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IPO2022年2月22日

新規上場紹介 Repertoire Genesis 3月18日 マザーズ 独自の免疫解析技術で医療支援

Repertoire Genesis(レパトア・ジェネシス、9217)が3月18日、マザーズに新規上場する。

独自の免疫多様性解析技術から得られる多くの情報を統合し、生体反応を多方面から正確に把握。がんや自己免疫疾患、感染症などの幅広い分野で、免疫系を応用したこれまでにない新しい医療を支援する事業を展開している。

患者の免疫系に関する複雑な多くの情報を遺伝子レベルで解読。免疫系が患者の病気にどのように関与しているか、特定の治療法がどのように免疫系に影響しているか検証する。解析結果は独自のバイオインフォマティクス(生命現象を情報科学で解析)技術と、蓄積したデータベースを組み合わせて、研究、予防、診断、治療といった医療開発に提供する。

免疫系を応用した医療開発領域市場は、がんだけでも2019年の17兆円から26年に32兆円と倍増すると予測される成長マーケット。また、コロナ禍で感染症予防ワクチンの開発支援や、重症化を予測するバイオマーカーなどの事業機会も広がっている。

免疫系は多様で全貌の把握は困難だったが、自社で次世代型の「TCR/BCRレパトア解析」を開発。リンパ球の一種であるT細胞やB細胞が持つ受容体の遺伝子を網羅的に解析できる。従来技術より解析データの偏りが発生せず、17年に特許を取得した。

これにより、①がん免疫療法の有効性評価、バイオマーカー開発②免疫療法の開発③自己免疫疾患のバイオマーカー④ワクチンの作用機序の解明といった医療開発場面で活用されている。
さらに、変異ペプチドを正確に判定するネオエピトープ解析技術など、免疫多様性解析に関する関連技術群の開発も進めている。

開発支援サービスは大学、公的研究機関へ代理店経由で提供する「研究開発支援」が安定的に売り上げに貢献。最先端の研究者との共同研究も推進できる。製薬企業と直接契約する「臨床開発支援」はプロジェクト規模に応じた従量課金で、比較的金額は大きく、中長期的な収益貢献となる。

22年12月期の業績は売上高7億7,700万円(前期比29.1%増)、営業損益9,200万円の黒字(前期は1,300万円の赤字)を見込んでいる。(HS)

概要

●事業内容=免疫多様性解析を基盤とした新規診断法・治療法の開発支援
●本社=大阪府茨木市彩都あさぎ7-7-15
●代表者=市川満寿夫代表取締役社長
●設立=2014年10月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=404万4,000株(上場時)
●筆頭株主=UTEC3号投資事業有限責任組合(上場前29.42%)
●公募株式数=93万株
●売出株式数=73万2,000株(ほかにオーバーアロットメントで24万9,300株)
●仮条件=2月28日に決定
●ブックビル期間=3月2日から8日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SMBC日興、SBI、あかつき、いちよし、岩井コスモ、東海東京、丸三、楽天

業績推移(単体)

売上高 営業利益 1株利益 配当
2020.12 416 20 10.88
2021.12 602 ▼13 2.72
2022.12(予) 777 92 19.33
21年12月期は実績見込み
※単位100万円、1株利益は円 、▼は赤字

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