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IPO2019年4月26日

新規上場紹介 バルテス 5月30日 マザーズ ソフトウエアテスト受託が柱

バルテス(4442)が5月30日、マザーズに新規上場(IPO)する。

ソフトウエアテストの受託、テスト技術者の派遣などのソフトウエアテストサービス事業が売上高全体の約90%を占める(2019年3月期見込み)。ほかに、Web/モバイルアプリ開発サービス事業、フィリピンの子会社でのオフショア(海外)サービス事業を行う。04年に大阪市で設立された。

ソフトウエアサービス事業は、製造業やソフトウエアを製造・販売する企業に対して、ソフトウエアの不具合によるリスク回避のため、開発工程における品質計画の立案、開発プロセスの改善、ソフトウエアの不具合の発見を行う。また、重大な不具合が発生していないことを確認するためのテストの設計、実施およびサマリーレポートの作成まで第三者の中立的立場で提供する。サービスの提供は、同社グループにテストセンターを設置して顧客のニーズに合わせたテスト環境を構築しての提供、あるいは顧客ニーズに合わせた人材の提供の2つの形態がある。

サービスの提供領域は、組み込み系(AV機器や家電、産業機器など)をはじめパソコンアプリケーションや業務系システムおよびWebアプリケーションなど幅広い。また、テストの対象も動作が正確に作動するか否かの機能性に限定せず、継続性、耐久性の面、またソフトウエアの不具合による個人情報流出の可能性といった脆弱性発見などさまざまなニーズに対応している。

ソフトウエアテストサービスの市場は競合が激しい。他社との差別化を図るべく、効率的なテスト技術の開発が課題と捉え、テストの自動化開発およびテストツール開発に努めている。また、テスト工程を専門会社へアウトソース(外注)する必要性を広めることが市場拡大、そして同社の業績向上につながると考えている。そのために、無料ポータルサイト「Qbook」を運営し、品質資格の模擬試験やテスト用のテンプレート(ひな形)提供などを行い、専門性を広めるとともに同社の技術力をアピールしている。

高い専門性を有する優秀な人材、特にITエンジニアの確保が重要課題。グループでの人材募集の登録型サイトの構築をはじめ、無料ソフトウエアテスト技術の勉強アプリを利用した知識が豊富な人材を確保するための求人募集などを行っている。

Web/モバイルアプリ開発サービス事業では、Webアプリ・モバイルアプリの開発のほか、セキュリティー診断(ぜい弱性診断)サービスを提供しており、アプリ開発に比べて収益性が高く成長性も高いことから重点的にサービス拡大を図っていく。

上場に際して調達した資金は、テストエンジニアの採用費、基幹システムへの投資などに充当する予定。

概要

●事業内容=ソフトウエアテストを中心としたソフトウエアの品質に関する総合的なサービスの提供
●本社=大阪市西区阿波座1―3―15
●代表者=田中真史代表取締役社長
●設立=2004年4月
●上場前資本金=9,000万円
●発行済み株式数=(上場時)715万株
●筆頭株主=田中真史(上場前67.89%)
●公募株式数=84万3,000株
●売出株式数=20万3,500株(このほかオーバーアロットメントで15万6,900株)
●仮条件=5月10日に決定
●ブックビル期間=5月14日から20日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、野村、藍澤、岩井コスモ、エイチ・エス、SMBC日興、エース、極東、東洋、ひろぎん、丸三、むさし、楽天

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2018.3 2,457 33 ▼0.43
2019.3(見込み) 3,294 193 25.84
2020.3(予想) 3,884 218 23.19
※単位100万円、1株利益は円

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