいない。(SS)

概要

●事業内容=土木工事・建築工事事業
●本社=兵庫県姫路市北条1-92
●代表者=立花充代表取締役社長
●設立=1965年4月
●上場前資本金=4億6,500万円
●発行済み株式数=513万株(上場時)
●筆頭株主=ノバック従業員持株会(上場前25.98%)
●公募株式数=48万株
●売出株式数=32万株(ほかにオーバーアロットメントで12万株)
●仮条件=3月14日に決定
●ブックビル期間=3月15日から22日まで
●引受証券=東海東京(主幹事)、野村、SBI、楽天、岩井コスモ、あかつき、東洋、丸三

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2020.4 27,613 1,821 265.17 15
2021.4 30,551 2,504 372.48 20
2022.4(予) 32,923 2,662 417.57 100
※単位100万円、1株利益・配当は円

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