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IPO2019年9月5日

新規上場紹介 パワーソリューションズ 10月1日、マザーズ 金融機関向けにシステムを受託開発

パワーソリューションズ(4450)が10月1日、マザーズに新規上場する。

資産運用会社をはじめとする金融機関を対象に、業務コンサルティングおよびシステムの受託開発・運用保守を行っている。具体的には、レポーティング関連、コンプライアンス関連、発注関連のシステム開発など。

金融機関ではシステムインテグレーター(情報システムの構築などを行う業者、以下SIer)などが提供するさまざまな汎用サービスを利用している。ただ、そのサービスに接続できる環境を整備しただけでは既存のシステムとうまく接続されないといったケースがある。同社ではSIerなどの汎用サービス間や顧客内のシステムを連携させたり、付加機能の開発を行っている。顧客企業が各種汎用サービス導入後、実際にシステムを使用するビジネス部門が利用できるまでの最後の部分を「ラストワンマイル」と呼び、これらを最適化することを主な事業としている。

「ラストワンマイル」を事業領域とするには、多様な汎用サービスの統合などが必要。各社の汎用サービスの習熟と個社特性が高い開発を効率的に実現することは難しく、大手SIerを含む競合が少ないニッチな領域。

金融機関では採用されているシステムが比較的共通していることから、金融業界に特化することでコスト優位性を実現。また金融業界の特徴として案件獲得時に受注実績が重要な評価指標となることも同社にはプラス。SIerとは案件紹介を受けるなどの良好な関係を構築している。

また、システムインテグレーション業界では、元請けから下請けに作業を段階的に委託していくピラミッド構造が一般的だが、同社は汎用サービスを導入した後の開発を個社別に提供していることから、顧客と直接取引を行うプライム案件が主体。プライム案件は“中抜き”が発生しないことで収益性が高まる案件が多くなる傾向にある。

こうしたシステムインテグレーションの補完的な位置付けとして、金融機関の付随業務の受託や人材派遣を行うことで顧客企業の業務プロセスの一部を代行するサービスを提供している。具体的には投資信託適時開示・法定開示レポーティング、投信レポートデリバリーなど。また、事業会社の総務部門のアウトソーシングとして航空券の手配代行サービスを行っている。

また、RPA(ロボットによる業務自動化)ソフトウエアの世界的企業であるUiPath社の代理店としてライセンス販売や導入支援を行っている。

今後は、豊富な取引実績のある資産運用会社に加えて、証券会社、信託銀行、その他の金融機関などのより広範な金融機関との新規取引の獲得を目指す。足元では、RPAライセンス販売を入口とした一般の事業法人も含めた新規顧客の獲得が順調に増加している。

概要

●事業内容=金融機関に向けた業務コンサルティング・システムの受託開発・運用保守サービスおよび業務のアウトソーシング受託、並びに法人に向けたRPAライセンスの販売および導入サポートなど
●本社=東京都千代田区大手町1-5-1
●代表者=佐藤成信代表取締役社長
●設立=2002年1月
●上場前資本金=7,491万2,000円
●発行済み株式数=132万3,700株(上場時)
●筆頭株主=未来企画(上場前25.59%)
●公募株式数=28万5,700株
●売出株式数=4万2,800株(オーバーアロットメントによる売出)
●仮条件=9月10日に決定
●ブックビル期間=9月12日から19日まで
●引受証券=大和(主幹事)、みずほ、SBI、マネックス、岩井コスモ、いちよし、松井、極東、エース

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2017.12 2,131 291 199.36
2018.12 2,364 291 195.11
2019.12(予) 2,664 314 184.19
※単位100万円、1株利益は円

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