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IPO2020年6月22日

新規上場紹介 KIYOラーニング 7月15日 マザーズ 個人向けオンライン講座が主力

KIYOラーニング(7353)が7月15日、マザーズに新規上場する。

ITを用いて個人や企業での学習を効率化するクラウドサービスを展開。個人向けにはオンライン資格講座の「スタディング」、法人向けには社員教育クラウドサービス「エアコース」を提供している。

綾部貴淑社長が2008年に、社会人を対象とした個人向け資格取得支援サービス「通勤講座」(18年に名称をスタディングに変更)を個人事業としてスタートしたのが始まり。10年に同社を設立した。綾部社長自身が保有する中小企業診断士の資格取得時の勉強方法を生かし、当初は、当時流行していた携帯音楽プレーヤーにより、すきま時間で学習できる音声講座として中小企業診断士講座を開始した。

その後、スマートフォンの普及という機会を活かして、スマホ、パソコン、タブレットなどで学べ、問題練習やWebテキストでの学習にも対応した学習システム「新ラーニングシステム」を自社開発した。さらに、14年6月に動画収録スタジオを開設。動画講座を主軸としたeラーニング資格講座として、講座ラインアップの拡充、学習システムの機能拡張、サービス内容の拡充を進めて受講者の拡大を図ってきた。

学習システムや講座制作ノウハウを活用して、17年5月に「エアコース」のサービスを開始。法人向けの社員教育事業に参入した。

「スタディング」は、ビジネスパーソンに人気がある資格を中心とした講座ラインアップを展開。「ビジネス・経営」「法律」「会計・金融」「不動産」などに分類される全部で26講座(20年5月現在)を提供している。近年はTOEIC講座による語学分野や、公務員対策講座による学生向け就職対応講座にも対応を始めた。コンセプトは、①忙しい人の資格取得支援②効率的に学べる③わかりやすいコンテンツ④低価格。

新規有料登録会員数は18年12月期は1万4,517人、19年12月期が2万40人、20年12月期は7,509人(3月末時点)。19年9月には累計5万人を突破した。

法人向けの「エアコース」は2つのプランを用意。「ベーシックプラン」は、企業が自らの集合研修を動画化したり、業務名用を動画マニュアル化し、eラーニングのコースとして社内に配信できる。「コンテンツ・プラス」は、これらに加えて、同社が作成した各種の社員教育動画(20年5月時点で109コース)を受け放題で提供している。

19年12月期の決算は売上高8億3,526万円(18年12月期に比べて37.1%増)となった。売上高の95%強は個人向けの「スタディング」が占めた。今後の成長を見据えた人材の確保、学習システムやコンテンツの開発や、次期以降の売り上げ増の基盤となる無料会員を獲得するための広告宣伝費の先行投入などにより、経常損失は1億5,037万円(18年12月期は2億1,113万円の損失)となった。20年12月期は、売上高14億3,500万円(前期比71%増)、経常利益1億2,500万円と黒字転換を予想している。

概要

●事業内容=個人向けオンライン資格講座および法人向け社員教育クラウドサービスの提供
●本社=東京都千代田区紀尾井町4-13
●代表者=綾部貴淑代表取締役社長
●設立=2010年1月
●上場前資本金=3億8,805万円
●発行済み株式数=214万5,000株(上場時)
●筆頭株主=綾部貴淑(上場前48.95%)
●公募株式数=30万株
●売出株式数=4万200株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が5万1,000株)
●仮条件=6月29日に決定
●ブックビル期間=6月30日から7月6日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、大和、三菱UFJモルガン・スタンレー、SBI、楽天

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2018.12 609 ▼211 ▼131.27 0
2019.12 835 ▼150 ▼81.66 0
2020.12(予) 1,435 125 59.62 0
※単位100万円、1株利益は円、▼は赤字

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