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IPO2022年1月7日

新規上場紹介 Recovery International 2月3日 マザーズ 地域に根差した訪問看護事業者

Recovery International(9214)が2月3日、マザーズに新規上場する。

看護師など(看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を含む)が利用者の自宅に訪問し、医師の指示書に基づいて医療処置、健康状態の悪化防止、回復、予防に向けた看護を行う訪問看護サービス事業を行っている。

主な処置は、床ずれの処置や服薬の管理・指導、点滴、摘便、入浴介助、呼吸器管理、カテーテルの交換など。サービスの対価は、医療保険制度の場合は健康保険組合などの保険者および被保険者である利用者から、介護保険制度の場合は国民健康保険団体連合会(保険者)および被保険者である利用者から、厚生労働省の省令により定められた報酬額をサービス提供料として受け取っている。

病院など特定の系列に属さない独立型のため、地域の住民をはじめとした居宅介護支援事業所、医療機関、施設サービス事業所などと柔軟な連携ができることが強み。2020年12月期以降は全役職員が訪問エリアをデジタル地図上で視覚的に把握できるようにした。効率的な訪問サイクルの設計や管理を行うことが可能になり、1日当たりおよび看護師当たりの訪問件数の増加につながっている。

また、利用者情報や保険者への請求情報は本社で一括クラウド管理。訪問件数や移動距離、現場で発生したインシデント情報などを役職員が適宜閲覧する組織風土ができており、速やかな情報共有化が現場の事故発生の抑止力となっているほか、全社的な業績向上や訪問看護の品質向上に寄与している。

同社に入社する看護師などの従前は病院勤務者であることが多く、9割以上が訪問看護未経験者。入社後3カ月で1人で現場に出られるレベルまで引き上げる育成プログラムを整備し、早期戦力化を図っている。安定した人材確保のため、人材紹介会社との連携のほか、自社のオウンドメディア「ナースデート」によるWebマーケティングなど、紹介料の負担がない直接雇用の割合も増やしている。

21年12月期時点の拠点数は15拠点。これは23年12月期に26拠点まで増やす計画。厚生労働省では25年をメドに「地域包括ケアシステム」の構築を推進しており、今後は大学病院や総合病院から地域のクリニックへと“逆紹介”の多い医療機関が報酬診療にて評価されるため、入院から在宅への流れが加速し、在宅医療の需要がさらに高まることが予想される。(SS)

概要

●事業内容=在宅療養生活を支える看護師等による訪問看護サービス事業
●本社=東京都新宿区西新宿6-16-12
●代表者=大河原峻代表取締役社長
●設立=2013年11月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=138万6,000株(上場時)
●筆頭株主=大河原峻(上場前36.04%)
●公募株式数=7万株
●売出株式数=47万7,500株(ほかにオーバーアロットメントで8万2,100株)
●仮条件=1月14日に決定
●ブックビル期間=1月18日から24日まで
●引受証券=岡三(主幹事)、野村、SBI、エイチ・エス、静銀ティーエム、松井、丸三、むさし

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2019.12 699 20 13.39
2020.12 766 20 26.58
2021.12(予) 1,123 148 89.65
※単位100万円、1株利益は円

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