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銘柄・相場情報2024年3月7日

企業研究 コンフィデンス・インターワークス 業界特化型のバーティカル人材サービス

ニーズを深掘りし、網羅的に対応

コンフィデンス・インターワークス(7374・G)はゲーム・エンタメ業界に特化した人材派遣・受託事業を柱に、人材紹介、フリーランスマッチング、求人広告など主要人材サービスを網羅的に展開。旧社名はコンフィデンスで、2021年6月に旧マザーズ市場に上場した。その後、23年8月にスタンダード市場に上場していたインターワークスと合併した。

コンフィデンス時代から業績は順調。今後、インターワークスとの相乗効果でさらなる成長が期待される。なお、今24年3月期業績は売上高80億円(前期比53.9%増)、営業利益11億2,000万円(同20%増)を計画。第3四半期(4~12月)時点で売上高は前期の通期実績を超過、営業利益も予想を上回る進捗となっている。

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狭く・深く、そして広く
カテゴリーを狭く選定し、その対象領域により深く入り込むことでワンストップで網羅的なサービスを展開するビジネスモデル。

主力は創業以来手掛けてきたゲーム業界向けの人材ビジネス。ゲーム業界はプロジェクト型で様々な専門人材が集まって1つの作品を作る労働集約型の産業構造であり、人材の流動性が高い。

同社はまず人材派遣を起点にプロジェクトに深く入り込み、クライアントとの綿密なコミュニケーションの中で拾い上げた様々な課題やニーズにワンストップで対応する。単なる受注・発注の関係から強固なパートナーシップを築き上げることで、設立から9年半でゲーム業界における主要企業の9割を網羅するまでに至った。

合併を経て、インターワークスが持つミドル・ハイクラス層を中心とした人材紹介や採用アウトソーシング機能、求人メディアが加わり、さらに網羅性が高まった。今後はゲーム業界で培った事業基盤を他業界へ拡張し、自社の強みを発揮できるニッチな領域でシェアを拡大・独占していく。“業界は狭く、サービスを深耕し、広く業界を網羅する”のスタイルで各所にプロフェッショナル集団を作り上げ、対象領域に特化したカテゴリーナンバーワンの集合体を目指す。

新領域への展開、始動
ゲーム会社の多くは同時にエンタメコンテンツを扱っている。同じ取引先企業の中で部署展開をしていくことで、エンタメ領域の取り引きも徐々に広がってきた。

ゲーム・エンタメ業界を極めた同社が次に見据えるのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)、広告・メディア、Web3.0業界だ。このうち広告・メディアについては、グループ会社のDolphinがWebメディアの企画・運営を手掛けていること、今回合併したインターワークスがまさに求人メディアであることから、参入もスムーズとみられる。

DXでは今年1月に情報サイト「RPA Tips」を公開。現役のRPA(ロボットによる業務自動化)エンジニアが記事を執筆し、RPA導入検討企業の相談にも応じる。RPA人材育成サービスを通じて、DX業界における人材サービスを拡大する狙いだ。

また、今年1月にはWeb3.0の専門家人材紹介サービス、転職・キャリア支援サービスなどを展開するプロダゴニストを連結子会社化。このほど、先端技術領域に特化した人材エージェントサービス「Plus Startup」を新たに開始した。高い成長が期待されるWeb3.0市場だが、中でもゲームは有効なコンテンツとされる。これから立ち上がるWeb3.0の転職市場でナンバーワンを目指す。

5年以内に売上高200億円
中長期の成長指標として、5年以内に売上高200億円、営業利益30億円を掲げる。既存事業のオーガニック成長と新規事業、そしてM&Aについても積極的に取り組む方針。人材派遣やフリーランスマッチング、受託ビジネスを中心に各事業の規模を拡大していく。

将来的にはグローバル展開も視野に入れている。昨年9月には、ベトナムにゲーム開発・3DCG受託、ゲームエンジン開発のオフショア拠点を構えるIndigamesへの出資を発表した。

Indigamesは技術力の高さに加え、現地スタジオとのやりとりは100%日本語対応可能と、コミュニケーションにストレスがない点も特徴。協業を通じて国内取引先企業の外注ニーズへの対応範囲を拡大するほか、グローバルテック人材の確保や規模拡大への足掛かりとしたい考え。

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