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IPO2022年11月21日

新規上場紹介 大栄環境 12月14日 プライム 廃棄物処理・再資源化の老舗企業

大栄環境(9336)が12月14日、プライムに新規上場する。

主力の環境関連事業は「廃棄物処理・資源循環」を中心に、「土壌浄化」「エネルギー創造」「森林保全」「施設建設・運営管理」「コンサルティング」「その他」の7つの事業を展開。「その他」のなかで、「アルミペレット」「リサイクルプラスチックパレット」で構成される「有価資源リサイクル事業」も行っている。

「廃棄物処理・資源循環」はグループ連結売上高の86%超を占める。ここでは廃棄物の収集運搬から中間処理、再資源化をはじめ、最終処分、地域貢献までのワンストップサービスを展開。産業廃棄物は主に製造メーカー、ゼネコン、医療機関、一般廃棄物は自治体から請け負っている。

不法投棄リスクや排出事業者責任の強化により、排出事業者は処理・処分事業者を選ぶ際に信頼性を重視する傾向がある。そのため廃棄物処理・再資源化ビジネスは既存顧客の取引継続性が高く、かつ、認可の取得や多額の投資を有することから参入障壁が高い。同社は利益率が高い大型の熱処理施設や最終処分場を自社で保有しているため、外部委託による収益性低下も回避できている。

保有する廃棄物収集運搬車両は約700台、海上輸送コンテナは約800基。海上輸送コンテナは被災地の災害復興支援として災害廃棄物の処理などでも活躍している。北は東北から南は沖縄まで広範囲からの収集が可能。リサイクルセンターは30カ所以上ある。再資源化が困難な廃棄物については、7地域で供用中の最終処分場にて適正に埋め立て処理を行っている。

土壌浄化では、主に建設会社に対して土壌汚染エリアの調査から汚染対策の提案、汚染土壌処理に至るトータルソリューションを提供。また、エネルギー創造では自社の最終処分場の跡地を利用したメガソーラーや、廃棄物・バイオマスからの熱回収によるエネルギー供給施設、メタン発酵によるバイオガス発電事業における余剰電力の有効利用など、再生可能エネルギーや非化石エネルギーの供給事業を展開している。

有価資源リサイクル事業は、自治体から飲料用アルミ缶や容器包装プラスチックなどの原料を仕入れ、再生品に加工・販売する。このうちアルミ缶からはアルミペレットを製造し、高炉メーカーなどに販売を行っている。アルミペレットについては高炉での鋼製造工程で使用する副資材「脱酸材」として国内外で取引している。(SS)

概要

●事業内容=一般・産業廃棄物の収集運搬、中間処理・再資源化および最終処分を中心とする環境関連事業および有価資源リサイクル事業
●本社=兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1
●代表者=金子文雄代表取締役社長
●設立=1979年10月
●上場前資本金=5億5,863万円
●発行済み株式数=9507万7,900株(上場時)
●筆頭株主=ウイングトワ(上場前98.28%)
●公募株式数=350万株
●売出株式数=2,860万株(ほかにオーバーアロットメントで481万5,000株)
●仮条件=11月28日に決定
●ブックビル期間=11月29日から12月2日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、大和、SBI、野村、岡三、岩井コスモ、松井、楽天

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.3 61,608 14,155 102.56 30
2022.3 64,992 13,304 97.67 30
2023.3(予) 67,337 13,061 91.19 28
※単位100万円、1株利益は円

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