三井住友、三菱UFJが最高値
5日の東京株式市場では日経平均株価が大幅に続落、下げ幅は一時1,600円(2.3%)を超えた。急ピッチの上昇を続けてきたAI関連株に利益確定の売りが広がり、東京エレクトロン(8035・P)、アドバンテスト(6857・P)、イビデン(4062・P)などが下げを主導。一方、保険、銀行など金融セクターが堅調に推移、TOPIXは小幅安にとどまった。
6月15~16日開催の政策決定会合で日銀が利上げに踏み切るとみる向きは多かったが、3日の植田和男総裁の講演を踏まえ、市場はより確信を深めた格好だ。米国とイランの戦闘開始以降の原油高では景気下振れのリスクを意識しつつも、物価上振れのリスクをより警戒する必要があるとの見方を明確にし、「適切な金融政策運営によって、インフレが適切にコントロールされていくという市場の信認を確保することが重要」と述べている。6月の利上げを見送った場合のリスクを意識していると受け止められた。6月(0.25%の引き上げで1%)を含め、年内2回の利上げ実施が市場のコンセンサスとなってきた。
金利上昇による収益環境の改善期待を背景に金融セクターに関心が高まりそうだ。5日は三菱UFJFG(8306・P)、三井住友FG(8316・P)、ゆうちょ銀行(7182・P)が上場来高値、みずほFG(8411・P)、三井トラストG(8309・P)が年初来高値を更新。京都FG(5844・P)、八十二長野銀行(8359・P)など有力地銀にも高値更新が目立った。
今後は貸出金利上昇による利ザヤ改善に加え、M&Aなど手数料収入の拡大、デジタル化による効率化なども見込まれている。特に、高齢化の進展、貯蓄から投資への流れなどを踏まえると資産管理、運用などウェルス・マネジメント事業の成長余地が大きく、日本の銀行の中長期的な成長を後押しすると期待される。グローバル水準と比較すると改善の余地が大きいとされるROE(自己資本利益率)や配当性向の上昇にもつながりそうだ。
2027年3月期業績予想の前提となる政策金利はみずほ、三井住友が0.75%、三菱UFJが1.0%となっており、年内2回の利上げ予想を踏まえると各社の業績は増額含みといえる。ゆうちょ銀は決算と同時に新中期経営計画を発表、29年3月期に純利益1兆円超、ROE10%程度を目指す。27年3月期計画の純利益は前期比26%増の6,600億円、政策金利は今期半ばに1.0%、期末までに1.25%を前提としている。
金融政策の変更が極端にAIに偏った物色の流れを変えるきっかけになる可能性もあり、銀行を中心とする金融セクターは要マークだ。(M)

