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インタビュー2021年9月14日

億り人Zeppy井村俊哉が聞く!!〈第4回〉 井村氏×ココナラ 鈴木歩代表取締役社長CEO

凄腕個人投資家で、中小企業診断士でもある井村俊哉さん。上場企業トップを直撃して魅力を探るシリーズ第4弾は、今年3月に新規上場したココナラ(4176・東マ)の鈴木歩社長がお相手。個人の知識やスキルをオンラインで売買する「サービス版のAmazon」を目指す鈴木社長と本音満載のトークを繰り広げた。その一部を抜粋して紹介する。

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――ビジネスモデルが面白いなと上場前からチェックしていた。どのような商材が売れているのか。

「『イラスト・漫画』と『デザイン』それと昔からやっている『占い』が強い。『Webサイト制作・Webデザイン』や『動画・アニメーション・撮影』もトップ3に近い規模まで育っている。ちなみに『成長率』でいくと、すべてのカテゴリーが伸びている、という状況。ビジネス系は既にオフラインで存在するものを置き換えるのでやりやすいが、占いなど相談系は『相談にお金を払う文化』が日本になく、伸ばすのには時間が必要」

――コロナ特需のようなものはあったのか。

「昨年は5月6月あたりから出品者が増え、その後ビジネス利用が一気に増えた。ただし特需ではなく『一段、底が上がった』が正しい」

――コロナで成長率が若干お化粧された部分はあると思う。今期は売上高で52%増を計画するが来期以降はどうか。

「具体的な数字はご想像にお任せしたいが、昨年の第4四半期(4Q)で『底上げ』されて以降の伸び方はナチュラルなもの。加えて大規模なマーケティング投資を行うので、プラスアルファをどれだけ乗せられるか」

――出品者の年度別登録者ごとの販売総額を見ると、過年度の方の利用が増えている。

「離脱はあるが、それよりも一人当たりの販売額が伸びている。われわれが扱っているスキルはサービスであり、モノとは違って『売り切れ』がない。売れた瞬間に評価が付き、評価が付くほどサービスは売れやすく、売れて活躍される方ほどリピートするという構造になっている」

――出品者の継続率は?

「開示していない。われわれとしては販売できているユーザー数が増えているかどうか、UU(ユニークユーザー)の伸びが鈍化していないかに注目していただければと考える。購入者のニーズ、つまり、売れ筋は絶えず変わる」

――一方で「購入額」は増えていないように見える。

「海外他社は購入者が右肩下がりになっているのに対して、当社は基本的にはキープしており、加えて、ここに新しい流通高が乗る『リカーリング(循環)型』になっている。決して悪い状態ではない」

――手数料率を改定し、購入者はゼロから5%、出品者からは一律20%となったが、意図は。

「出品者だけでなく購入者からも手数料をいただく構図の方がわれわれの思想に近い。テイクレートを上げたいからでない。当社は『すべてがそろうマーケットプレイス』として世の中に浸透していくことを指向しており、ユーザー数や取引数が上がっていくことを最も重視している。最高のプロダクト、最高のサービスを提供していたらユーザーが増えて結果、利益率が上がるという発想だ。例えば、ビジネスの拡張性を考えると出品者向けの広告機能が今、非常に求められており、これは既に検討を始めている」

――リスクについて。出品物の管理はどうしているのか。

「ルールを明文化した上で、大手の法律事務所に入ってもらったり消費者庁と定期的に協議したりして、定期的にルールの中身を変えている。こうして更新を続けているマニュアルを見ながら新規出品されたサービスを『健全化チーム』が全件チェック。更新された時にも見ているし、機械学習を入れてNGワードがないかも常にチェックしている」

――最後に今後のビジョンを聞きたい。

まず、3年でサービスEC(電子商取引)の圧倒的ナンバーワンになる。次の2年で日本におけるサービスのマッチングの概念を変えたい。そのうえで、『できないことがない、そろわないものがない』という状態を、さらに5年で目指していく。

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