TOP  NSJアップデート  インタビュー  特別対談 アルインコ(5933)小林社長×田島智太郎氏 presented by フィナンテック 主力の「足場」販売、絶好調!!
インタビュー2022年7月28日

特別対談 アルインコ(5933)小林社長×田島智太郎氏 presented by フィナンテック 主力の「足場」販売、絶好調!!

電子部品からフィットネスまで「全方位経営」の進捗を確認

アルインコは先ごろ2022年3月期の第1四半期(4~6月)決算を発表、経常利益が前年同期比52%増と伸長したことで注目された。主力の建設機材関連事業、中でも今後の牽引役と目されている新型足場アルバトロスの販売が同88.6%増と絶好調が確認されたことで、先行き安心感も広がっている。

そんな同社の小林宣夫代表取締役社長に、日経CNBCキャスターとしてもおなじみの経済ジャーナリスト田嶋智太郎氏が疑問をぶつけた。

田嶋氏:コア事業は建設投資との関わりが強い。この先の見通しは?

小林社長:国内の建設投資はかつて84兆円から42兆円に縮小したが、近年は60兆円強での推移が続いている。老朽化したインフラへの対応に加えて、首都圏ではいまだに大規模な再開発案件が続く。われわれが本社を置く大阪には万博という起爆剤もある。

田嶋氏:まさに国策に売りなし、ということか。

小林社長:災害に強い国づくりを目指す「国土強靭(きょうじん)化」について国は相当な予算を割いている。当社はここに深く関わる企業であることを多くの個人投資家に知っていただきたい。

田嶋氏:手掛ける事業を見ると電子機器やフィットネスなど幅広い。足場など「建設機材」と聞いてアルインコとひも付けられる人は、確かに多くないかもしれない。

小林社長:高速道路のリニューアル工事で使われる「吊り足場」については、かなり多くの企業にご利用いただいている。

田嶋氏:これぞ多角化経営といった戦略と積極的なM&Aの掛け合わせが効いている印象だ。

小林社長:昨年8月に子会社化したプリント基板製造会社については、無線機を中心とした電子機器の製造を長らく手掛けてきた電子事業部とのシナジー発揮を期待している。当社の電子部品をあらかじめ配置したプリント基板といったものはすぐに対応できるだろう。この領域は多くの企業が重視しており、当社も長らく参入の機会をうかがっていた。用地取得など設備増強には既に着手している。

田嶋氏:ところで感染症拡大の影響は、御社にはあるのか?

小林社長:前期の業績に貢献したフィットネス部門で影響を受けた。前期はステイホームで需要が拡大したものの、今期は新商品開発が間に合わなかった。製造を中国の協力会社に委託しているのだが、試作品づくりの段階から密なコミュニケーションが欠かせない。これが渡航制限で止まってしまい、例年だと年間30~50アイテムを出すところ、直近では1ケタにとどまっていた。

田嶋氏:その傾向はまだ続くのか?

小林社長:おそらく今下期以降は反動増がありそうだ。停滞していた企画が一気に進むことと、もうひとつ、開発や製造の手間を省く意味でも、これまで主力だったフィットネスバイクといった大型商品に加えて、小物群を投入することを検討している。そう遠くないうちにリリースできる予定。

田島氏:新商品といったキーワードに株式市場は敏感だ。株価の再評価につながることも多い。フィットネス部門のV字回復なるか、引き続き注目したい。

※本稿は6月21日にフィナンテック/東京IPOが開催した個人投資家向けオンラインセミナーの内容を抜粋したものです。

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