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IPO2020年2月17日

新規上場紹介 木村工機 3月13日、東証2部 空調システム機器の製造・販売

木村工機(6231)が3月13日、東証2部に新規上場する。

空調システム機器の開発・製造・販売を行う。1947年に会社設立。52年にプレートフィンヒーター・クーラーの製法を確立したことを契機に、空調機器メーカーとして事業を拡大してきた。この製法は、アルミプレートに鋼管を取り付けた熱交換機。効率よく空気と水をプレートフィンで熱交換させるためには鋼管とアルミプレートを完全に密着させる必要があり、鋼管を内部から円周上に広げる製造工法(拡管)でこれを実現した。

社会全般の快適空間への欲求の高まりや地球環境・社会情勢の変化などにより、空調に対する要求は大きく変化している。同社では特許(国内外合計で取得済み147件、申請49件)に裏付けられた技術により、独自性の高い製品を顧客に提案している。顧客の利用環境および同社製品に合わせた制御システムを内製できる技術を持っている。

業務用空調においては、温度に加えて湿度・清浄度・気流などを用途に応じて最適にコントロールすることが求められる。同社では、工場などの「産業分野」、病院、学校などの「保健分野」、オフィスビル、ショッピングセンターなどの「商業分野」の3つに類別し、「分野別最適空間」を推進している。

主な製品は、エアハンドリングユニットが売上高全体の69%(2019年3月期)を占める。これは冷却・加熱を行うために必要な熱源装置を別途設け、水や冷媒ガスを熱媒体として空気の冷却・加熱を行う装置。ほかに、冷水・温水・蒸気などを用いて冷暖房を行うファンコイルユニット。工場、ホールなどの比較的大空間を空調する工場用ソーン空調機がある。

経営環境はインバウンド(訪日外国人)需要を背景としたホテル・食品関連施設などへの設備投資が全国的に拡大すると予想している。一方では、人手不足や採用難による工期遅延、資材調達価格の上昇などが不安定要因。

そうした中で、同社では以下の重点課題に取り組んでいく。①競争力のある製品の開発。空調機器単体ではなく、制御や熱源も含めた空調システム機器として顧客に提案できる製品開発を加速させ、総合的な売上高拡大と利益率改善を進める。また、工事の簡略化、省エネをはじめとする環境にやさしい空調機器など業界の課題解決のための製品作りを推進する。②営業体制の充実。新製品企画、展示会運営、インターネットやメディアの活用などで販売を促進する。③生産能力の増強・更新。受注状況を反映して生産の最適化を図るための基幹システムの更新や生産プロセスの改善に取り組む。

概要

●事業内容=空調システム機器の開発・製造・販売
●本社=大阪市中央区上町A-23
●代表者=木村恵一代表取締役執行役員社長
●設立=1947年8月
●上場前資本金=4億7,000万円
●発行済み株式数=384万9,000株(上場時)
●筆頭株主=KIMURA(上場前11.74%)
●公募株式数=24万9,000株
●売出株式数=10万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が5万1,000株)
●仮条件=2月21日に決定
●ブックビル期間=2月26日から3月3日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SMBC日興、SBI、マネックス

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2018.3 9,535 965 219.08 12
2019.3 11,082 1,478 288.87 20
2020.3(予) 11,600 1,375 275.08 25
※単位100万円、1株利益、配当は円

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